2016年09月03日

夏の終わりの仁淀川 浅尾の沈下橋にて


仁淀川は国土交通省の水質日本一になったことがある川である。
河原を従えゆったりと蛇行する様子は、四万十川とともに
(むしろそれ以上に)四国の川の情景を広々と見せてくれる。
大きな空、浮かぶ雲、瀬を下る水のはしゃぎと蕩蕩と水を湛えた淀み。
比べるもののない豊かな時間がここにある。

そんな仁淀川の上流にもしダムがなかったら…。
中流域の流量が増えればさらに浄化作用が高まり
良質の苔の育みと水底の輝きを取り戻すだろう。
川の素材としては全国で3本の指に入るかもしれない逸材。
 
仁淀川が全国区になったのは近年のことである。
「日本最後の清流」のフレーズが踊った四万十川は1983年。
NHK高知放送局の「仁淀ブルー」のキャンペーンは、2012年。

仕事の合間に訪れたのは8月末のこと。
四国の8月は記録的な小雨で仁淀川の水量も少ない。
しかも、今回見たのは濁った水。
どういうことなのだろう。
下流のいの町では濁っていなかったし、
少し上流の横倉橋からも濁っていなかったように思う。
もしかしたら、鎌井田地区のなかほどにあるダムからの放水路の関係か
合流する柳瀬川もしくはどこかで工事が行われていたのか。

それでも、鎌井田地区は夏の仁淀川を凝縮した集落。
浅尾(あそう)の沈下橋へ行ってみた。
DSCF9425-1.jpg

2011年に撮影したものと比べて川の水量が少なく
濁りと空の色の関係で水の色もやや冴えないが
機材が良くなった分、現実感は増している。
D7N_1675-1.jpg
http://soratoumi2.sblo.jp/article/61485097.html
http://soratoumi2.sblo.jp/article/176388793.html

ギボウシの仲間だろう。河畔で咲いている。
D7N_1693-1.jpg

地元の子どもが川舟で遊ぶ。ぼくも那賀川で叔父の舟を借りて操船したことがある。
碇を鎮めるのは流れが弱い場所。
そこから長くロープを伸ばして瀬の肩を降りて泊めることができる。
D7N_1708.jpg

カヌーが下っていく。友釣りの釣果は芳しくないようだ。
D7N_1716.jpg

人生が川時間で過ぎていく
D7N_1711.jpg

D7N_1685.jpg

仁淀川をいの町、越知町、佐川町を抜けて須崎市からさらに南下する。
川で束の間の休息の後、仕事が待っている。



posted by 平井 吉信 at 11:44| Comment(0) | 山、川、海、山野草
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: