2019年09月16日

獺祭を愉しむ秋


ご存知、近年頭角を現した山口県の蔵元がつくる銘酒。
数日前にアルコール濃度が異なる商品が出荷されたとして自主回収を行う旨の発表がなされた。
ものづくりに失敗は許されない。
当たり前のことを当たり前に行うためにどれだけの精神の支えが必要なことか。
そんななかで社員が原酒を水で割った際に撹拌を忘れたとのこと。
これが品質にどれだけの影響があるかは不明だが、少なくとも健康被害にはつながらない。
もしこれが他社であればそのまま看過するかもしれない、などと思ったりもする。
自主回収とはいえ、それにかかる費用は5〜6億円。
それをあえて行うところにこの企業の姿勢を見る。

獺祭はフランス料理(三つ星レストラン)でも使われるほど
国の内外で愛飲されている。
この品質を手の届く価格で提供するために
完全空調のビルで科学的な醸造を行っている。
結果として量産と会社の成長につながったが
それが目的ではないと思う。

おいしい酒は誰にでも手の届く価格で飲んでもらいたい。
年間○○本の幻の酒にならないよう多くの人に味わって欲しいと社長が思ったからだろう。
ぼくはその理念に共感を覚える。
ニュースが出た翌日、たまたま切れていたので
獺祭を買いに行った。

購入先は徳島市内の特約店。
(それ以外の店で見かけても買わないよう。プレミアム価格となっているから)
もちろん冷蔵陳列である。
こちらもクーラーボックス持参でただちに自宅に戻って冷蔵庫に保管する。

購入したのは、「獺祭 純米大吟醸45」( 720ml/ 1,620円)である。
前回購入したのは、ロット番号が2019年6月製造の19.06HC。
今回は7月製造の19.07HD。およそ一月の違いがある。
DSCF6229-1.jpg

ところが味が違うのだ。
(比較は開栓直後で比べている。そんなの比べられるのかって。開栓直後でなければ比較にならないでしょう。味の記憶は数年間は有効のようで1年前に食べた同じメニューや食材の味の違いがわかります。味覚は体調にも左右されるけどそれを差し引いても違いはわかるという数少ない特技です。タバコを1本も吸っていないことが生きていると思います。それとメーカーのWebサイトに掲載されていないが、獺祭の栓は密閉度が高い良いモノが使われているように思う。だから開栓直後で比べないと公平にならないと思う)

6月製造は、透明感があってきらきらと華やいで濃密な旨味をこれでもかと漂わせる。
これがぼくの獺祭初体験で打ちのめされそうだった。
比べると7月製造は、おだやかで水に近づいている。
完全空調で味覚に影響を与えるデータはすべて制御している同社でも
材料の力やその他に人間の味覚で感知できるけれどデータに表れない要素があるのだろう。
夏の料理には7月製造が合うが、
春から初夏の花が咲き乱れているような6月製造は捨てがたい。
それでいて透明度が高いのだから6月製造は格別できが良かったのではないか。

獺祭の毎月の変化を愉しめるとしたら
名月を愛でながら秋が深まるのを日々感じられるとしたら
1か月2千円弱の酒代は高くない。
(ぼくはビールはまったく飲まない。買って飲むとしたら「龍馬1865」だけ。同じ値段でエビスや銀河高原ビールが並んでいてもこちらを買う。おまけにアルコール度数が0%というのがすばらしい。個人的な体感だがウィスキーや焼酎などと比べてビールのアルコール度数は度数の高低でなく人を不快にさせるのではないのだろうか。酒税法での分類は別にして少なくともぼくはビールにアルコール度数は余分だと思っている)

日本の秋を日本酒で味わう季節がやってきた。
唱歌を聴きたい。今宵はCDでNHK東京放送児童合唱団を。

童謡、唱歌で 夢は山野を駆けめぐる
http://soratoumi2.sblo.jp/article/177043576.html
posted by 平井 吉信 at 21:09| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ
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