2018年01月08日

howatto(伊豆田裕美さん)の焼き菓子の話題を続けて

前頁からの続き
翌日、「ココナツのサブレ」と「ビスコッティ」(チーズ)をいただいた。
今回はおろしたてのさかもとこーひーの豆で挽いた深煎りのコーヒーで。

食べ物を評価するとき、素材の風味を活かしたと表現されるけれど
素材を活かすとはどういうことだろう。
小麦粉をそのまま焼いておいしいかどうかはわからない。
ところが、素材を混ぜてそこに温度の変化を加え
水分が抜けて香ばしさがつくと(すなわち焼くということ)
元の素材のエッセンスが顔を出してくる。

ということは、
素材を選ぶこと、
そのブレンドを代えること、
熟成の度合いをはかること、
熱を加えることで無限の変化が現れる。

素材の味を活かすとは
砂糖を控えるとか、プレーンに近づけるといったことではなく、
数限りなく試行してつくりこんでいくもの。
強いていえば、素材風味をそのまま使うことではなく
雑味さえもブレンドの妙(旨味)に昇華しつつ
元の素材の個性を再構築すること。

例えば、酸味のない甘いだけのトマトはおいしくない。
酸味と甘みと旨味が高度にそそりたっていないと。
おいしいトマトはまず甘みが舌を滑り出し
口いっぱいに立ちこめて酸味が咽を通り抜け
旨味の後味が余韻を残すが、それもいつのまにか消えていく―。
(ぼくがいつも買っているK農園のトマトはそう)

ブレンドによる引き算がうまく働き、
ブレンドによる足し算でピークを動かしながらも
個性と調和が見えたとき、おいしさにつながるのではないか。
DSFT7387-1.jpg

一口運んだとき、ふいにこみ上げるものがあった。
自分が納得いくまでやってみたかったのです―。
作り手の言葉にならないメッセージが届けられた気がした。
posted by 平井 吉信 at 15:58| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ
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