第2部から続く
南国高知では、北川村にモネの庭マルモッタンがある。
徳島からも遠くないので、何度か訪れている。
三原村の星ヶ丘公園は、規模は異なるが
池を中心に同じ嗜好の庭がある。
それは、地元の人々の不断の手入れで維持されている。
だから、大切にしよう、親しい人に伝えようと思える。
星ヶ丘には8月の下旬頃から
愛らしい薄紫の山野草が開花する。
ヒメノボタンという。
高知県出身の牧野博士ゆかりの花で
かつて田の畦などに西日本の広い範囲で見られたもの。
http://www.makino.or.jp/150th/connection.html
しかし観賞用に持ち帰る人が多く、
ほとんどの地域で絶滅してしまった。
名前からすると園芸種のようだが、土着である。
高知市から西には自生している場所があるらしい。
そのなかで地元の保全活動が奏功して
風にそよぐ群落が見られるのが三原村の星ヶ丘。
草むらでさっそく一輪見つけた。



写真撮影には静止するのを待つ忍耐が必要だが、
さわやかな風が丘を吹き抜けていく。

高知県西部は「土佐」ではなく「幡多」(はた)という。
高知市から距離が離れていて、言葉(抑揚)もまるで違う。
それでも太平洋をにらみつつ、海の向こうに思いを馳せるのは同じ。

そんな土地に、牧野富太郎や森下雨村が現れ
自然との関わりが植物学や釣り文学となっていく。
不思議なのは、牧野博士の地元で固有種がいくつか見つかっていること。
植物も見つけられることを望んでいたのではないかと思えるほど。


ヒメノボタンの秋が高知県西部の三原村にやってきた。
四国の東部に戻る前に訪れて、風に吹かれて花を眺める。
静かな初秋の午後。
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