2019年07月06日

80年代の自由な風から生まれた音楽たち(二名敦子)、好きな音楽を蘇らせるために一人ひとりが政治にまっすぐ向かい合いたい


オアフ島から吹いてくる風のような「LOCO ISLAND」というアルバム。
歌っているのは二名敦子
(ウィキペディアでは「になあつこ」となっているけど「にいなあつこ」では?)
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70年代から80年代はシスコンブームもあって音楽業界は活況、
80年代に入ってアナログからデジタル(CD)の過渡期で両方が併売されていた。

高度経済成長期からさらに日本製品が世界を席巻して経済神話が確立された頃、
世界の企業ベスト10(時価総額)に日本の会社が7つ入っていた(平成元年)。
ぼくもなけなしのお金を証券会社の商品で運用しながら
ノーリスクで7%程度の運用をしていた。
(100万円預ければ1年後に107万円!。複利で利息がつく郵便局の定額貯金に10年置いておけば元金が倍近くになった。そしてあの頃の金相場は1,000円台の前半だったのでぼくにも手が出た。いまでは相場が5千円台になっている)

若者は自分の車を改造して乗り回した。
排ガス規制の余波が終わって
車がステータスとか生き方を表現するようになった頃の話。

マツダは赤のファミリアの全盛期、
町じゅうで3ドアXGを見かけた(当時からマツダのスタイリングは人気だった)。
一世を風靡したスカイライン、ケンとメリーの。
駆動方式はFFが増えていたがスターレットなどの大衆車にもFRが残っていた。
改造車両の定番であったレビン/トレノ、
友人たちも座席を後ろに下げて乗っていたプレリュードやシルビア(ナンパ車)。
トヨタから出たソアラを憧れの目で見ていた人も多いだろう。
日産のサニーベースのワゴン「カリフォルニア」は木目をドアにあしらう楽しいデザイン。
アルシオーネの失敗で出遅れていたスバルもレガシィの発売で挽回を図る。
先日、なつかしいツーリングワゴンを見かけて胸がときめいた。
身近で尊敬できる人が乗っていた車種と色だったから。

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いすずの117クーペ、ピアッツァ、ジェミニの流麗なスタイルはなんだろう(ときめくね)。
その頃のぼくは(いまもそうだが)
時流を追わず質実剛健のマリンブルーのVWゴルフに乗って
屋久島から中日本あたりを車中で寝ながら走っていた。
その後ワーゲンを卒業したぼくはスバリストとなって
WRCブルーのインプレッサに乗っていたが
それは21世紀になってからのこと。
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まちも人々も自信にあふれていたように思う。
(もう一度若い頃を過ごすとしたらインターネットやスマートフォンがなくても80年代を選びたい)

音楽業界の活況は十分な予算で楽曲の制作や録音も行われたに違いない。
80年代のアイドル、松田聖子や菊地桃子、斉藤由貴などのアルバムは
楽曲も編曲も演奏も職業音楽家の総力を結集して、
しかも肩の力を抜いてつくられたからいま聴いても高揚感がある。
そんななかで1枚だけ挙げるとしたら、
松田聖子の20歳の録音、パイナップル(1984年)。
いまの大御所たち(名前は挙げるのは憚られるが)も
才能が枯渇しない(おっと)70年代後半から80年代がもっとも輝いていた。

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20世紀の終わりもあと2か月を切った頃、
発売された1枚のシングルにぼくは釘付けとなった。
飾らない声、胸を締め付ける等身大の詩の世界観、
素人には歌えないような不思議なコード進行、
さりげない、なのに何度もリフレインされるメッセージ。
この水準の楽曲ってその後の20年=2019年になっても出ていないよね。
それは、aikoの「カブトムシ」。

80年代はサウンド志向で
アイドルすら意欲的な実験が行われた時代だけど、
二名敦子は特に強い個性があるわけでない。
でも、風を受けて海を走るときにいつもカセットでかけていた。
70年代のようなメッセージ性は時代が求めたもの。
(それもよかった。優劣ではなく時代が求めるものが違っていただけ)
80年代は自分の場を心地よくしてくれる役割に変化して
リズムやグルーブ、編曲に力を入れたサウンド志向になっていった。
これは日本だけでなく外国もそうだったと思う。
(TOTOの4枚目などは特にそうだった)
また、クリストファー・クロスなどのAORもその流れで出てきたと思う。
日本ではシティ・ポップスとして数え切れないアーティストが存在したのもこの頃。

二名敦子ではロコアイランドが特にお気に入り。
冒頭のリズムとミュージシャンのかけ声からセッションの雰囲気が伝わってくる。
だいたいでいいよ、などと言っているようにも思えるが
演奏が始まるとプロの仕事はさすが。
全編を横溢するオアフ島の空気感は例えようがない。
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当時のサーファーはセシリオ&カポノやカラパナをワゴンで流していた。
杉山清貴のコナ・ウィンドを聴くたび自由な空気を感じていた。
村田和人も良かったが、
ハニー&ビーボーイズ の「バック・トゥ・フリスコ」は再発売されないかな?

二名敦子のロコアイランドはアナログで持っていたけれど、
「him」は持っていなかった。
CDはビクターから80年代に出ていて中古で入手できるが、
タワーレコードのオリジナル企画で2014年にリマスター再発売されている。
オンラインでは入手困難だが、
タワーレコードの渋谷店に在庫として置いてあることがわかって半月前に入手してきたところ。
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(手持ちのリチャード・グードのベートーヴェン・ピアノソナタ全集もタワレコ独自の企画)
(リリー・クラウスのモーツァルトピアノソナタ全集もタワレコ企画で出ているが、これは60年代のステレオ録音なのでご注意。というのも演奏、録音とも名手アンドレ・シャルランが関わって50年代に録音したモノ音源の全集がいい)

二名敦子の「him」には
「ムーンライト・ママ」や「オレンジ・バスケット」などの人気曲もあるけど、
(オレンジも夢を見るのですよ)
バラードの名作といいたい「夜も泣いていた」がある。
そしてぼくが二名敦子のなかでもっとも好きな「Sunset Cruising」が収録されている。

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夏を求め遠くまで来たね 二人だけで楽しむ休暇
黄昏せまるよ サンセット サンセット クルージング…


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彼女と遠くの海へとドライブに出てみる晩夏。
彼女は手作りのサンドイッチをバスケットに入れている。
(おにぎりでもいいけど)
二人の乗った車は岬へとまっすぐ伸びる道を巡航している。
はしゃいだ会話のあと、潮騒を背景に音楽を聴いている、
という状況かも。

タワーレコードさん、「ウィンディ・アイランド」も再プレスをお願いします。
https://tower.jp/item/3279828/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%EF%BD%A5%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%EF%BC%9C%E3%82%BF%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%89%E9%99%90%E5%AE%9A%EF%BC%9E

なんと同アルバムからの3曲がライブ音源で
二名敦子 & 芳野藤丸SPECIAL BAND FM LIVE
https://www.youtube.com/watch?v=X7v_Zp99ExM



ここで政治の話題をどうしても

いまの時代に豊潤な音楽が生まれないのは音楽業界の不振だけでないような気がする。
かつての荒井由実や山下達郎が現れても人々は耳を傾けるだろうか?
(ぼくにはそうは思えない)
おそらく時代がそんな空気を発していない、
人々は自由な生き方を謳歌できていない。
それが2019年の日本。
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そんななかでまっすぐのメッセージをぶつけてくる人がいる。
(政党にまったく期待していないぼくでも何かを感じた)
わずか1〜2分程度の映像。先入観なく見て欲しい。
(熱い気持ちがなければ生きていてもつまらない)

https://www.youtube.com/watch?v=6UoAP5BweIQ
https://www.youtube.com/watch?v=AU5TIn2na3E

時間のある人はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=E51ysj1dB4k

政治団体のなかで経済政策の本質を訴えているのは
山本太郎さんだけではないだろうか。
(自民党よりも自民党らしい王道の政策という感じ)
消費税を上げて軽減税率とか商品券のばらまきとか矛盾していますよ。
(ほんとうにやるべきことという意味で。この20年の経済政策は間違っていますよ)
市民運動のみなさん、環境保全とか文化を守ろうとか、原発反対、
SDGsなどときれいごとを言っても響かないですよ。
憲法改正やっている場合か?
アメリカや東アジアの政治家に付き合っている場合か?
(特に隣国の指導者が…でも外交はもっと慎重に)

老後は2千万円の貯金ではまったく足りない。
(自助努力による方策はこちらのブログで綴っていきます→ おだやかな経営
(↑自分が人生を愉しみながら自分のペースで生きて足りない年金を埋める方策を書いています)

人々は追い詰められている。
まず安心して生きていけること(衣食足りて礼節を知る)。
いまの日本でもっとも取り組むべきは経済対策と思う。
そこがすべての根源。ただし間違った方向に行かないこと。
ここで気付いて踏みとどまらないと。
国は滅んでも国民は元気で生きて欲しい。
そんな究極の選択が求められていることに気付いて欲しい。

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こんな時代だからあきらめることなく
まっすぐに生きていきたい。



posted by 平井 吉信 at 22:21| Comment(0) | 音楽
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