阿南市内のバイパスを南下中に目にとまったコスモス畑はハローズ津乃峰店の少し北側のバイパス沿いにある。
地区の方々が手入れをされていると推察。あとからどんどん人が訪れては写真を撮っていく。
ぼくも車を停めてしばし散策することとした。


秋桜の真ん中を歩く人がいるのだろう。近くで写真を撮ってもハートには見えないし、誰かの一歩が誰かの足跡につながってハートが割れてしまうよ。つくった人の気持ちを慮って花の真ん中を歩かないで。
(花が終わればすき込んでしまうのだけれど、せめて一日でも長かれと願うので)




秋桜は遠クニアリテオモフモノ

秋桜はちらりと見た程度で付近を歩いてみることとした。
職業柄気になるのは小川(小川評論家ですから)


津乃峰山を臨む平野でキャベツ畑があった。
職業柄気になるのはキャベツ(キャベツソムリエですから)



もしかしたら農業生産法人の情熱カンパニーさんの営農かな。
(いい会社ですよ)
このキャベツ場の生育は良好で、しかもチョウや蜘蛛などの虫がたくさんいた。
(農薬は必要最小限に留めているのだろう)


さらに歩くと打樋川に出くわした。
バイパスと並行して流れる打樋川は川幅10メートルほどのまっすぐの流れだが
橘湾が近づく感潮域となって川幅が急激に広がり干潟を形成する。



おお、これはひとかどの生態系ではないか。
職業柄気になるのは生態系(生態系観察者ですから)
不注意に姿を見られて無数のカモが一斉に飛び立った。
それを見て「しまった」とばかりに亀もひなたぼっこをやめて水面を漕いでいく。

打樋川は阿南市の平野部に源を発し平坦な地形を流れて橘湾に注ぐのだが
国道から北の脇へ行くときにオリーブ色に濁ったあの川のことかと思い出す人もいるだろう。
そう、あのオリーブ色の川です。
この川の源流は阿南市富岡町(県南でもっとも栄えたまち)。
桑野川からの分流か生活排水路のような川幅30センチ程度の溝が源流となって
高低差のない平野を海に向かっておずおずと流れ出す。
地図でたどれたのはフジグラン阿南店の敷地のセブンイレブンあたり。
(セブンイレブンの店舗に入る前に足元を見てください。暗渠があるでしょう。これが生まれたばかりの打樋川なのです、とブラタモリの気分)
打樋川はうてびがわと読む。実は徳島市論田町にも打樋川がある。
同じように排水用の感潮河川で水が停滞している点も似ている。
どちらの打樋川も県内では有数の汚染とされる。
これは少ない水量に生活排水が流れ込むからであるが
富栄養状態とも言える。
打樋川の名誉のためにひとこと。
清流に棲むアユやアユカケなどはいないとしても、上流部はメダカやドジョウ、中流域はウナギやウグイ、感潮域ではボラ、キビレやスズキもいそうな雰囲気。
橘湾の魚や海苔などの生育にも好影響を及ぼしているだろう。
清濁併せ呑むというが、打樋川の存在があっての自然という側面もなくはない。
近年では糞尿を海に流して欲しいと漁師からの要望が当局に寄せられることもある。
透明度が高いエーゲ海にはほとんど魚はいないというが、適度な栄養分は必要なんだね。
(ただし重金属や化学物質などは含まないことが前提)
秋桜に打樋川。みんな違ってみんないい。
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