雨が降り続く7月中旬のこと。
那賀川支流の赤松川に足が向くのは谷間の小さな川と里山の風情を感じたいから。
降り続く雨を車内で握り飯を食べてやり過ごしている。
少し昼寝でもしようかと赤松川河畔の木陰で雨音を聴きながらうとうとしている。
すかした窓から空気が変わった気配がする。
雨は霧雨になり、河畔林が翳んで見える。

外へ出て対岸の森から靄が薄れていく
雨に打たれたような感覚(実際に打たれているのではなく、動きが止まってしまう)。
しばらく霧雨に濡れていたが、クルマに戻って標準レンズの付いたカメラをさっと向ける。

この撮影でもっとも好きな1枚となった。
(フジX-T30+XF35mmF1.4 R、PROVIA。緑のなかに無限の階調があるけれどこれを描き分けるのはフジだけかもと思う)
ヒメヒオウギズイセン 滴を宿している

しっとりと空気をまとった棚田の湿度感こそ日本の夏



里山を歩けば足が止まる


(同じようなカットだけれど、フジとニコンの描写の違い。フジは相変わらず水彩画のようだ)
赤松川に下りていくと湿った崖に自生するウナヅキギボウシ


(同様にフジとニコン。焦点距離が異なるが描写の特徴はわかる)
一瞬晴れ間が射して河畔の合歓が輝きをぼうと放つ

コオニユリにちょこんと乗っかったアマガエル

鴨の仲間

影絵となったトンボ

黒のなかに緑や青の差し色を持つトンボ

赤とんぼが田んぼを群れる。電線と重なって音符のように見えなくもない

(里山の生き物はニコンD7200+AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR)
雨が止んだ頃のみずみずしさも良いけれど

夕暮れが迫る山間の畦で夕陽がこだまする


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