2019年06月10日

ある晴れた日の喪失の風景 


かつて台風一過の濁流が押し寄せる川辺に立ち
ひとりの男性が船だまりから船を出そうとしていた。
大水が出ると川の魚は流れが緩い船だまりなどに集まってくる。
それをねらいにいったのか、
碇はきかなかったかどうか、
いまとなっては誰にもわからない。
ここから数百メートル下流で水難事故でこの世を去った人。

DSFT1627-1.jpg

ある晴れた日の午後、
あのときの叔父の年齢を超えてしまった。
積み重ねた年月の重さを思うと
水辺に沈黙の碇をおろしてしまう。
そこから動かない、動けない。 
積み重ねた年月の重さゆえに。

タグ:台風
posted by 平井 吉信 at 10:07| Comment(0) | 山、川、海、山野草
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