神棚にご利益を願ったりはしない。
ただ八百万の神々に感謝を申し上げるだけ。
仏壇にも願い事はしない。ただ先祖や故人となった親族の安らかならんことを祈るだけ。
その過程で祝詞を奏上し、読経する。
きょうは日頃疎遠となっている神々や祖霊の寄である神棚と仏壇を清掃する。
まずは神棚から。
この神棚は三社で屋久杉でつくられている。
眺めているだけで落ち着くオブジェと言える。
茅葺一社も捨てがたいが
中央に天照大御神、右に産土神、左に信仰している神を祀るので三社でいい。

扉を開けて御札を格納する。

階段は金で装飾されている。

屋根の素材感

清掃が終わったところ

続いて仏壇。
まずは位牌を別に於いて上から固く絞った水拭きで拭いていく。
表面はポリエステル塗装なので水拭きはなんともない。
仏壇には黒檀と紫檀が主力でうちは紫檀を選んだ。
材質はパーロッサという南洋材。
それが前方を覆うように加工されている(前練りという)。
さらに高級になれば二方練り、三方練り、四方練りと進む。
それだけ稀少材の比重が増すので重量も重くなる。
すべて稀少材のパーロッサということはありえない。
重いし加工もしずらい。もしあるとしても目の玉が飛び出るような価格になってしまう。
おそらくは堅いけれども経年変化に弱くなってしまうかもしれない。
そこで心材に貼り付ける工法(練るという)を採用する。
前練りより落とすと、木の皮を貼った杢貼り、さらに落とすとプリント(印刷)となる。
前練り以上の仏壇の一大産地は徳島。静岡は廉価品と棲み分けている。
近年では唐木を使わない家具調が増えている。
祈りの対象はかたちにとらわれなくていいわけだ。
選ぶ際は清掃がしやすくものにした。この部分に華麗な彫刻を施したものは清掃が面倒になる

宮殿(くうでん)の部分。彫刻が施されているのが一般的

欄干はダボで取り外しができるのが高級品。廉価なものは接着してある。

昔の人は仏壇の隠し扉に預金通帳などをしまっていた。
泥棒も仏壇は開けないというわけだ。

香炉の部分がもっとも高貴な場所でここに信仰している仏像を置く。

真言宗なら大日如来を置くことが多い。印を結んだ結跏趺坐ですぐにわかる。
観音菩薩の立像などを置く場合もある。
うちは掛け軸(十三仏)で代用している。
左は不動明王、右は弘法大師。
その不道明王の前に吊ってあるのは浅草の浅草寺で求めた観音様の掛け軸。
(読経するときに観音経も唱えるので)
コロナ下でつつがなく2021年が終わる。
良いことばかりではないが悪いことばかりでもない。
生きていれば生きている。それでいい。
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