2018年06月24日

南予紀行 その3 大洲市


特急宇和海は松山へ向けて順調に滑り出した。
昨日停車した卯之町駅も定刻に出発。

ちらりと見たのは肱川の上流。
ここで肱川の話題を少しだけ。
肱川は全長103kmの愛媛県一の大河。
鳥坂峠に源を発するが、峠の標高からすると
肱川の源流点は標高400メートル少々ではないだろうか。
これでは、支流のほうが源流点が高い場合があるだろう。
標高差が少ないので肱川の流れは緩やかである。
その一方で肱川はほとんどが山間部を流れる。
河口を目前にしてもそうである。
四万十川と似ていなくもない。
ゆるやかな標高差と大部分が山間部という矛盾にも似た
地形をあなたはどのように読み解きますか?
(ブラタモリ愛媛県ロケは松山だったけど、もう一巡するときは肱川を取り上げるかな?)
つまり、川が存在して以後、土地が隆起した先行河川ということになるのでは?
(大歩危小歩危も先行谷でなかったか)

肱川には支流が474ある。これは全国5位だとか。
田んぼの小川と油断していたら、
いつのまにか支流を集めて大河に化けるのだ。
南流する肱川が雄大な左蛇行を続けるうちに
ついには源流点よりも北へと流れ込む。
そのため河口と源流が直線距離で18kmしか離れていない。
(釣り針を連想するとわかりやすい)
大洲盆地でいったん平野が開けるが、河口へ向けては渓谷の下流域というのも珍しい。
河口部は冬の肱川嵐で有名だし、
国の重要文化財である現存最古の開閉橋、長浜大橋がある。
(点検と観光のため毎日13時に開閉しているそう。団体客がいればサービスでそれ以外の時間に上げることもあるとか)
肱川のことをもっと勉強したい人は国土交通省が14ページの資料にまとめている。
http://www.skr.mlit.go.jp/oozu/kawa/ksk1_gaiyo.pdf

田んぼを流れるこの小川が肱川ということを覚えておこう。
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伊予石城駅の南には象が2頭いる。
わらでできたマンモスには物語があるらしい。
水のたまった水田に影が映っている。
マンモスの背後に広がる盆地こそ肱川の源流域なのだ。
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しばらくして大洲が目前となり
さきほど南へ流れていった肱川が
北へ向かうJRの車窓から雄大な流れを見せている。
肱川マジックである。
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大洲駅から古いまちなみと商店街が連なる肱南地区へと歩みを進める。
まちの駅あさもやが拠点だ。
きょうは晴れるかと期待したのだがあいにくの曇り。

そこからおはなはん通り、臥龍山荘、
肱川を見ながら思ひ出倉庫、ポコペン横丁、おおず赤煉瓦館、油屋、本町通りを見ながら戻る。
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バブル期にみんな鈴木保奈美に夢中になった「東京ラブストーリー」。
主人公が愛媛県の大洲出身という設定ではなかったかな?
ドラマのなかでリカが手紙を投函したポスト。
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快晴の臥龍山荘はこんな感じ。
重要文化財 臥龍山荘 http://www.garyusanso.jp/index.html
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眼下に肱川の淵を見下ろす。
こんな部屋でかぶせ茶を味わい昼寝をしてみたい。特に初夏は。
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赤煉瓦館の中庭
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ポコペン横丁は日曜営業だったかな
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油屋は東京ラブストーリーの頃、旅館だった。
司馬遼太郎も投宿している。
いまは郷土料理を食べさせる飲食店として賑わっている。
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中へ入る。
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今回は、「とんくりまぶし」をいただく。
http://www.city.ozu.ehime.jp/site/kanko/15788.html

大きな椀から自分でよそおって食べる。
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甘く味付けした豚バラと大洲特産の栗が主人公。
まずはそのまま食べるが
2杯目からはわさびを添えて出汁をかける。
大きな豚肉なのにどんどん箸が進む。
これはおいしい。

大洲駅に戻る途中で志ぐれを買って宇和海に乗り込んだ。
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宇和島、卯之町、大洲、内子、伊予にかけては
ふるいまちなみや建物が落ち着いた風土に息づいている。
それは不思議と寂れている雰囲気がしない。
南予は豊かな風土である。
いざとなったらどうにでもなる―。
開き直りのような潜在力を感じるからかもしれない。
四国は広い。

posted by 平井 吉信 at 17:22| Comment(0) | まちめぐり
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