2020年05月31日

すみれは日本の春を彩る一寸法師


釣りがフナに始まりフナに終わる、のであれば
野に咲く花はすみれに始まりすみれに終わるのではないだろうか。
(ひらがなの「すみれ」は一般名詞として使い、カタカナのスミレは植物名として使っている)

野山に春の到来を告げようとするも
三寒四温にあって冬と見まごう日もあれば
春を飛ばして初夏になろうとする気象の気まぐれで
慌ててつぼみを膨らませることもあるかもしれない。

植物はカレンダーこそ見ることはできなくても
体内には温度計やその他自然界を感じる感度を持っている。
日一日と花を開くすみれは春を待つ人の心を映しながら
巡ってきた季節をともに愛でる象徴なのだ。

すみれとともに、2020年の春の里山を振り返る。

今年最初のすみれはやはり県南部で遭遇した。
2月中旬には海老ヶ池(海陽町)から。
この池はかつて海だったのだろうが
1609年の慶長の大地震で隆起して湖になったとされる。
温暖な湖畔は散策する人が絶えない。
その一角で誰も気付かれないよう咲いていた。
ノジスミレだろうか。
さらに美波町木岐地区の椿公園で見つけたアツバスミレ、シハイスミレ、タチツボスミレには心躍らせた。
http://soratoumi2.sblo.jp/article/187196730.html


3月に入ると近所の低山でも頻繁に目にするようになった。
日峰山では、タチツボスミレ、ナガバノタチツボスミレ、シハイスミレ、ニオイタチツボスミレなど。
http://soratoumi2.sblo.jp/article/187244314.html
http://soratoumi2.sblo.jp/article/187397873.html


4月になるとすみれ真っ盛り。
場所はすみれ好きにはたまらない
佐那河内村の南部の山麓から旭ヶ丸にかけての区域。

コタチツボスミレ
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ニオイタチツボスミレ(花の色の紫が濃く中央の白さが目立つ)
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ナガバノタチツボスミレ
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葉が細く避けているのはヒゴスミレ 純白の天使
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佐那河内村内にはおだやかな場所が多い。それらは連休中
も静かだった
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春の足跡は至るところで
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エイザンスミレは紫がかった桃色 葉は同じく裂けている。
エイザンスミレと思われるが、もしかしたらアカバナスミレ(通称)と呼ばれているものかもしれない
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ナガバノスミレサイシン
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意外にも徳島はすみれの種類という点では多いほうではないかと感じる。
(四国では徳島のみという種類もあるようだし、全国的に飛び地として徳島に自生する種類もあるようだ)
おそらくは氷河期などになんらかのかたちで生息域を広げたすみれたちが
その後の環境の変化で生き残ったときに徳島の生態系が離れ小島のようになったのではないか。

ところでスミレというと種類が多いが、見分けるのにコツと経験を要する。
専門的な図鑑は必須でぼくは2冊を併用している。

山渓ハンディ図鑑「日本のスミレ(増補改訂版)」(いがりまさし)


スミレ ハンドブック」(山田隆彦著)


前者はすみれフリークと思われる著者の思いが詰まったもので図鑑でもあり読み物でもある。
後者はコンパクトに整理集約された情報が見やすくわかりやすい。
すみれは変移が多いうえ写真の印象で随分違って見える。
だから複数の図鑑を併用したい。

日本の春の山野を彩るすみれは一寸法師のような存在であるが
そこにいることに気付けば植物と人の心の交流にも似た光が行き来するように感じられる。


タグ:スミレ
posted by 平井 吉信 at 12:11| Comment(0) | 山、川、海、山野草
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