2021年05月18日

祖谷(東祖谷)の奥深さ 時を経ても縁は切れない


ここは東祖谷。秘境祖谷のなかでも最深部の釣井(つるい)集落。
近くには重要文化財の木村家がある。
kimurake.JPG
ぼくが遊んでもらった子どもたちは近所の子だ。
子どもの遊びを見ていると
高い崖(2メートル以上ある)からひとりが飛び降りた。
するとあとの子たちも続いた。
何事もなかったかのように着地して駈けていく。
骨が丈夫なのだろう。

やがてお姉ちゃんがじゃれる弟の足を引っ張る。
すると弟の頭は道路でコトコト音を立てる。
弟は笑っている。
アニメじゃない、実写だ。
映画じゃない、暮らしの一コマだった。
kodomo.JPG
あのお姉ちゃんと会話を楽しんだ。名前も覚えている。
もうとっくに成人して子どもがいるだろう。

東祖谷山村の釣井集落でミノルタX-700を手に出会う人々と会話をしながら撮影していた。
→ 詳しく見たい人はこちらに古いコンテンツ「東祖谷と三嶺・探訪絵日記」
https://www.soratoumi.com/river/iya/iya1.htm


それから数年後、
山と渓谷社からのご依頼で「ヤマケイJOY秋号」の取材で東祖谷と三嶺を訪れて写真撮影を行った。
投宿した宿ではひらら焼きなどをいただいた。
この取材に同行したのは後に「とくし丸」の創業メンバーとなる村上稔さんとその奥さんである。
村上さんとは仕事でいまも交流が続いている。

祖谷は平家の落人伝説がある。
伝説というよりは史実だろう。
nijyukazurabashi.JPG
まず言葉(抑揚)が徳島の平地と異なる。
異国のように感じるほどだ。

ほとんどの人は祖谷のかずら橋を見て大歩危小歩危や妖怪伝説で帰っていくけれど
やはり東祖谷の集落で身体(時間)を埋めないと魅力はわからない。
SNSの受信音の鳴らない環境で急斜面の家の縁側から谷底と向かいの山を眺めてごらん。
雲を映した瞳、風になびく髪、千年のかくれんぼを感じる心。

1973年にアメリカの青年が祖谷に魅了されたのは釣井集落である。
ぼくも庵を訪ねていったが、このときアレックスさんは不在だったと記憶している。
(なぜ、こうも釣井集落に縁があるのだろう。実はさらにもうひとつ縁があるのだが)

アレックス・カーさんの語りで綴る6分少々の動画をご覧ください。
(三好市まるごと観光戦略課制作)
TRAVELS in IYA ~in the words of Alex Kerr~
https://www.youtube.com/watch?v=Pyskw3yjza8

(観光PR動画とは一線を画す静かな語り口、邪魔にならない音楽で佳いコンテンツですね)

追記
前述とはさらに別のご縁があった。
数年前に台風で壊れた屋根の修理を依頼した業者さん。
仕事がきっちりと評判の方。
実はこの方が東祖谷のご出身。
それだけでない。
東祖谷に特化したWebコンテンツをつくられていた方で
さきほどのWebでぼくがリンクを貼った先だった。
(現在はリンク切れでたどらないように)
さらに、東祖谷山村のご出身で後に知事になられた方のご自宅にお招きいただいたこともあった。
さらにさらに…いや、省略ということで。
祖谷はかくれんぼをしながら人のえにしをつないでいる。

タグ:祖谷
posted by 平井 吉信 at 22:13| Comment(0) | 徳島
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