仁淀川は国土交通省の水質日本一になったことがある川である。
河原を従えゆったりと蛇行する様子は、四万十川とともに
(むしろそれ以上に)四国の川の情景を広々と見せてくれる。
大きな空、浮かぶ雲、瀬を下る水のはしゃぎと蕩蕩と水を湛えた淀み。
比べるもののない豊かな時間がここにある。
そんな仁淀川の上流にもしダムがなかったら…。
中流域の流量が増えればさらに浄化作用が高まり
良質の苔の育みと水底の輝きを取り戻すだろう。
川の素材としては全国で3本の指に入るかもしれない逸材。
仁淀川が全国区になったのは近年のことである。
「日本最後の清流」のフレーズが踊った四万十川は1983年。
NHK高知放送局の「仁淀ブルー」のキャンペーンは、2012年。
仕事の合間に訪れたのは8月末のこと。
四国の8月は記録的な小雨で仁淀川の水量も少ない。
しかも、今回見たのは濁った水。
どういうことなのだろう。
下流のいの町では濁っていなかったし、
少し上流の横倉橋からも濁っていなかったように思う。
もしかしたら、鎌井田地区のなかほどにあるダムからの放水路の関係か
合流する柳瀬川もしくはどこかで工事が行われていたのか。
それでも、鎌井田地区は夏の仁淀川を凝縮した集落。
浅尾(あそう)の沈下橋へ行ってみた。

2011年に撮影したものと比べて川の水量が少なく
濁りと空の色の関係で水の色もやや冴えないが
機材が良くなった分、現実感は増している。

http://soratoumi2.sblo.jp/article/61485097.html
http://soratoumi2.sblo.jp/article/176388793.html
ギボウシの仲間だろう。河畔で咲いている。

地元の子どもが川舟で遊ぶ。ぼくも那賀川で叔父の舟を借りて操船したことがある。
碇を鎮めるのは流れが弱い場所。
そこから長くロープを伸ばして瀬の肩を降りて泊めることができる。

カヌーが下っていく。友釣りの釣果は芳しくないようだ。

人生が川時間で過ぎていく


仁淀川をいの町、越知町、佐川町を抜けて須崎市からさらに南下する。
川で束の間の休息の後、仕事が待っている。
【山、川、海、山野草の最新記事】
- 夕方の巻雲(すじ雲)は 何もない一日を映..
- 最終回のらんまんから〜スエコザサ〜
- 今週のらんまんから〜ムラサキカタバミ〜
- 避暑地の選択 南四国なら 川
- 渚と読書
- 深い杉木立に包まれた第20番札所 鶴林寺..
- 大河が蕩蕩と押し流す鎮め(吉野川 川島町..
- 今週のらんまんから〜ツチトリモチ〜
- 見上げるパラグライダーと夏の雲
- 植物図鑑を持って夏の渓流に出かけよう(夏..
- 近所の森に出かけて昆虫を見よう(夏休み特..
- 高原に雲が沸き立つ(夏休み特集その3)
- 渚に行こう 波間に憩う
- 今週のらんまんから ノジギク
- 夏が来れば思い出す 郷愁のかなたの黒沢湿..
- 今週のらんまんから キレンゲショウマ
- 棚田の夏 赤松川流域の里山を歩く(夏休み..
- 河畔のタキユリ(カノコユリ)と庭のカサブ..
- 今週のらんまんから ヤッコソウ
- 阿南市福井町辺川の棚田