小松島市の郵便番号と同じ標高を持つ山が
小松島市のどの平野部からも望むことができる。
中津峰、中津峰山ともいう。
登山口に着いたのは15時を回っている。
この山にはちょうど良い時間。
これからが静かな山歩きが愉しめる。
実際に誰とも会わなかった。
如意輪寺の裏から登り始めたのだが
尾根の影に入ってすでに日は当たらない。
五滝の登山口からだと日は射してくると思う。
ふわりとした綿毛が道ばたのオブジェとなっても誰も気に留めない

しばらくは杉林の尾根を登っていく

やがて広葉樹の一角を抜ける。ここがいい。

1時間ほどで山頂の神社へ。石垣をくぐろうとすると西日が入射する。
(出来過ぎた構図だが、ほんの一瞬のできごとであった)

すぐに三角点。ラッキーナンバーは773

山頂直下の休憩小屋

南西方向は、那賀川下流の平野、日亜化学、橘湾が展開する

神社の脇にきょう初めて見かけた山野草
フジではXF14mmF2.8 Rが想像を絶する写り。
評判の良いXF35mmF1.4 Rも甘く感じられる。

杉林を抜けるとき、うたが聞こえてきた。

雨がしとしと降る晩に 豆だが徳利持って酒買いに♪
那賀川の土手が草ぼうぼうであった頃、
タヌキが棲んでいると言われていた。
その頃、母の近所の酒屋(さえぐさのひでやんく)には
タヌキが酒を買いに来ると聞かされていた。
歌は誰かが歌っているのではない。
心の中で響いた。
狸に化かされないうちにと足を速めた。
苔むした岩は狸が化けるときに使う化け台ではないかと思って。

狸に化かされるとすれば、まだまだ修行が足りない。
化かされる幻影を描いてしまうのは
心に隙があるから。
あるがままを受け容れていく度量があれば
かえって隙はなくなる。
真空がエネルギーで満たされているのと同じように。
(世の中、本質を見ていないすぐにだまされてしまう)。
タグ:神社仏閣
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