東讃のある場所で打ち合わせがあった昼、
数年前に開店したうどん店に入ってみた。
外でメニューを見ていると
「なかでもご覧になれますよ」と。
てきぱきとした応対と笑顔の気配り。
それでもファストフード店と違うのは
若い店主と従業員が愉しそうに雑談をしているところ。
そこにいるぼくも愉快な気分。
仕事が楽しいから笑顔が自然に出る。
さぬきうどんの店に雰囲気は誰も期待していない。
ぼくはセルフ店は好きではないが、ここはセルフではない。
そして飾らないのに居心地がいい。
(うるさい活気の店、静まりかえった店、決まりごとを求める店も居心地は悪いでしょう)
そしてうどんが運ばれてきた。
注文したのは、かけうどんと天ぷらの盛り合わせ。
(両方で600円台だったと思う)

うどんをいただいて何も書くことができない。
これがうどんの出汁かと思うほど、上品な風味。
あくまで澄んでいるが滋味深い。
目を閉じれば夢幻を漂う心地すらする。
(さぬきうどん店はが後味が悪い店が少なくない)
うどん店で心が満たされた唯一の場所。

引田と白鳥の中間地点にあるこの店の世界観を味わうために、
来る価値があると感じた。
もうこれ以上のうどんには巡り会わないと思えるし
これ以上も求めたくない。
末長くご繁昌を、と願わずにはいられない。
追記
飲食店の店数評価のサイトはあてにならない。
載りたくないのに載ってしまったと嘆く店主が少なくない。
店の許可がなければ掲載しないなどのルールが必要と感じる。
デビューしたすぐの店は世界観を試行しながらつくっている。
それをつぶしかねないのが例のサイトなのだ。
(点数と実力がまったく比例しないことだけが弊害ではない)。
だから投稿しないこと、評価をあてにしないこと。
そうすることで、良質の飲食店を守ることができる。
飲食店を長年続けることは大変なこと。
毎日の決まり決まったことを
経験で判断して仕上がりを調えていく。
いいお店は良質の客を必要としている。
それでいて客を選んでいない。
うんちくを語らない、客に指導などしない、写真禁止など張り出さない。
いつも変わることなく
湯気の向こうで笑顔を浮かべてこちらを見ている。
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