徳島県南部で有名とはいえない場所を訪ねてみようという趣旨。
いま書きかけている長文の文章とも関係があって
それを書いているうち、まだ見ぬ川が見たくなったというのが理由。
その川の名は内妻川。
八坂八浜の内妻海岸はサーフィンの聖地だけど
渚の南端に流れ込む流れに癒されるという声がある。
海にたどりつく前にコバルトブルーの淵をつくるからで。
その内妻川ってどんな川だろう。
日本ひろしといえども内妻川を目当てに来る人はいない。
ぼくだってそれだけを見に行くのではない。
ほかに立ち寄りたいところをつづれ織りにしてみた。
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まずは日和佐川。
夏休みともなれば、学校を卒業した若者たちが
大きな岩によじ登ってそこから眼下の淵へ飛び込む。
その場所は観光客にはほとんど知られていないし標識もない。
(それでいいと思う)

河畔林にたたずむ民家をすり抜けて河原へ降りられる岩がある。
その岩に立って河原を見下ろす光景がここ。

山あいの里の川は身近な流れだけど清冽という二律背反、それが日和佐川

大きな岩があって左手に沢が滝となって流れ込む。
水中にはアユ、オイカワ、ウグイ、カワムツ、モクズガニ、テナガエビ、ウナギなどがいるのだろう。




誰がこんな庭園を設計したのか―。
対岸の沢は人家のない山から下りてくる。
おそらく水は飲めるほどだけど、冷たい。

(主役のような扱いになってしまったけど)
zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
名残惜しくもあるが車に戻って南下する。
内妻海岸にはきょうもサーファーが集まっている。
海岸をまっすぐに行かずに信号を右折すると
旧道(国道55号線)がある。
旧道を行ってすぐに右折して川を遡っていく。
この小さな川が内妻川といってきょうの主役である。
内妻海岸から遡るという先入観があったが
道をみれば牟岐町のまちなかからが意外に近い。

流れは浅いけれど里山の光景となって溶け込んでいる。
内妻川に沿った集落はとても居心地の良い住まいのように見えた。

この近くには誰のためにつくられたか清潔な東屋がある。
そこにイスを持ちこんで長文を書くもととなった専門書をひもといてみる。

日陰に川面を渡る風が身体を包み込む。
エアコンでは味わえない心地よさ。
河川土木の専門書でありながらおもしろくてぐんぐん引き込まれる。
夏の終わりを告げる水辺で
本を膝に置いてうたた寝している。
zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz
名残惜しくもあるが車に戻って南下する。
旧道を南下すると国道55号に出られるが
その途中にこんなトンネルがある。

国指定の登録有形文化財、松坂隧道。
大正10年の施工でアーチ式。
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails.asp
続いて海部川河口に広がる白砂青松、大里松原へ。
ここも地元の人が散策するだけ。

けれど冬の大里松原は防風林が北西の風を遮り
波音を聞きながらひなたぼっこする渚の午後が愛おしい。
この時間のために生きているようなもの。
いまは晩夏だが、渚は抜けるように青い。


名残惜しくもあるが車に戻って南下する。
きょうの最後の目的地は宍喰。
ここにお届け物をしたら
徳島県最南端の竹ヶ島を見て
名残惜しくもあるが北上する。
そんな一日はいかがですか?
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