神山方面から峠を越えて木屋平へ入る途中で
道ばたの山野草(ヒオウギ)を見ることができる。

鮎喰川は良質のアユを産するのは湧き水のため
水温を冷たく保ち、アユの餌となる苔が腐りにくいため。
上流部の水は確かに冷たい。
道幅の広いところに車を停めて渓流を眺める。
冷たい風と水音の清涼感がご褒美。

谷間の木漏れ日が渓流の岩に光の粒子を散乱させる。
聖なる存在が現れる波紋のように。
光は粒子でも波動でもある。

川井峠を越えると木屋平だ。
峠には娯楽施設や飲食店などがある。
まちに住んでいる人から見れば
「イノシシとシカしかいないと思える」場所にある。
穴吹川沿いにタキユリも見かけた。

穴吹川は日本一の清流などで知られる。
水質は抜群で下流は香川県民の御用達の水遊び場となっている。
(かつてゆめタウン高松が徳島県民の買い物の御用達となっていたのと同じ)
けれど、昭和51年に穴吹川の源流を襲った大災害が環境を一変させてしまう。
接近した台風17号の影響で
9月8日から13日にかけての剣山での合計雨量は1837.5ミリに達した。
(1週間弱で1年分の雨が降った感覚)
その結果剣山系の北東斜面が地滑りを起こし
穴吹川上流が埋まってしまったとされる。
(激甚災害となったこの状況で人的な被害がなかったのは備えというソフトができていたから)
そのため、穴吹川上流は階段(堰堤)だらけ、川沿いの道は一部でハイウェイとなった。
この風景は川底を実験場のように施工している。
画面中央の落ち込みは打たせ湯のようだ。

剣山が近づくと現れる不思議な標識「コリトリ」まであと○○km。
コリトリとはかつての剣山登山の拠点となった場所。
ご覧のように堰堤が無数に続く地形。

ここから現在の剣山登山の拠点「見ノ越」に向けて高度を上げていく。
道ばたの山野草にも目を向けながら。

高度を上げると見えてきた。
ここが昭和51年災害の爪痕なのだろうか。

見ノ越に車を停めて階段を上がると登山の入口である剱神社が見えてくる。

リフトで西島まで上がれば片道1000円(15分)。
横目で森を眺めつつ、足元には季節の山野草が咲く。


アサギマダラも花に集まっていた(写真は撮れず)
リフトを使わなければ西島まで森を抜けて1時間。
リフトを使う意義は、一度でいいから剣山へ登ってみたい人で
体力に自信のない方、高齢の方など。
山開きの期間で天候が急変しなければ登頂は容易だ。
その場合、ルートはまっすぐ直登せず、
大剱神社経由のゆるやかな登りを取る。

追記
小さな子ども連れの若い家族、カップルは、
天候の急変やけがなど緊急への備えをしつつ
子どもがはしゃぎすぎないようペース配分、適切な水分補給など
家族の体調管理ができることを前提に
見ノ越駐車場から上がるのも良い経験になると思う。
いざとなれば帰りはリフトで降りることもできるのだから。
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