2017年12月28日

紙ふうせん「冬が来る前に〜なつかしい未来〜」の世界観に心がこだまする


この冬に出会った心にしみ入る音楽(CD)をご紹介。
紙ふうせんは1977年の「冬が来る前に」のヒットで知られる。
このアルバムは2014年発売のもの。
新曲も2曲入っている。

紙ふうせんは伝承歌と呼ばれる各地で歌い継がれる口伝のうたを採取して
それを音楽に昇華させている。

このアルバムでも「大江の子守唄」「紙すき唄」と続く一連の楽曲がそう。
日々の暮らしの素朴な感情をうたにするしかなかった人たちの
魂を音楽に乗せて、さらにそこに紙ふうせんのふたりが魂を入れる。

好きなのは、「大江の子守唄」。
この抱きしめたくなる、なつかしい世界観。
夜更けに聴いていると、あたたかい感情がこみ上げてきて、
生きていることがもっと好きになる。
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「紙すき唄」では紙すきの家に生まれた娘が
「昼は暇ない 夜おいでよ」と謡う。
テレビもインターネットもなく働くだけの日々。
過酷な労働でただひとつの慰みであり楽しみが男女の営み。
千年前の万葉の東歌の時代から変わっていない。
しもやけの指先と冷え切った身体をあたためてくれる。
そこにあるのは「行為」だけ。
つかみどころのない幸福がぽっと灯をともす。

音楽としてあくまで美しい。
でも、そこに漂う情感の深さは稲妻に打たれた感じさえする。
このアルバムではライブ音源の「竹田の子守唄」が収録されている。
二人の生活感のある声が心を震わして身体に微振動が走る。
(誰かを好きになるあの切なさにも似ている)

それはCDを再生し終わったあとでも
それから数時間経っても身体の中を木霊しているかのよう。

人それぞれ感動する対象や感性は違うけれど
紙ふうせんがこのアルバムで提示する世界は深いよね。
(↓視聴可能)
冬が来る前に〜なつかしい未来〜

それに…夫婦としてこんな生き方は理想でしょう。
(ライブでの竹田の子守唄の息の合わせ方は男女がひとつに溶け合っている奇跡のような瞬間)
YouTubeで若い頃の音源を見ると、
夫が妻に熱愛光線を発しているようにも見える(時分の花)。

DSXE7023-1.jpg

「冬が来る前に」(当時)
https://www.youtube.com/watch?v=jWEPaCjbZG4
https://www.youtube.com/watch?v=UgmccGdoi8A

そして二人ともそんな光線を発して70歳を迎えたように思える。
「翼をください」
https://www.youtube.com/watch?v=Ay1PBV4IHaA
(こんなのを見せられると、もっとやることがあるねと勇気づけられるでしょ)

「竹田の子守唄」
https://www.youtube.com/watch?v=Ha1wvQYgkmc
栄光の残骸のような歌手が多いなかで
いまだから歌える「真実の花」(風姿花伝の言葉)が咲いている。

最後に2曲の新曲で締めくくられる。
白い花たちは 親から貰った命
♪ピンクの花たちは 支えてくれた人
一人だけでは 咲かせられない
人生の花束♪


DSCF0447-1.jpg
人生の花束は、紙ふうせんのお二人からの伝言。
一人だけでは咲かせられない人生の花束…。
押し寄せてはリフレインする。

タグ:2017
posted by 平井 吉信 at 23:18| Comment(0) | 音楽
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