青梅や鶯宿を梅酒に仕込み、南高梅を漬け梅(梅干し)にするのは季節の風物詩。
この作業はぼくの分担でずっとやっている。
おいしい梅酒や梅干しは家族親族のなかでぼくしかできない。



川沿いの河畔林で自生する梅を見つけた。
柔らかな曇り空に映える光景だった。






梅酒は例年35度の米焼酎もしくは35度の泡盛を使っている。
(麦焼酎や芋焼酎は梅の個性を活かせないのは実験しなくても推察できる)
ブランデーやウォッカ、ジンを使うのもあり得るが
梅の青果が良質であれば避けた方がいいと思う。
今年は米焼酎が入手できなかったし普段使っている泡盛の銘柄も入手できなかった。
そこでホワイトリカーと泡盛の3年古酒(35度)を使うこととした。
梅酒づくりは原価がかかる。1升でも4千円程度の材料費になる。市販の量産梅酒が数百円で売られているのはどんな魔法を使っているのか?
いずれにしても量産品は梅の青果の鮮度とベースの品質が良くないせいか
糖度を上げて抽出と風味づくりを行わざるをえないのではないか。
だからべとべとするし香りにも乏しい。コクも透明感もない。
さらにもうひとつとても大切なこと。
それは梅酒にするなら畑でちぎって1日以内の鮮度であること。
その鮮度感が香りや瑞々しい風味につながる。
だからスーパーに並ぶ流通品でおいしい梅酒はつくれないと考えている。
(ぼくは生産者を直接訪ねて分けていただいている。当日売り切る分しか並べない直売所もいい)

美郷物産館で梅(月世界という品種)のジェラートをいただいた。

梅干しは紫蘇漬けだが、塩分濃度は長年の経験で16%が最善と判断している。
やや低めと思う人もいるが、焼酎を併用するので保存性でまったく問題はない。
(一つひとつの工程で衛生面に留意しているのでさらに下げても問題はないと思う。例えば水洗いして乾いた梅を1個1個焼酎を吹き付けて不織布で拭く。容器や浸け石も同様)
梅酒は毎日家の誰かが飲んでいる。
特に食前酒として食欲が出てくる。
梅干しは弁当はもちろん茶漬けにも欠かせない。
梅酒と梅干しのない人生はつまらない。
正月におせちを食べなくても違和感を覚えないけれど
六月に梅酒や梅干しづくりにかかれないとその1年はないような喪失感。
スマートフォンのない人生に不便を感じないし
グルメやSNSと無縁の日常こそ愉しい。
でも梅酒やおいしい米、ミネラルの多い川のない地球なら生きていたいとは思わない。
タグ:梅
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