いつも注文しているコーヒー豆は千葉の小さな焙煎事業所によるもの。
注文票を見ると「夏への扉」(商品名)の文字が躍っている。
山下達郎の同名曲から付けられたという。
説明にはこう書かれている。
「ゆっくりと味わっていくと…優しい甘味から、爽やかに切れの良い後味…さらに冷めると、余韻の香りと味わいが長く華やかに続くと思います。キラキラ感が持続するのは…初夏の心地よい風と優しい日射しをイメージしました。」
音楽の「夏への扉」が収録されているのは「ライド・オン・タイム」というアルバム。
達郎がメジャーになるきっかけとなった同名曲が収録されているアルバム。
当時の音楽業界の関係者だったKさんが
「これはヒットしますよ」と興奮気味に語っていたのを思い出す。
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「夏への扉」から始まるB面が遠くを見つめるようなおぼろげで
プレーンでありながら細部まで積みあげた音づくり。
リズムが確かにときを刻み、ギターが物語の先導をしながら
詩の余韻が波紋を広げて空に溶けていくような。
山下達郎のアルバムのなかではもっとも好きかもしれない。
ぼくにとっての「夏への扉」は必ずしも海ではないけれど
数日前の景色を真空パック(できないけれど)して並べてみたら
それぞれの「夏への扉」のカギを開けてくれるのではと。

自宅から1時間少々にあるこの海は高校のときから自転車で通っていた。
当時の砂浜は小さかったが、真水なら飲めるといわれた水の透明度。
いまもそれほど変わっていない。

静かな波間を沖の離れ小島をめざして泳いでわたる。
ときどきひっくり返って泳ぐけれど、太陽がまぶしくて目を閉じてしまう。

海へと続く小径はもうそれだけで詩の世界

ここは沖縄ではなく南四国だけれど、
サトウキビ畑から海へと降りていく石垣島の小径が頭から離れない。
今しかできないことってある。

遠浅の海は入り江と小川がつくりだしたもの。
学校帰りに体操服のまま泳いでいた女の子たちがいたのは昭和だったっけ?

小川と海が出会うと、ヨーロヤロというヤ行とラ行の音を混ぜる。
この音が若さの焦燥とやさしさが混じったほろ苦くも甘酸っぱい音風景。

これらの海はすべてミネラルの聖地、海部の海。
ぼくにとっては「夏への扉」でもあり
憧憬にも似た「過去への旅」でもあり
はっきりと見ることはできない「未来への俯瞰」とでも。
このまま波間に浮きつ沈みつしながら生きて行けたらとも思うけれど。
いい色と感じますか?
撮影したそのままですよ。
フジX-T2+XF35mmF1.4 R、XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
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