2021年11月20日

地域課題の解決必要か?


たまたまラジオを点けたら立憲民主党代表選挙の立候補者の演説を移動中に聴いた。
前回に立憲民主党は「冷たい正義」などと書いたが、
どの候補者も自公と比べたら身近に感じる。

4人のなかでは逢坂氏が良いと思った。
若手2人の男性は野心はあっても調整能力の不足や見落としがあるように感じられる。
女性候補者はいいと思う。ただし辻元清美氏が落選したのは党にとっても、日本の政治にとっても痛恨の極みだろう。多様性(及びその尊重)こそ政治の活性化の原動力だから。

先般亡くなられた瀬戸内寂聴さんが辻本さんを自身の寺にかくまって守ろうとされたという。
秘書給与詐欺容疑など紆余曲折を経て政界に返り咲いた経緯は寂聴さんの人生とも重なるものがある。大阪では維新の勢力が強いが、不順な動機や矛盾で綴られた政策の化けの皮は容易に剥がれないのだろう。
(元大阪府職員で今回の選挙で国会議員になられた大石あきこさんのブログTwitterでかの政党の実態が伺える。リンク先を見てみて。政治の話題なのにおもしろいよ)
まっすぐな志ではれいわ。いのちをかけて闘っている。その姿勢も政策も共感できる。

寂聴さんがお亡くなりになられた11月19日、
その日は寂聴さんが弟子と公言されている小林陽子さんと仕事で面談していた。
小林さんから高知県在住者で話を聴いて欲しいご夫婦がいる、とのお電話をいただいて
先方様の都合が付く日とぼくが小林さんの地元へ出張する日が同じだったため面会が実現した。
(文字で書くと何でもないようだが、確率的には1/60×1/16ぐらいで1/1000ぐらいの偶然だ)
寂聴さんはその日にお亡くなりになっておられたのだ。

ご逝去が判明して地元徳島新聞では11月12日に瀬戸内寂聴追悼の大特集を組んで
そのなかで「弟子」の小林陽子さんのコメントも掲載されている。
(ぼくもそれまでに小林さんから寂聴さんにまつわる私的なお話を聴かせていただいていた)

2つ道があれば危険は道を選ぶ―。
岡本太郎の言葉でぼくも好きな言葉。
不完全ながらも実践し続けてレールの上を歩まず今日まで来ている。
寂聴さんも小林陽子さんもそれを実践された方々だ。

何度も書いているようにぼくは特定の政治勢力との関係は持っていないし持つつもりもない。
政党政治ではなく優れた人材が組織の長となる台湾方式を理想としている。
もし感染症の専門家でマネジメント能力の高い人材がいれば、
その人に厚労大臣を任せればいい。
そうしなければ政治と科学的知見は合致しない。そこには与党も野党もない(いくつかの政党の横暴は目に余る)。

立憲民主党は先の選挙の反省に立って党を運営していかねばならない。
(政治に距離を置いているのに党派を問わず知事、市町村長、国会、県議会、市町村議会の議員から携帯にお電話をいただくことがある。お尋ねいただいたことへは誠実に回答している)
その腹づもりでラジオからの演説を聴いてみると逢坂氏がいいと思った。

実務を知っている人がていねいに行政機構と議会の歪んだ関係性を是正することが
どんな政策を行うかより大切と思う。その能力がおありになるのが逢坂氏のように思えたのだ。
ただし話のなかで納得できない箇所がひとつある(それも重要なところで)。

それは地域の課題を解決していく、と強調されていたところだ。
地域の課題を解決する、という視点からは
自公がやっている地方創生と同じ轍を踏むことになりかねない。

補助金の使途として例示された内容に沿って各自治体が金太郎飴のような政策を乱発するだけ。
例えば、過疎の解決に移住者のための住居を整備する、特産品の開発を行うなど。
それぞれが悪いものではないが、「地域の課題を解決するには」のテーマから入ると処方箋が限られる。というか、その枠組みの外が見えてこない。

確かに移住者を増やすには住宅問題はボトルネックかもしれないが
それがあるからといって住んでみたいとは思わないだろう。
魅力をつくる、強みを伸ばす視点が不可欠だが、課題解決の視点からは出てこない。

役場や学校などの職員が上を見ることなく力を発揮できるしくみを調えられれば
政治家の思いつきの発想よりずっと地域に密着した地に足の着いた行動が見えてくるような気がする。
ただし自治体職員も発想は狭い範囲にとどまる可能性がある。
財政からの評価(今頃は来期の通常予算編成に向けて財政部署と概算要求の協議を行っている最中だろう)や
首長の実績づくりへの貢献や議会への説明という視点が求められるためKPI重視に偏重しがち。
さらに中長期的な立ち位置で継続的に政策を推し進めるのを阻むのが職員の異動。

異動は職員のキャリア形成や癒着を防ぐ意義はあるのだが、担当者が変わると沈滞することの繰り返しで民間も嫌気が指す場面もなくはない。審議会などに諮問するのではなく、審議会そのものに実行力を持たせる(予算と組織を付ける)のも一案だろう。

あれこれと思うことはあるが、立憲民主党がよくならなければ与党にとっても野党勢力にとっても良くない。その意味で注目している。



タグ:政治経済
posted by 平井 吉信 at 12:23| Comment(0) | 生きる
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