中土佐町は平成の合併で誕生した町ではない。
ぼくが子どもの頃も中土佐町だった。
(平成18年に四万十川上流の大野見村と合併したが町名は変わらず)
中土佐といえば、黒潮本陣と風工房のイチゴのシフォンケーキがある。
しばらく行っていない、と気付いて中土佐I.Cで降りた。
今回は青柳裕介さんに会うため。
彼の作品の「川歌」が好きだった。
川歌は、ぼくが唯一全巻揃えたコミック。
高知の川を舞台にシバテン(河童)と人間の物語。
人間としても魅力的な方だった。
青柳さんとは、
久礼港で海を見つめる石像でしかお会いすることはできなくなったけれど。


地元の莓農家が始めた風工房、イチゴのシフォンケーキが有名。
年商8千万円を越える優良経営で6次産業化の先駆的な事例。
地元産の鮮度の高い素材を活かしつつ個人技に依存しない設備が成功のカギ。
この日は臨時休業だった。

地元で信仰を集める久礼八幡宮。
参拝者が絶えることがない。
先々週訪れた淡路の伊弉諾神宮には偏ったメッセージが掲載されていて
純粋に国を想う人たちの足が遠ざかっていると感じた。
(人の心の痛みに無頓着な愛国心が国を護れるとは思えない)
しかしここは日々訪れて感謝する場として地元に息づいている。
神社は願い事や祓いをしてもらうだけの場ではない。
身近な幸福を願うことこそが世界の平和につながっていくような気がする。
そのような精神が宿るから清々しい氣が満ちている。


カツオの刺身とタタキの絵が奉納されているのも久礼ならでは。

通り抜けられるか、厄抜け石。

漁に出た父親を思う子どもを乗せて幾たびか揺れただろう。

フクジュソウか?と足を止めたのは、
カフェの店頭に植えられていたリュウキンカ。
見ていると近所の方から話しかけられる。
背丈が大きくなるのを押さえるのが腕の見せどころだとか。

漁港までの路地に伸びる久礼大正町市場。


魚を買いたかったが、今回は時間が長いのと持って帰る手段がないから断念。

青柳さんが通い詰めた久礼のまち、
純平と八千代はいまも市場を見守っている。

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