2017年08月27日

祖谷川源流 剣山秘話


鳴門秘帖も阿波狸列伝もここが舞台ではないかと想像させる。
斜面に開けた源頭のわずかな平坦地で沢が流れ
水利に事欠かない。
大岩の洞窟が座敷牢となっているというもの。

まさのそのような地形がある。
剣山と祖谷川がつながらない人もいるだろうが
祖谷川源流は剣山北西斜面から流れ出す。
(ここは沢登りとしても人気のあるコースと記憶)

西島駅からの下りでリフトに乗らず見ノ越まで歩くとしよう。
(リフトに乗ってしまえば山頂登頂の充実感は得られるけれど、今回紹介したほとんどはリフト経由の山頂往復では見られない)
そこで勇気を持って笑う膝を抱えつつ下り始めたとしよう。
歩き始めてすぐに巨岩が横たわり、
岩に沿ってまっすぐ降りる急な段差の路(一般的な見ノ越への路)と
岩を左に巻くように祖谷川源流まで降りたあと、
平坦なトラバースが続く距離が長いルートの2つがある。

もし足が下りの衝撃に耐えがたいときは(膝に負荷がかかっている状態)
距離が長い祖谷川ルートが楽なことを覚えておくといい。

西島神社がある大岩を左へと下る。
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祖谷川の源流筋にほどなく降りる。
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そこでくるりと右を向いて平坦なトラバースが始まる。

ほどなく行くと大岩のふもとが見えるようになる。
間者牢もこのあたりでは?
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源頭の沢まで降りれば平坦。
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苔むした路はこのルートの白眉
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森の巨樹に足を止める。ここはそれだけ快適だから。
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祖谷川本流の源流にさしかかったようだ。
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ここを過ぎれば西島神社からの一般道(近道)とまもなく合流する。
見ノ越まではひといきだ。


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リフトを使って山頂をめざして初めてたどりついた高齢の母が
足元の雲海や森林限界を超えた笹原に感動したように
剣山は誰にでもさわやかな感動を与えてくれる。

しかし一歩踏み出すと剣山は深淵をじわりちらりと見せてくれるようになる。
そのためには剣山と周辺のコンテンツを数十年かけてめぐることが必要となるだろう。

剣山には、ヒュッテと測候所の歴史、山岳信仰と修験の場、奥祖谷との一体性、災害と遭難の記録、
ふもとの木屋平村での巨樹の発見の物語や世界遺産登録をめざす急傾斜地での農業などの実話。
シコクシラベ、キレンゲショウマ、ヒメフウロなど固有の生態系、
さらにテレビも追いかけた大蛇、ツチノコ、
歴史をひもとけば平家落人、空海、古代ユダヤ・キリスト・アーク、
邪馬台国・卑弥呼などの伝説
(よくも洋の東西を問わず英雄やキーマンが集まったもの。まだほかにもあるかもしれないが)。
そしてそれらを舞台に描かれた小説。

それだけ多くの人を魅了する逸材が散りばめられ、
それをめぐる人々の隠匿と陰徳が交錯しつつ
複雑なタペストリーを編み込みながら微笑をたたえた山ということなのだろう。
西日本第二の高峰(1,955メートル)の深部にはまだたどりつけていない。

タグ:剣山 2017
posted by 平井 吉信 at 11:22| Comment(0) | 山、川、海、山野草
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