赤松川は那賀川中流に流れ込む最大の支流。
中学の頃、寺で勉強の夏合宿をしたことがある。
とはいっても、冷たい谷で泳いで身体を鍛える時間もある。
意を決して岩の上から飛び込む。
(飛び込みはどうでもいいのだが)
とにかく水が冷たい。
3分で唇が紫色になる。
ウルトラマンの気持ちがわかった。
赤松川のほとりにも春がやってきた。

ここでも田に水が入ったようだ。

赤松川は合流点が近づくと里の川から
渓谷になっていく。

蛍の名所 舞が谷を合流してさらに水量が増えた赤松川。
山桜が萌える。

やがて川口ダムの下流で那賀川と合流する。
この合流地点でアユが赤松川に上ってくる。
ダムで遡上を止められることもあるが
水の色が違うから。
ダムのない赤松川は澄んでいる。
魚も本能で知っている。
解禁直後は合流点から上流の赤松川でドブ釣りをしたもの。
ドブとは淀みという意味だろう。
錘をつけて毛針を上下するとアユが食いついてくる。
ぼくは友釣りよりもこっちが好きだ。
毛針には名前が付いている。
青ライオン、岡林1号、2号…(忘れてしまった)。
天候、水量、水底、季節などによって使い分ける。
釣りのあとは本流のほとりにある食堂「めんやど」へ行く。
名物オトラばあさんのおでんやうどんを食べた記憶がある。
(天下に多い「おんやど」をもじって女経営者だから「めんやど」としたのだろう)
小学生ながら父に連れられて夏場は飛ばしから始まってドブ釣り、
ナグリ(コロガシ)と進み、季節の終わりは海部川での餌釣りで終える。
アユ釣り師のご多分に漏れず父も友釣りだけをやるようになった。
その父が最後に友釣りをしたのが月ヶ谷温泉前だった。
赤松川はドブ釣りのホームグラウンドであった。
川口ダム湖畔を歩けば春の山野草の採取箱のよう。

束の間の日射しを待ってダム湖に照りいるソメイヨシノを見た。

追記
桜については文章が邪魔をするだろうと写真投稿だけにしましたが
文章があったほうが感情移入できるというお声をいただいて
今回は入れてみました。
【山、川、海、山野草の最新記事】
- 初冬の勝浦川 秋の名残の雲と
- 春には桜 秋にはコスモス(道の駅 ひなの..
- 秋の空に夏が秋の空に夏が混じった雲さまざ..
- 秋が深まる面河渓谷と鉄砲石川(仁淀川水系..
- 秋が深まる安居渓谷(仁淀川水系の土居川支..
- 名も知らぬ遠き島から室戸阿南海岸へ流れ着..
- 森のしずく 霧に包まれて たくさんの S..
- 雲を眺めて小松島港 朱と空色と 釣り人と..
- いつも行っているとくしま植物園 尾根筋は..
- 我が輩はイナゴ。バッタではない。容姿には..
- 午後の遅い時間は山の黄金のとき 中津峰山..
- 季節はずれでもえい 雨乞の滝から未来を
- 夕方の巻雲(すじ雲)は 何もない一日を映..
- 最終回のらんまんから〜スエコザサ〜
- 今週のらんまんから〜ムラサキカタバミ〜
- 避暑地の選択 南四国なら 川
- 渚と読書
- 深い杉木立に包まれた第20番札所 鶴林寺..
- 大河が蕩蕩と押し流す鎮め(吉野川 川島町..
- 今週のらんまんから〜ツチトリモチ〜