自由な世界に憧れた20代、
南太平洋で昼寝をしたり、
南アルプスのテントで震えていたり
遠野で河童に出くわしたり
南四国の沈下橋から飛び込んだり。
それはいまも変わっていないけれど
どこに行くのも連れだしていたのが
ミノルタのX700とMDレンズ。
デジカメの時代、
フジのX-E2にマウントアダプターで取りつけて
MDレンズが蘇った。
これはMD85oF2、典型的なポートレートレンズ。
かつてはミノルタの明るいファインダーで
渚の笑顔を見ていた。

そのレンズを、庭の桃に向ける。
太陽が大気を貫いて届く。
をの光を受け止めて
いまが盛りと寒風に凛と咲く。
ときを経たロッコールの色を
フジの色が受けとめた。

MD85mmf4、1/950秒、
緑のコーティングを突き抜けた光は数十年振りではなかったか。
雪に閉ざされそうな寒空の下、
決して恵まれた場所に植えてもらえなかった桃が
全身全霊で咲く。
振り返ることなく、ここで咲く。

(X-E2 プロビア JPEG無加工)
タグ:ミノルタ
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