次郎笈からのトラバース道で西島をめざすと
巨岩と赤い屋根の建物が見えてくる。
行場にかけて剣山北斜面には石灰岩層が広がっている。
太平洋プレートの押し出しで海がせり上がったという説がある。

巨岩を従えた大剱神社の下では石灰岩の湧き水「御神水」がある。
石灰岩をくぐり抜ける水だからまろやか、水が腐敗しないという人もいる。
この水場で水を汲むのが登山の目的という人も少なくない。

だからお願いしたいこと(肝に銘じて欲しいこと)がある。
この水場で手を洗ったりペットボトルを沈めて水を入れないで欲しい。
しばらく水場でいると、声を掛ける間もなく、やってしまう人がいる。
(悪気なくやってしまうのだろうが、表示がなくても少し想像力を働かせればわかることなのに)

水場から西島神社へのトラバース道は崩壊しているので
いったん大剱神社へと登り返す。
上へ向かう道すがらで岩を違う角度から眺める。

時間帯によっては授与所に神職もしくはゆかりの方がおられて授けていただけることがある。


神社からは西島駅まではすぐに着くが、上へ上がれば山頂をめざすルートとなる。
直登ルートと比べれば距離はやや長いが楽なので
体力に自信がない人は西島駅から大剱神社経由で山頂をめざし、
同じルートで戻るのが良いだろう。
不思議なのは、このコオニユリがどこから来てこの垂直の岩場に定着したのかということ。

大剱神社からさらに上がると
高度感のある岩塊が次郎笈を背景に見られる。
一部しか写っていないが、右手は御神水を育む巨大な石灰岩である。
岡本太郎の作品のように天に突き抜ける。
ぼくはここで手持ちの水を飲んだり栄養補給をする。

さらに頂上近くに亀石、鶴石と呼ばれる巨岩がある。
ここから見えるこれらの岩がそうなのかどうかはわからないが、
何か力を宿しているように見えなくもない。

なだらかな山頂からは想像できない森、谷、岩が剣山の魅力をつくる。
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