当初、人には言わなかったが、オミクロン株の特性からコロナが人類と共存に向かう兆候と考えていた。
けれどSARS-CoV-2がもたらすCOVID-19はどのような変移であっても
重症化することもあれば、軽症のまま慢性化して体調不良で仕事を辞める事態さえ起こりえる。
これは変異の種類を問わずSARS-CoV-2の共通項である。
デルタ株もオミクロン株も感染対策は変わっていない。
それは空気感染への備えを行うことである。
CO2センサーによる濃度700ppm未満をひとつの目安に、不織布のマスクを隙間なく装着することでほぼ防げると考えていた。デルタ株までは。
アルコールによる手指消毒は個人的には優先度が低い(必要ないとさえ思っている)。
いくら手指にウイルスが付着しようと自分の顔に触れなければ感染はないからだ。
むしろアルコールによる手荒れや常在菌の死滅などマイナスが大きいため
室内や施設内、店舗内に入るときは行わなくなった。
ところがほとんどの人は無意識に顔に触れたりメガネに触れたりマスクに触れたりする。
だから一般的にはアルコールによる手指減菌は必要悪なのかもしれない。
(ウイルスが付着した自分の手が何かに触れると誰かの指に触れ、その指が顔に触れて感染することになることもあるので)
空気清浄機から噴出されるストリーマ、プラズマクラスター、ナノイーなどの呼称の低濃度オゾンも感染対策には無意味だ(ただしオゾン噴出ではなくHEPAフィルターの部分は効果がある)。海外製の高価な空気清浄機にはHEPAフィルターを備えていないものもあるので購入を見合わせるべき。
ところが険しい口調で手指消毒を催促されることが度々あって
近頃では入室前に自分で行っているとスプレーを見せるか、
行うまねをするなどで心理的さざなみを立てないようにしている。
(そんな人に限って換気には無頓着で指摘すると機嫌を損ねる。空調の快適性が損なわれるからだが、人間関係を損ねたいためにモバイル用のCO2センサーをいつも持ち歩いて相手先で計測して数値と意義の説明を行って換気を啓発している)。
何が大切で何が根拠となっているかを知っていないと本質はわからなくなる。
飛沫感染については不織布のマスクをして大声を出さない、咳をしないようにして
頭の高さまでの遮蔽板があれば防ぎうる。もっとも可視化できてわかりやすい対策だ。
コロナは初期から空気感染があったと考えるべき。中国でのレストランでの感染例がわかりやすい空気感染の顕著な事例であったようにマスクを取る場面では大きなリスクとなる。
もし厚生労働省が主張するように空気感染がないのであれば、マスクを付けて相手に接触しなければ密室に何時間いても感染はしないだろう。ところが三密を避けるべきと主張する厚生労働省。その見解には矛盾がある。ほぼすべての専門家や医療関係者は空気感染を前提に日々の対策を行っているというのに。
オミクロンでは空気感染への感度がさらに上がっていると考えている。
防ごうと思えば、コロナ病棟内での医師が装着している防御服と顔面に跡が残るほど強力な圧のN95マスクでなければならないのかもしれない。
組織内で陽性者が出ると相当の期間にわたって企業活動が損なわれ生産と流通が停滞する。それがサプライチェーンの途絶につながる。
ある店ではコロナ感染が発覚して休業後、十分な対策を施して再開。しかし数ヶ月経過しても客足は戻ってこないという。それまでは行列ができる店であったのだが。しかもその店舗はコロナ対策は感染者が出る前も万全であった。保健所も店名を公開しなかったのは対策ができていたからである。原因は外からの持ち込みで、人が来る以上こればかりは防ぎようがない。しかし再開後の対策はそこまでも踏みこんで行っている。
ワクチン接種についてぼくの周囲でも「打たない主義」の人は決して少なくない。
接種するよう説得しているが、その人たちはこれから先もおそらく接種はしない。
身を持って2回の接種を体験してみたが発熱も倦怠感も腕の痛みやかゆみすらなく、接種後はむしろ身体が軽くなったような気さえした(一種の栄養点滴のような)。
(もちろん個人差があるのでそれが説得力を持つとは思っていない)
さすがに陰謀説など影を潜めているが、人体実験にされたくない、体質が変わってしまう、副反応が怖いなどという。しかしmRNA型のワクチンにそのような魔術はない。
人によって副反応が異なるのは当然で、先天的な遺伝子配列の違いと後天的な健康状況で無害化されたタンパク質であっても過剰に反応が出ることはあり得る。しかし副反応が出るようなウイルス耐性のない人が接種しないままコロナに感染すれば重篤な事態となることは避けられない。
余談だが人によって反応が異なるわかりやすい例はアレルギーである。蕎麦を食べて意識を失うことだってあり得る。ぼくは特にアレルギー体質ではないけれど、ヨーグルト、納豆、牛乳、チーズは体調を崩す食べ物である。空腹時にカフェインを接種しても体調は悪化するが、就寝前に飲んでも平気な人もいる。人によって健康に貢献する食べ物は異なるのだ。原因は腸内細菌の勢力にある。ぼくの腸内では乳酸菌や納豆菌を増やすと腸内バランスが崩れるからではないかと仮説。
身近な親族友人知人でワクチンの接種率を数値化したところ、本日時点でも接種率は40.0%であった。身近な人たちの6割が未接種であることに愕然。ぼくはこの人たちに絶えず情報を提供し続けている。SNSなどの情報ではなく発言者や組織が明らかで科学的な根拠を伴う情報を原文のまま掲載してサマリーを添えている。それでも打とうとしない。
内心ではワクチン接種を義務化しないと救える命が救えなくなると叫びたいところである。
いまからでも遅くないので医師にお金を積んでも接種してもらうよう説得を続けている。
大勢の人と面談したり話をする機会の多い人間がやっておくべき感染対策は鼻うがいである。SARS-CoV-2が咽頭よりも鼻腔粘膜で増殖しやすいという知見があるから。ぼくはぬるま湯に食塩を適量いれて(塩分濃度を気にしないで適当でいい。習慣化するのに面倒は禁物)鼻に流し込むプラスチック製の容器で押し出して咽から出すことを外から帰ったら毎回行っている。仕事帰りだけでなく近所にマスクをして買い物に行ったあとでも行っている。これは風邪やインフルエンザのウイルスも洗浄できて好都合。おかげで毎年数回引いていた風邪がコロナが流行してからは皆無となっている。風邪もウイルスの付いた指が顔に触れること、そこから鼻の粘膜へのウイルスの増殖が原因であったのだ。
オミクロンはそのうち潮が引くごとく消えていくだろうが、ここからの教訓というか数年後の未来が見える気がする。
追記
どんな教訓、どんな未来かを教えて欲しいとのご要望をいただいたので追記を行った。
その1 感染症蔓延時代の到来
・温暖化と熱帯雨林への進出(生態系破壊)により熱帯の風土病(マラリヤやデング熱など)が高緯度帯へ進出
・コロナウイルスの変異で次々と新型が出現
・鳥インフルエンザなどが変異でヒト型の感染力を保持して猛威を振るう
→ マスクや換気の必要性が常態化
その2 グローバル経済の終焉
・富の偏在と大多数の貧困化が同時進行していく社会では感染症の蔓延は社会の崩壊につながる。そうなれば富裕層とて土台のない社会で崩壊する。
・不要な開発を避けて地域で資源(ヒト、モノ、カネ、情報)を回していかないと経済や社会は持続的にできない。
・このまま推移すれば、水と食糧の危機が遠くない将来に訪れる
・財政の破たんでエネルギーの偏在が問題となる。また老朽化した橋や道など社会インフラの再整備や修繕が困難となれば、身の丈の技術と地域内で共助をまわしていかなければならない。
・農業が儲からないので食糧生産が落ちていく。規模の拡大(儲かる農業)が必ずしも解決策ではない。
要するに感染症多発時代は社会構造に起因する。そして感染が社会構造を破壊するという負の循環に陥る。オミクロンそのものよりもオミクロンがあぶり出す未来予想図に怖さを予感している。
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