那賀川流域にしか自生しないナカガワノギクは晩秋の風物詩。
大水が出ると水没する渓流帯に自生する世界でも唯一の稀少な種類。
那賀川の中流域では至るところで咲いている。

太陽を追いかける

日が陰った岩場から水面を臨むように


風に揺れ水面に映える



続いて紫の部
まずはナガバシャジン。これも渓流帯の植物で葉が細い。

ホソバリンドウ。葉が細いのは水の抵抗を避けるためだろう。
濃い青色は秋に似つかわしくないあでやかな碧さ

驚いたのはスミレ。これはスミレ科スミレ属のViola mandshurica。
なぜ秋に咲いている? 見かけたのはこれ一輪だが。

再び白に戻ってウメバチソウ。これも渓流帯の湿り気を帯びた斜面に自生。



いつも思うのだけれどジブリで出てくる植物の印象にもっとも近い気がする。
人知れず湿った土地にひっそりと咲いているが、軽やかで凜々しさもある。



たまたま隣り合わせたのが群落から離れて咲く夫婦のような個体。
風に揺れて触れあうのを植物は感じているはず。
互いに咲いている姿を植物は触感の世界で感じているのだろう。

鳩が飛び交う公園のイチョウは手品師老いたピエロ
銀杏を拾う人たちが十数人。





那賀川は急流大河の風格をたたえて
ここから数十km先の阿南市の海をめざす。
水の流れを追いかける秋の風は西から東へ。

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