2017年11月26日

冬が来る前に 紙ふうせんから未来に


もう冬が来てしまったと思えるこの頃、
あの曲を思い出す。

あの曲とは、「冬が来る前に」。
1977年に発表された紙ふうせんの代表的な楽曲。
ピンクレディー台風が吹き抜けるなかで
キャンディーズの解散や渡辺真知子などのデビューがあった時代。

切ない感情は誰の胸にも覚えのある現実感。
この曲を弾きたいと思ってギターを鳴らしたことがある。
詩と旋律が一体となったとき現れる世界に心が震えた。
Amの出だしで調性はハ長調とを行き交う。
若さが何かを求めて揺れ、
E7での変化で不安げな歌詞との一体感、
マイナーとメジャーを行きつ戻りつAmに収斂されていく。
リズムもコード進行もどこにでもあるような楽曲なのに
感傷は心のひだをひたひたと濡らす。
駅までの遠い道のりを振り返ることなく歩み続けた10代。

「冬が来る前に」はフォークデュオ全盛期の傑作だと思っている。
デュオの女性リードヴォーカルでは平山泰代がもっとも好き。
現実感、生活感を持った声だから、生きる情感が響くから。
もし当時のシングルレコードが再発売されたら買いたいと思える唯一の盤。

実はきょう(11/26)兵庫県でリサイタルが開かれている。
行きかったのだが…。
http://www1.gcenter-hyogo.jp/contents_parts/ConcertDetail.aspx?kid=4296111103&sid=0000000001

コンサートのご盛況を願いつつCDを聴いている。
それは、2014年に発売された結成40周年記念のCD。
http://www.sonymusic.co.jp/artist/KamiFusen/info/440338

Web上の動画ではかつての姿も近年の歌唱も見られる。
いちいち紹介はしないけれど
画面に見入ってしまう。
(いまも変わらぬ歌唱を見せる平山泰代さんは同世代の人たちへのエールとなっている)。

2014年に発売された「冬が来る前に 〜なつかしい未来〜」と題されたアルバムは
若い頃からのライフワークである伝承歌なども発掘しつつ、
未来に伝えていくという気持ちが込められている。
http://amzn.to/2A66J5L

東京五輪まではコンサートを続けると。
もうあと2年少々。
行きたかったけれど、しばらくはCDで。


ホテルモントレ神戸の中庭で待ち合わせて
老舗のコーヒー店で香りを楽しみ
ハンター坂をふたりで上がっていったあの日を思い出した。


追記

昭和のフォークデュオはいまも活動を続けている。
ダ・カーポ、トワ・エ・モワ(白鳥恵美子)、紙ふうせん、チェリッシュ…。
例えヒット曲が出なくても
音楽を大切に抱えながらときを過ごしてきた人たち。
還暦を過ぎてもなお自分たちのペースで音楽活動を続けておられる。
その姿に尊敬と憧れを感じてしまう。
トワ・エ・モワの「風のリボン~トワ・エ・モワが歌う美しい日本の歌」も寝る前に静かにかけている。

posted by 平井 吉信 at 20:58| Comment(0) | 音楽
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