2021年11月25日

母校の裏山がこんなに愉しい山だったとは(鍛冶ヶ峰=阿南市)


母校の表通りは国道でそこから富岡商店街を通って、パンのもみじや、平惣書店や中富書店、牛岐城、セイドー百貨店、JR阿南駅に連なる県南のメインストリートがあるのに対し、裏通りは住宅街から山裾へと近づくだけで一度も行ったことがない。もっとも桑野川の土手は運動部がよくランニングをしていたのでなじみがあるが。

出席番号のひとつ後の福田君が宝田町に下宿していた。彼の下宿にはヤマハのプリメインA-5やローディのカセットデッキD-70Sをフォステクスのユニットを自作キャビネットに入れたスピーカーで鳴らしていた(高校生である! それにしても当時の普及価格帯オーディオのデザインはすばらしい。いまでも手元に置いておきたいと思う)。

高校時代ではないが、同級生もヤマハの名機NS-1000Mを3人が持っていたのでよく聴かせてもらった。良質の部品が町工場からふんだんに入り、秋葉原には掘り出し物のパーツがあふれ、スーパーのダイエー徳島店の4階にはアキュフェーズのアンプやタンノイ、JBLのスピーカーまで並べていたというオーディオの全盛期。いまや半導体不足でクルマやカメラ、オーディオは入荷待ち。

高校の裏山にあるのは鍛冶ヶ峰という標高228メートルの低山。
阿波の三峰のひとつ、津乃峰山へも尾根で連なっている。
津乃峰山(247メートル)は有料道路やロープウェイのある観光名所というのにこの差は大きい。四国の山々を歩いているぼくでさえ、母校の裏山は行ったことがないぐらいだった。

低山は晩秋に限る。そう、そのとおり。
名前と存在だけは知っていた鍛冶ヶ峰へ行ってみることにした。
いつものように家事や事務処理で出発が昼過ぎとなったが、どうってことはない。
しかし1/25000地図とコンパス、ファーストエイドキットは(いつもながらであるが)持って行く。
低山といえども万一の道迷いや滑落などで救助を求める場面が1/100万でもあれば備えておきたい。

登山口は母校の裏からのようで車も停められるようだ。
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付近には洒落たログハウスがある。開拓時代のロマンが漂うが、誰か住まわれている気配がないような気もする。
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登山口は傾いた陽射しを受けて趣がある
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歩き始めてすぐに池が目に飛び込んでくる。
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信州あたりに見かけそうな雰囲気。この時点で歩みが止まっている。
オータムグリーンというよりは紅葉成分を帯びているけれど湖面に色の彩を落とす。
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池に沿って進むみちのうれしさ
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池の終点でここから山へ入っていくのだけれど
山から流れ落ちた沢が池に流れ込む。
水質は良好だ。
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沢沿いの散策路は杉の植林と竹林に覆われて薄暗い。
この道はやがて傾斜角を強めていく
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土着の樹木が竹に囲まれて(絡まれて)あえいでいるように見える
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風は強いが、紅葉はきらめきを見せる
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路面が濡れていれば足元が滑りそうな(簡易舗装)急傾斜もほどなく終わって山頂直下の神社に出る。
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大師堂
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さらにロープが設置された急登の坂を登れば展望台のある一角に出る。
山頂付近は巨大な山塊のようだ。
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展望台からは徳島県南部が絵巻物のよう。紀伊水道を挟んで50km先の和歌山県もくっきりと建物まで視認できる(これには驚いた)。

山頂で菓子パンをかじるのも楽しみ
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桑野川、那賀川河口、出島湿原
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那賀川の古庄橋、その奥に日峰山、さらに眉山
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見能林町方面へは北の脇の松原が見渡せる
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登山口の池も見える
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大岩権現。巨大な岩そのものがご神体ということか
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山頂にある巨岩の割れ目
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急傾斜を下ってあっという間に降りてきて風情のある池と流れ込む沢のほとりにて
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池は周遊できるが、時間の都合で紅葉をちらりと見て引き返した
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まちのすぐ近くでありながら車を停められて
池の情緒に浸りつつ暗い沢沿いの急登を登り切れば阿南市を一望できる展望台がある。
ここで風に吹かれながらおむすびやパンを食べれば人生快適時間。

散策を振り返れば、影絵のように光を明滅させる池、沢沿いの涼しい景観とアスレチックな急登、頂上直下の寺社、頂上の巨岩と大展望、さらに津乃峰方面への縦走の可能性を訴求してあくまで無名の山のフリをする母校の裏の鍛冶ヶ峰。
タグ:出島野鳥園
posted by 平井 吉信 at 00:44| Comment(0) | 山、川、海、山野草
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