親父はハイカラ好きだった。
若い頃、東京へ出てハワイアンのバンドを組んでいたこともある、といっていたが
どこまで真実かわからない。
しかし徳島に戻ってきてハワイアンを弾いていたのは事実。
若い頃、アメリカの喜劇が好きだった。
特にボブ・ホープの「腰抜け二挺拳銃」、ダニー・ケイの「虹を掴む男」を見てみろと口癖のように言っていた(未だに見ていない)。
けれど長寿とは言えない年齢でこの世を去った。
野辺の送りの前に「珊瑚礁の彼方」を流した。
のどかな旋律に満たされて白い顔がおだやかに見えた。
もう少し長生きしたかっただろう。
もうこの音楽を聴くこともないのだ。
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ときは2021年3月、
週末返上で連日2時、3時までの仕事が続いている。
コロナ下でするべきこと、果たすべきことが山のようにあり
それらは生きる人間の務めと思って日々を過ごしている。
寝ながらパトリック・ガロワのCDを聴いていた。
フルートとオーケストラによるムード音楽のような内容だが
クラシックにありがちな強弱を排して演奏されるこのCDは深夜のオアシスのよう。
「パトリック・ガロワ/ベスト・オブ・ベスト フルート名曲集」
(耳当たりの良い誰でも知っている70の楽曲と極上の録音。4枚組のCDが2千円未満)
夜の静寂で心を揺さぶられたのは
チャップリンが製作・監督・脚本・作曲・主演まで担当したという「ライムライト」から「テリーのテーマ」。
人生を肯定するあの主題が万感の想いを込めて提示され
木管がこだまのように振り返る。
ピアノに受け渡された主題は独白となって
フルートがオブリガートで伴奏。
再びの全奏で包み込まれる。
モノローグは低弦の上でヴァイオリンが見送るように。
(深夜に降ってきたミューズの落とし子のような音楽。ここでの印象はフランク・チャックスフィールド・オーケストラによるもの)
映画を見たくなった。
時代も言葉も違えば地理的な距離も遠いけれど
チャップリンと世阿弥が遭っていたら
「花を咲かせる」ことで話が弾んだことだろう。
老いることの怖さ、老いに向かう勇気、
そして泰然と迎える最後。
そのおだやかな瞬間の満ち足りた光は人生の走馬灯を動かす力。
心がうつむいている人のために、ライムライト。

“Yes, life can be wonderful, if you're not afraid of it. All it needs is courage,imagination, … And a little dough”
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