2017年06月16日

手袋を買いに 白鳥 引田 讃州井筒屋敷 ついでにかけうどんも


無意識にやっていることなので
本人は人に見られていることすら意識していない。
同乗されると怪訝に思われるかもしれない。
それは運転中の指差し確認。

信号が変わると指さす。
左折のときは進行方向を指さす。
トンネルに入ればライト点灯を確認する意味で前方を指さす。
何か注意を引くものがあれば指さす、といった始末。

まじめに答えるのなら(金色免許を長年続けているけれど)
車の事故は、人も自分も巻き込んでしまうため
交通事故をを避けるという強い決意が潜在意識にあるのだと思う。

毎月相当額をJR四国に貢いでいるけれど
ETC財団と道路公団にも貢いでいる。
長距離の運転には体調を整えて心を平安に保つこと。
そして(ここが重要かつ大切で肝となるキーになる要素なのだが)
運転用手袋をすること。

手袋はハンドルを軽い力で安定して握れる。
汗ですべることがないし(素手と比べて汗をかきにくい)
ハンドルとの接触面を布地の面で受けているため
長距離運転をすると指の特定の場所がくたびれるということがない。
軽い力で握ってもコーナリングが安全なので疲れない。
だから1年を問わず、運転には手袋は付けている。

その手袋は
いつも香川県の白鳥町界隈で手に入れている。
(東かがわ市なんて言われてもわからないでしょう)

日本の手袋の9割はこの小さなまちでつくられている。
著名なスポーツ選手(イチロー)の手袋も
このまちのどこかの町工場の職人が手縫いしている。
事業所は切磋琢磨してそれぞれが競いつつも協力し合っている。

ときどきは取引上の理由かなにかで注文がキャンセルになったり
相手先の諸事情で納品できなかった商品が出たりすると
地元のアウトレットや販売店の店先に並ぶこともある。

それが数百円から1,000円台なので
数年分をまとめ買いしている。
(毎日使っても数年は使える消耗品ではあるけれど)

最初に行ったのは白鳥の「てぶくろ資料館」。
手袋の歴史がわかる(入場無料)。
この一室にアウトレット店がある。
店頭に欲しいサイズがなくても
奥に探しに行ってもらえることが多い。
ここで1つ購入。


国道11号線沿いには家族経営のうどん店が散在している。
セルフではなくて、注文すれば持ってきてもらえる(普通の飲食店形式)。
徳島県人はセルフには慣れていなくて
セルフのさぬきうどんを食べに行くときは緊張する。
間違った注文をしていないか、店の運営ルールに合っているかなど。
入店してしばらくは邪魔にならないところで
人の動きやら注文の様子を観察したいのだが
それがかえって目立ってしまったり
店の人に声をかけられたりして焦ってしまう。
(お店の人、どうかセルフに慣れない人のためにほんの1分だけ猶予をください)
運が悪ければうどんテロ等準備罪で捕まるかもしれない。
それが億劫でセルフ店に行くのはイオンモールに行くのと同じぐらい勇気がいる。
(徳島ラーメンを食べたのも3年前だった。何か口実がないと徳島ラーメンも敷居が高い)

服装もそうだ。徳島県人として失礼にならないようネクタイ着用が望ましい。
こんなことがきっかけとなって阿讃戦争が起こってはならないからだ。
戦力に乏しい阿波は誰が見たって讃岐に勝てない。
(徳島駅前から東新町とサンポートから丸亀町商店街を比べてみればわかる)。
唯一勝てるのは高松城を水攻めにする切り札だけだ。
(秀吉は水浸しにしたが、讃岐高松城の攻めは吉野川からの分水を止めるのだ)
すると、人命に関わるので土佐がカツオを持って、
つまらんことをやめるきに、ニッポンを洗濯しちゅうと仲裁に名乗りを上げ
団子でも食べるぞなもしと伊予からのんびり駆けつけるのだ。
四国は個性の異なる4つ以上の地域の連合体、それでいい。でも心はひとつで行こう。

もう一つは嗜好の問題。
うどんに醤油を掛けて食べるぶっかけやしょうゆうどんは
おいしく感じない(ごめん。趣味の問題)。
だからいつも、かけうどんを注文してしまう。
うどんを口に入れて歯ごたえを楽しみながら
出汁をすすって旨味を倍加させつつ
つゆの勢いでのど越しをするりとさせるという
強者どもが夢の跡といった楽しみ方ができるのがかけうどん。
そもそも、つゆに浸かっていないと食べた満足感がないでしょ。

東讃(香川県の東部)のうどん店にはかけうどんがメニューにある。
カレーうどんもある。どちらかというと、カレーうどんの充実感が捨てがたい。
(西讃でかけうどんを注文するのははばかられる)
どの店も大衆食堂の雰囲気で入店しゃすい。
(だから今回も事前に電話をかけてネクタイ着用は任意であることを確認した)
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さぬきうどんの真髄はねばりや弾力感などにあると思っている人も少なくないだろうが
さぬきうどん通はおそらく別の見方をしていると思う。
タピオカ入りの冷凍麺も評価しないはず(おっと、これも讃岐だった)。
麺の腰は風味にプラスになるばかりではないから。

実は誰でもおいしいうどんはつくることができる。
といっても小麦粉をこねたりしない(そんなマニアックな)。
稲庭うどんだもそうだけど、乾めんを使う。
乾めんは保存性はいいけれど風味は生麺より劣る?
いやいや、乾めんだからおいしいのですよ。
(生麺と食べ比べればわかる)
例えばこれ。
http://hondamen.shop-pro.jp/?pid=14411978
(うどんネタで引っ張りすぎた。うどん好きの人、ごめん)


うどんを食べたら白鳥から引田へ。
引田には醤油製造と漁師町として栄えた古いまちなみがある。
和三盆、ブリの養殖なども有名。
https://www.wasanbon.com/
http://www.kahiketagyokyo.jf-net.ne.jp/hiketaburi/rekisigaaru/index.html

おすすめは、役場(東かがわ市役所引田支所)の駐車場(国道をはさんで陸橋を渡る)に置いて
引田の古いまちなみを散策すること。
車を停めたら引田駅を出た特急うずしおに遭遇。
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高松と徳島を1時間少々で結ぶうずしお号は、1時間に1本はある。
言い換えれば、高松と徳島をほぼ同時刻に出て引田ですれ違うことが多い。
うずしおを見たければ引田だけれど、
撮影ポイントはむしろ津田川沿いとか、
津田駅を出てリゾート風の海沿いを走る辺りとか、
讃岐相生駅から阿波大宮駅にかけての大坂峠越えではないだろうか。
(瀬戸内寂聴さんの父方の実家もこの辺りとか)
実はこの大坂峠はディーゼル車にとっても少々難関で
ぼくが乗ったうずしお号も前の普通列車が車輪が空転して進めない煽りを食って
板野駅かどこかで止められたことが何度かある。
空転の原因は落ち葉であったり、大量発生した毛虫であったりするのだけれど。
特急は板野駅から勢いを付けて上がれるが
普通列車は坂の途中の阿波大宮駅から発車するため速度が上がらないのだろうと推察。
ただし阿波大宮駅は高徳線でもっとも風情ある駅。
じっくり駅舎や里山を楽しめる。DSC_6080-1.jpg

JRネタで引っ張ってごめん。

地図を見て適当に散策。車は右の「市役所P」に停めている。
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郵便局を改装したカフェがある
http://www.hnt.or.jp/food/nouvellepost/
http://guide.travel.co.jp/article/14290/
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まちなみを道なりに進むと
讃州井筒屋敷という観光案内を兼ねた旧家を利用した観光施設がある。
https://www.idutsuyashiki.com/
ここは、まちの有志が町とともに復活させた場所で体験を売りにしている。
(母屋は有料だがほかは無料。体験は別途有償)
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中庭に面して何件かのテナントが出店している。
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庭の隅には樹齢二百年という古木がある。ホルトノキとのこと。
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いったん屋敷を出て朱色の土塀が見えてくる。
かめびし屋の蔵である。
260年続く醸造元で17代目の社長のもと、若い力が伝統を受けついでいる。
http://www.kamebishi.com/index.html
http://sanuki.tv/?p=2006
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さらに進むと赤い欄干の御幸橋が見えてくる。
橋はいったん途切れて2つの川(小海川、古川)にはさまれた小径に気付く。
なぜ、この地形なのか? ブラタモリの出番だ。
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サギが浅瀬を歩いて行く。
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右手を見れば波打ち際が見える。ここは海が近い漁師町。
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再び、井筒屋敷に戻ろうと
その手前にある手袋ギャラリー(入場無料)が目に止まった。
というよりは、そこから出てきたギャラリーご担当の川田富子さんに声をかけていただいた。
それがご縁でギャラリーに入ってご説明をいただく。
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手袋の型は温めて使うようだ。
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著名なスポーツ選手の使い古した特注手袋たち。
使用後に回収して生地にどのような変化があるかを研究しているそうだ。
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ステンドグラスは室内に外光を呼び込むだけでなく自ら浮かび上がる。DSFT1748-1.jpg

業務用のペガサスミシンはいまも動くのだとか。DSFT1765.jpg

かつて縫い子さんの収入は公務員を凌ぐほどで
縫い子さんがいれば一家の羽振りが良かったのだとか。
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再び井筒屋敷のみやげ売場へと。
引田のみやげものはここで買うことができる。
川田さんは体験教室のほか、おいしいかき氷屋も兼務でご担当されているのだとか。一人何役?)
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引田でさらに一組と園芸用(草むしりをしても快適にできるそうな)を1組購入。
白鳥で買ったのと合わせてしばらくはいける。
色は白に限る。手で合図を送るとき、黒では相手に見えないから。
冬場も夏場も楽に運転できるから一度運転用の手袋を使ってみたら?
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子狐はその光がまばゆかったので、めんくらって、まちがった方の手を、
――お母さまが出しちゃいけないと言ってよく聞かせた方の手を
すきまからさしこんでしまいました。
「このお手々にちょうどいい手袋下さい」
(新美南吉)


香川の白鳥、引田は半日を過ごすにほのぼのとする地域。
鳴門から北灘を経由して行ってみれば。
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追記
讃州井筒屋敷では、
「東かがわ田舎さんぽ」(2017年5月発行)という観光ガイドブックが入手できる。
NPO法人東かがわ市ニューツーリズム協会と東かがわ市地域創生課で作成されたもの。
(地方創生推進交付金を活用されたのでは?と想像)
これは良質のガイドブックで中味を読んでいて通読してしまった。
観光振興に関心のある自治体の方、一度見ておいては?



posted by 平井 吉信 at 21:37| Comment(0) | まちめぐり
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