ルールールルルー♪
歌詞が出てくるのはずっと後。
でもこのまま終わってもいいと思えた。
子ども心に何を感じたのか。
おとなの女性の色気を敏感に感じ取る年頃だったのかも。
歌詞がわかるようになると
こんなうたがテレビに流れて人々はどうだっただろう。
…ゆくの、よ(と、違う世界に旅立つことを示唆)
夜は流れず星は消えない 愛の歌響くだけ…
(説明はしないけれど)
う、これは。
独身の男女が聴いてはいけない歌。
昭和44年当時と同じ音程で
むしろレガートに磨きをかけて。
何という歌手人生だろう。
いまから数年前、
由紀さおりの初期のオリジナルアルバムがCD化された。
いまも衰えていないとはいえ
21歳でなければ歌えない声がある。
これらも手に入る最後の機会かもしれない。
ファーストアルバム「夜明けのスキャット」(1969.7/10)
http://amzn.to/2d7tIQy
セカンドアルバム「由紀さおりの美しき世界」(1969.12./1)
http://amzn.to/2d7sHIc
サードアルバム「あなたと夜と音楽と -由紀さおりの魅力-」(1970.6/5)
http://www.universal-music.co.jp/yuki-saori/products/toct-29012/
(ジャケット写真の妖艶なこと)
http://amzn.to/2d7uTzx
(上記はアマゾンMP3の試聴先)
HMVも売り切れ
http://www.hmv.co.jp/artist_%E7%94%B1%E7%B4%80%E3%81%95%E3%81%8A%E3%82%8A_000000000035868/item_%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%A8%E5%A4%9C%E3%81%A8%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E3%81%A8-%E7%94%B1%E7%B4%80%E3%81%95%E3%81%8A%E3%82%8A%E3%81%AE%E9%AD%85%E5%8A%9B_4993673
新品で入手できるのはタワーレコード
http://tower.jp/item/3076121/%E3%81%82%E3%81%AA%E3%81%9F%E3%81%A8%E5%A4%9C%E3%81%A8%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E3%81%A8--%E7%94%B1%E7%B4%80%E3%81%95%E3%81%8A%E3%82%8A%E3%81%AE%E9%AD%85%E5%8A%9B-
(ブログに掲載すると瞬く間に売り切れるかも。ご容赦)
淑女の香りが芳しいほど耳元をくすぐる。
少女の祈りのような高音が明滅するかと思えば
次の瞬間、小悪魔の表情が舌をぺろっと出して
甘やかな吐息をふっと漏らす。
昭和のささやき、たまらない。
1970年といえば、大阪万博。
その象徴であった太陽の塔に打たれた。
子ども心にこんなものが世の中にあるのか。
見たい、欲しいと思った。
万博のテーマも岡本太郎のねらいも知るよしもなかったが
理屈を越えて飛び込んでいく生命力を感じた。
夢遊病のように崇拝した岡本太郎の呪縛から解き放たれたのは
近年になってからである。
、
昭和の歌と21世紀の歌との埋めがたい溝を感じる。
という言い方が控えめであるのなら
優劣があるように思える。
近作のNHKの連ドラの主題歌を
若手の人気ユニットが歌っていたが、
オープニングは聴きたくなかった。
(楽曲は悪くないのだが、声が流れてくると暗い気持ちになった)
ディレクターや録音に携わるプロデューサーはなぜ放置しているのか。
ところが、由紀さおりがテレビの番組で
若手が鼻濁音の発音ができていないことを嘆いていた。
(もちろん、連ドラのオープニングを指したものではない)
ぼくは、授業で日本語の発声練習をしたほうがいいと思う。
かつて日本語にあった、Y行、KY行、W行が
時代に埋没して消えていったこともある。
発音が単純化することは、例えば外国語の対応力が低下することを意味する。
文字に書かれていないことを理解できなくなることにも通じる。
(文字に書かれていないことは理解しない、という文脈につながる不安があるのだ)
発音とは文字を読むことではない。
だれも東京を「トウキョウ」とは発音しないのだから。
ぼくが感じたのもそのことだったのだろう。
変えること、変えないことが世の中にはあるはず。
日本語の響きは変えないことだろう。
変えなければならないもの、
いまの時代に照らして再定義すべきものは
家元とか形式主義とか権威など残っているのだ。
さて、スキャットといえば、宇宙戦艦ヤマトの川島和子が印象的だ。
(あ、あの場面の、あーあー あああ、という)
https://www.youtube.com/watch?v=nvH9f78-VFI
滅びの美学が使命感を残り火のように燃やす。
大気圏でカプセルを切り放したはやぶさが
地球に突入して燃え尽きた2010年6月13日。
https://www.youtube.com/watch?v=KO2550BAMU4
はやぶさは金属の塊ではない。
そこに人々が魂を吹き込み、はやぶさがそれに応えた。
最後の任務となる日、
JAXAは、はやぶさの向きを変えて
生まれ故郷の姿を最後に見せたという。
関係者にとって、いや関係者でなくても
はやぶさを愛おしいと思う気持ちに変わりはない。
(ぼくの前にははやぶさの模型がある。これを眺めるときは無心に見るとき)

こんなときに聴きたくなるのが
宇宙戦艦ヤマト交響組曲。
ぼくはボックスで買ったがいまは見当たらない。
CDは見つけたときに求めなければ後悔する。
(まだあると思っていて、数日の違いで入手できなかったことがたびたびある)
主題歌挿入歌を集めたアルバム
http://amzn.to/2cuAbXZ
いまは海上自衛隊東京音楽隊の三宅由佳莉だ。
特に坂の上の雲の主題歌「stand alone」に胸を打たれる。
https://www.youtube.com/watch?v=sXpKMO4XGx8
http://amzn.to/2d7xlWZ
こんな歌い方を毎日していたら身が持たない、と思えるほど
燃え尽きて歌っている。
スタジオ録音のCDでどこまで入っているかはわからないが
まずは、YouTubeで見てみては?
由紀さおりから始まり、はやぶさ経由でヤマトでとまる。
さらに海上自衛隊へと流れた。
秋が来たということ。
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