2017年08月20日

剣山の行場


西島駅から15分で刀掛の松という三叉路に到着する。
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まっすぐ登れば最短距離で山頂(正確には山頂東の神社とヒュッテ)に、
右へ回れば大剱神社経由で山頂へ。
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(↑刀掛の松〜大剱神社のトラバース道は剣山でもっとも静かな散策が愉しめる。ルートとしてはここからではなく西島駅から大剱神社へ向かうのが一般的)。

左へ下れば行場へと降りていく。
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キレンゲショウマの咲く谷もそこにある。
穴吹川の源流から東へ延びるトラバース道をたどれば一ノ森への稜線へ辿り着く。
西へと登り返すと刀掛の松に戻ってくる(このルートは一方通行となっていて現地に表示がある)。


行場へ行く途中の斜面は石灰岩質でざれやすい。
(剣山の山頂付近はかつて海の底だったということか)
数年前に斜面が崩れてキレンゲショウマが壊滅したのではと心配されたが
蘇ったようだ。

一方通行なのでここをまっすぐ行き、左手から上がってくるというのが行場周辺の谷の周遊ルート。
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ヒメフウロを見ながらしばらく進むと左手に「鶴の舞」という岩場。
そそり立つ崖の上の割れ目を持つ岩で
この岩のまわりを蟹の横ばいのように岩を抱えて廻るのが行。
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鶴の舞の上方の斜面は行者野と呼ばれる場所。
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谷をトラバースしたところで、不動の岩屋がある。
ここは鉄の垂直階段を降りて水が滴る鍾乳洞の内部に入り
奥に鎮座する不動明王にしたたり落ちる湧き水は聖水かもしれない。
ヘッドランプがないと湧き水までたどりつけない。
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ここで重症の男性を地元の男性が救出した動画(番組)がある。
https://www.youtube.com/watch?v=IQpgDkoXaJo
https://www.youtube.com/watch?v=93bPPPjCXe4
(本人出演による現場での再現劇)

ここで奇跡的な救出を行った井上惣介さんとは
2016年11月にぼくが講師を務めたセミナーにご参加されていて対面することとなった。
お話しをしてみると冷静かつ誠実さがにじみ出るお人柄で信念を持った方と強く印象に残っている。
(井上さんのこの人命救助は26歳のときで、つるぎ町が半田町と呼ばれていたときである。この尊いできごとを知ったのは近年のことで、このときは知らなかった。お会いしたときは社長になられていたが、見る人がみれば初対面でもわかる雰囲気を持った方で、大きなご加護を賜っておられ、それを社会のために役立てようとされているように見えた)

続いて岩の割れ目に鎖が見える。
この鎖を登る行を行う場所。
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(しかしどうしてこうも割れ目と孔ばかりがある場所なんだろう。修験の場でありながらエロスを感じる)

霧が立ちこめる谷を下っていく。
この幻想的な光景にいつも高まる。
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谷の岩場で黄色い点在が見える。
このような場所でキレンゲショウマが生きていた。
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谷に薄日が射したり霧が立ちこめたりの神秘のとき
それに見とれて半時間足が止まる。
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穴吹川源流の谷を降りたところで東の一ノ森へ向かうトラバースと
西の行場めぐりを続ける路とに分かれる。
左(西)へ行くと巨岩を従えた両剱神社。
岩の巨きさが写真で伝わるかどうか。
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三十五社と呼ばれる社と岩
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さらに進むと古剱神社。この背後の大岩の上に鶴の舞があるはずである。
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神社へと降りてくる谷の上方に鍾乳洞の入口が口を開けている。
かつては奥まで入れた痕跡があるようだが
現在は崩れて侵入できない。しかし奥から風は吹いてくるのだとか。
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行場はさらに下に上にと続くが
カメラなどの装備を持った身では行くことができない。
西へ登りかえしてキレンゲショウマを愛でつつ刀掛の松へ戻る。

ロマンを楽しみたい方のために動画で
「エリ・コーヘン氏、同行記録 徳島・剣山史跡巡りツアー」発想の旅、第1部 「剣山を昇る」
https://www.youtube.com/watch?v=Jmg2FFAjyFA

祇園祭り・剣山の謎
https://www.youtube.com/watch?v=N4TR32mPxrs
posted by 平井 吉信 at 23:43| Comment(0) | 山、川、海、山野草
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