朝起きて庭を見るのが日課。
特に手入れはせず、特に何かを植えることもなく
季節の移り変わりとそこに現れる野草を愉しんでいる。

花を見ていると、後ろから「おはようございます」と。
子どもを保育園に送り出す近所の若い女性。
かれんでしとやかで快活な人はどこでも好感度抜群。
ノギクはここ数年で定着した、と思っていたら
今年の夏の高気温で枯れてしまった。
ところが秋が深まると芽が出てきた。
さっそくやってきたのがヨモギハムシ。


春先にはテントウムシの集団がやってくるけれど
今年はほとんど見かけなかった。
庭のなかにも主人公の入れ替わりというドラマがあるのだ。
フジのX-E2で光の当たり始めたノギクを撮る。
久しぶりにかつて持ち歩いた銀塩用のミノルタのX700を取り出す。
ファインダーを覗いてピントを合わせると
明るい映像がマイクロプリズムとスプリットイメージで浮かび上がる。
このカメラ、高倍率でミラーの反射率が高くマット面が明るくしかも切れ味があるため
世界の歴代一眼レフでもっともピント合わせがしやすい。
カメラを構えたときにはもうその作業は終わっている、
というケンシロウのような感覚(「おまえはもう合焦している」とは言わないが)。
ニコン、キヤノンと異なる世界観を提示する
ミノルタX700のPOPな感覚は自由な旅を盛り上げてくれた。

(フイルムを詰めればいまも現役。南半球も3千メートルの高山も歴史の遺構や民俗学的な場面もしとやかな被写体にもこのカメラで立ち会った。職業写真家ではないけれど、カテゴリーの異なる大手出版社からの仕事も2台のX700でやっていた)
この感覚、なつかしい。
そこでレンズだけを取り出してX-E2に取りつけてみた。
ザ・標準レンズ対決。焦点距離の差のためフジは被写体に近寄って写している。
ミノルタNewMD 50mm/F1.4→ f4

フジノンXF35mmF1.4 R→ f4

最新のレンズはさすがにコントラスト、階調、色再現ともすばらしいが
ミノルタはふわりと光を遊ばせている感じ。
もっともレンズからの信号を受けられるフジは
RGB情報や距離情報を活かして画像処理しているかもしれない。
最初のヨモギハムシはニコンの一眼レフ+マクロレンズだが
そこでフジの小型デジカメX20も使ってみた。

このカメラは2/3インチのセンサーだが
1/1.7〜1インチは近接広角マクロで代えがたい写真が撮れる。
料理の写真もたいがいX20で撮影している。
首にかけていても忘れるぐらい軽く、手持ちでどんどん撮れる。
フジが生産中止としたのは惜しい。
日常持ち歩くカメラを探している人は
カシオのEX-ZR4000がいいかもしれない。
http://casio.jp/dc/products/ex_zr4000/
http://amzn.to/2gweE3q
ムラサキカタバミも常連さんで季節を問わず気まぐれに花を咲かせる。
いまは端境期のようだが、虫の視点でカタバミを見てみよう。


緑を見ているとなごむ。
夜のなごみはこれ。

バスクリンから限定販売の「茶香炉から立つ玉露の香り」。
この香りが湯気に立ちこめると、魂が遊ぶあの感覚。
あの感覚とはあれ。ほら、あれ。
思い出した。猫にマタタビ。
(言葉が出てこなかった。猫になったことはないようなので正確な心理描写かどうかわからない)
塩も入っていて皮膚の上を毛細血管が喜んで流れる感じ。
歴代のバスクリンのなかで人工的な癒しの匂いがしないのに
自然を感じさせ、かつ入浴効果が高い出色の仕上り。
(企画品という位置づけなのであっという間になくなるかも)
(徳島の人、耳を貸してください。Dで始まるディスカウント店で300円台で売られています)
http://makernews.biz/201609286877/
湯から出て水を飲むとき、
ワインかウイスキーを少し口に含み
音楽を静かに流して眠りに就くと、
極上の一日が終わる。
(幸福がはらりとこぼれおちる)。
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