2021年01月18日

数年ぶりに買ったレンズはフジノンXF23mmF1.4 R

フジのデジタルカメラを使っているけれどレンズは3本しか持っていなかった。
XF14mmF2.8 R、XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS、XF35mmF1.4 R。

子どもの頃から使っていたミノルタハイマチックF ROKKOR38oF2.7、
親父との共用だったライツミノルタCL M-ROKKOR40oF2、
さらにネガフィルムではキョーセラのスリムT Carl Zeiss T* Tesser3.5/35、
ミノルタの一眼レフX700ではNewMD35oF1.8。
いずれも画角が35o〜40o。この画角と写りがとてもしっくり来ていた。

これらは少ないレンズ枚数で抜けが良く
やわらかくも絵のような美しさで光を捉えていた。
それは何気ない風景を撮影しても心にしみてくる。
最新鋭の高解像度のレンズやZoomレンズでは得られないと気付いた(思い返した)のだ。
(手持ちのフジのズーム18-55でカバーできるのだけれど写りが違う)。

ところがふと気付くと富士フイルムがキャッシュバックキャンペーンをやっているではないか?
対象レンズのひとつが23oF1.4。
(APS-Cのセンサーサイズを考慮するとこれが35oの画角となる)

フジノンにはF1.4とF2の2つの23oレンズがある。
ぼくは盲目的に明るいレンズが良いとは思わない。
最近シグマから出た24oF3.5には惹かれるものがあるけれど
マウントが違うので取りつけられない。

そこでインターネット上で出ている2つのフジの23oを見比べると
(同じ被写体を見比べる必要はない。一見して違いがわかる)
23oF2は塗り絵のようでくっきりしているが陰影感に乏しい。
23oF1.4は繊細で階調がやわらかい。
しかも開放でも周辺まで平坦。これは準広角の画角には必要である。
(XF18-55mmF2.8-4には求め得ない)

しかもボケ味が自然である。
ボケ味というのは自然な距離感を描けること。
ゆえに鋭いピントで浮かび上がる主要被写体と
原形を留めない背後の光のにじみの対比のような両極端な画は好きではない。
葉っぱが重なり合いながら近景から遠景まで連なっているとすると
葉っぱの焦点が少しずつ弱くなるけれども違和感のない存在感を残している。
XF23mmF1.4 Rはそんなレンズである。

鳥取県にお住まいの女性の方でXF23mmF1.4 Rの名手がいる。
ブログで拝見するだけであるが、彼女がこのレンズで撮影した写真が拝見できる。
https://jerry114.exblog.jp/tags/%E3%83%95%E3%82%B8%E3%83%8E%E3%83%B3%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BA%20XF23mmF1.4%20R/

こちらはご本人によるセルフポートレートと思われる。
https://jerry114.exblog.jp/tags/%E3%83%95%E3%82%B8%E3%83%8E%E3%83%B3%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BA%20XF23mmF1.4%20R/2/
(ここ2年程度写真が更新されていないのは心配である)
鳥取といえば植田正治さんが有名である。
jerryさんというハンドルネームの方も鳥取の風土を活かした写真を撮られている。

決めた。買うことにする。
けれどモノを増やしたくない。
そこでズームを下取りに出した。これで単焦点ばかりとなった。
(購入を決めたその日がキャッシュバックの購入期限その日だったのも運命的)

こうして初めて野外へ持ち出した。
5枚だけ載せてみる。
いつもは500ピクセルだけれど、今回だけ1024ピクセルで。

まずは大砂海岸。X-T2+XF23mmF1.4、電子シャッターは共通。
f6.4、1/1250、ISO200、ProNeg.Std
DSFT9715-1.jpg

モノクロでも撮影。フジお得意の白黒
f5.6、1/6000、ISO800、ACROS+R
DSFT9722-1.jpg
(世界でもフジ、ライカ、パナソニックがモノクロ御三家と思う)

次に大里松原から北へ延びる尾根へ乗る。
海岸性照葉樹の林を抜けて登り始める。
像面の均質性、歪曲のない平坦な画質。
f5.6、1/30、ISO800、ProNeg.Std
DSFT9749.jpg

太平洋を臨む尾根沿い。
ところどころ痩せ尾根で断崖を通過する。
磯釣りのために山越えする釣り人は多い。
おそらくは眼下の渚まで降りていくのだろう。
f7.1、1/80、 ISO200、PROVIA
DSFT9774-1.jpg

大里松原に夕暮れが迫る。
それでもひねもすのたりのたりかなの幸福な釣り人が影絵となる。
f5.6、1/1250、ISO200、PROVIA
DSFT9795-1.jpg

このレンズ、絞りこむ必要はない。
おそらくf5.6まで。被写界深度が必要ならf8まで。
やはり35oはいいな、と思った。
35oと50oがあれば撮りたいものは残せる。
ほのぼのと人生を振り返るとき
それは35oから50oではないかと思うのだ。
posted by 平井 吉信 at 00:01| Comment(0) | くらしとともにあるモノ
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