那賀川上中流部を丹生谷(にうだに)という。
広義では、下流の那賀川町、羽ノ浦町(現在はともに阿南市)を除く
那賀郡を指す言葉と理解している。
丹生谷は、鷲敷ラインに始まる。
相生、上那賀と遡り、
那賀川が本流と最大の支流、坂州木頭川に分かれる。
本流を遡れば(旧)木頭村、支流を遡れば(旧)木沢村となる。
那賀川上流域は大台ヶ原と並んで多雨地域である。
1976年9月に木頭村で日降水量1,114mmを
2004年8月には上那賀町で1,317mmを記録している。
那賀川は無数の沢の水を集める急流で下流ですら流れが早い。
ダムができる前は木頭にカワマス(サツキマス)が遡上し
支流の沢に入ると昼なお暗い森林に覆われて恐怖を感じた、
と土地の古老が語ってくれた。
ダムがなければ日本有数の急流清流として名を残していたものを。
かつて細川内ダム計画をめぐって木頭村は国の方針に抵抗した。
亀井建設相の英断もあって、歴史を振り返ると正しい選択であった。
地元のみなさまの計り知れない苦悩を身を持って知っている。
そのDNAを受けつぐ人が木頭に光を当てようと
自らの会社を上場に導いて尽力されようとしている。
未来を切りひらく思いこそがこの国を動かしていける。
支流の坂州木頭川を遡ると木沢。
(ややこしいが木沢に木頭という集落がある。川の名称はそこから付いたのだろう)。
四季美谷温泉、さらにその奥のファガスの森を拠点として、
スーパー林道界隈の山々を探訪する人たちで賑わっている。
まずは四季美谷温泉を尋ねてみる。
こちらはジビエ料理として地元で捕獲された鹿をメニューとしている。

楽しみな一品が季節ごとにある。
イワタケのすしや、今回のコシアブラの天ぷらなどもそうである。

四季美谷温泉の前は槍戸川(坂州木頭川の上流部)が流れている。
温泉から川辺まで歩道で降りていくこともできる。
温泉前には新居田の滝があるので見ておくといい。

温泉から少し後戻りして大美谷湖へ向かう。
水の存在が湖底のゆらめきを写す透明度。
もちろんここも観光地ではない。
付近には農村レストランがある。
稀少な山野草の宝庫ともいわれる蛇紋岩の露出も随所に見られる。
滝王国 木沢の象徴 大釜の滝

大美谷湖の魅力を伝える写真はインターネット上では見当たらない
良いかどうかは見る人の判断に委ねるとして。






村内にはこんなにかれんなユリが咲く


木沢の休日はいったんリセット(帰宅)して翌日に続く…。
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