2016年09月24日

由紀さおり 夜明けのスキャット〜宇宙戦艦ヤマト〜海上自衛隊東京音楽隊


ルールールルルー♪
歌詞が出てくるのはずっと後。
でもこのまま終わってもいいと思えた。
子ども心に何を感じたのか。
おとなの女性の色気を敏感に感じ取る年頃だったのかも。

歌詞がわかるようになると
こんなうたがテレビに流れて人々はどうだっただろう。

…ゆくの、よ(と、違う世界に旅立つことを示唆)
夜は流れず星は消えない 愛の歌響くだけ…
(説明はしないけれど)

う、これは。
独身の男女が聴いてはいけない歌。

昭和44年当時と同じ音程で
むしろレガートに磨きをかけて。
何という歌手人生だろう。

いまから数年前、
由紀さおりの初期のオリジナルアルバムがCD化された。
いまも衰えていないとはいえ
21歳でなければ歌えない声がある。

これらも手に入る最後の機会かもしれない。
ファーストアルバム「夜明けのスキャット」(1969.7/10)
http://amzn.to/2d7tIQy

セカンドアルバム「由紀さおりの美しき世界」(1969.12./1)
http://amzn.to/2d7sHIc

サードアルバム「あなたと夜と音楽と -由紀さおりの魅力-」(1970.6/5)
http://www.universal-music.co.jp/yuki-saori/products/toct-29012/
(ジャケット写真の妖艶なこと)
http://amzn.to/2d7uTzx
(上記はアマゾンMP3の試聴先)
HMVも売り切れ
http://www.hmv.co.jp/artist_%E7%94%B1%E7%B4%80%E3%81%95%E3%81%8A%E3%82%8A_000000000035868/item_%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%A8%E5%A4%9C%E3%81%A8%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E3%81%A8-%E7%94%B1%E7%B4%80%E3%81%95%E3%81%8A%E3%82%8A%E3%81%AE%E9%AD%85%E5%8A%9B_4993673
新品で入手できるのはタワーレコード
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(ブログに掲載すると瞬く間に売り切れるかも。ご容赦)

淑女の香りが芳しいほど耳元をくすぐる。
少女の祈りのような高音が明滅するかと思えば
次の瞬間、小悪魔の表情が舌をぺろっと出して
甘やかな吐息をふっと漏らす。
昭和のささやき、たまらない。

1970年といえば、大阪万博。
その象徴であった太陽の塔に打たれた。
子ども心にこんなものが世の中にあるのか。
見たい、欲しいと思った。
万博のテーマも岡本太郎のねらいも知るよしもなかったが
理屈を越えて飛び込んでいく生命力を感じた。
夢遊病のように崇拝した岡本太郎の呪縛から解き放たれたのは
近年になってからである。


昭和の歌と21世紀の歌との埋めがたい溝を感じる。
という言い方が控えめであるのなら
優劣があるように思える。

近作のNHKの連ドラの主題歌を
若手の人気ユニットが歌っていたが、
オープニングは聴きたくなかった。
(楽曲は悪くないのだが、声が流れてくると暗い気持ちになった)
ディレクターや録音に携わるプロデューサーはなぜ放置しているのか。

ところが、由紀さおりがテレビの番組で
若手が鼻濁音の発音ができていないことを嘆いていた。
(もちろん、連ドラのオープニングを指したものではない)
ぼくは、授業で日本語の発声練習をしたほうがいいと思う。
かつて日本語にあった、Y行、KY行、W行が
時代に埋没して消えていったこともある。
発音が単純化することは、例えば外国語の対応力が低下することを意味する。
文字に書かれていないことを理解できなくなることにも通じる。
(文字に書かれていないことは理解しない、という文脈につながる不安があるのだ)
発音とは文字を読むことではない。
だれも東京を「トウキョウ」とは発音しないのだから。

ぼくが感じたのもそのことだったのだろう。

変えること、変えないことが世の中にはあるはず。
日本語の響きは変えないことだろう。
変えなければならないもの、
いまの時代に照らして再定義すべきものは
家元とか形式主義とか権威など残っているのだ。


さて、スキャットといえば、宇宙戦艦ヤマトの川島和子が印象的だ。
(あ、あの場面の、あーあー あああ、という)
https://www.youtube.com/watch?v=nvH9f78-VFI

滅びの美学が使命感を残り火のように燃やす。
大気圏でカプセルを切り放したはやぶさが
地球に突入して燃え尽きた2010年6月13日。
https://www.youtube.com/watch?v=KO2550BAMU4

はやぶさは金属の塊ではない。
そこに人々が魂を吹き込み、はやぶさがそれに応えた。
最後の任務となる日、
JAXAは、はやぶさの向きを変えて
生まれ故郷の姿を最後に見せたという。
関係者にとって、いや関係者でなくても
はやぶさを愛おしいと思う気持ちに変わりはない。
(ぼくの前にははやぶさの模型がある。これを眺めるときは無心に見るとき)
D7K_1835-2.jpg

こんなときに聴きたくなるのが
宇宙戦艦ヤマト交響組曲。

ぼくはボックスで買ったがいまは見当たらない。
CDは見つけたときに求めなければ後悔する。
(まだあると思っていて、数日の違いで入手できなかったことがたびたびある)

主題歌挿入歌を集めたアルバム
http://amzn.to/2cuAbXZ

いまは海上自衛隊東京音楽隊の三宅由佳莉だ。
特に坂の上の雲の主題歌「stand alone」に胸を打たれる。
https://www.youtube.com/watch?v=sXpKMO4XGx8
http://amzn.to/2d7xlWZ
こんな歌い方を毎日していたら身が持たない、と思えるほど
燃え尽きて歌っている。
スタジオ録音のCDでどこまで入っているかはわからないが
まずは、YouTubeで見てみては?


由紀さおりから始まり、はやぶさ経由でヤマトでとまる。
さらに海上自衛隊へと流れた。
秋が来たということ。
posted by 平井 吉信 at 22:52| Comment(0) | 音楽
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