2016年07月01日

初夏の風が吹いて 池田の黒沢湿原(くろぞうしつげん)


雨が数日続いて晴れた日、
ふと思い出した、黒沢湿原のことを。
時計を見るともうすぐ正午という時間だった。

でも、いま行かないと、きょうの風には遭えないからと
自分に言い聞かせて出発した。
国道192号線を西へ西へと向かい、
池田の旧市街地から南の山中へ入る林道をたどる。
道路工事の標示があったが、(週末なので)解除中ともある。

ところが、数日前の大雨がたたったのだろう。
随所で小崩れが起きている。
一箇所は山側の崩壊でガードレールのない際を通る。
車幅から見て崩壊した土砂に片輪を載せて通過。
(運転側が崖だったが、助手席側になる帰りは吉野川に出るルートにした)

四国のへそにあるこの湿原には
トキソウ、サギソウなどの湿原に自生する稀少な植物がある。
地元の子どもたちの保護活動やボランティアのパトロールなどで
なんとか生態系は保たれている。

しかし、この湿原の魅力は植物だけでなく
湿原が醸し出す風渡る風情がいい。
いつもここへ来ると、太陽が高い時刻から夕刻までを過ごしてしまう。
だから、湿原を感じながらどこかに腰掛けて
好きなものを食べるひとときのために、行動食を用意しておこう。
(おむすびとお茶でいかが?)

さてと、湿原をご案内。

この季節、どこから来ても、ホタルブクロが点在するルート
DSCF6273.jpg

湿原が見えてきた。この先に駐車場がある。数カ所に渡って十分な広さが確保されている。
DSCF6281.jpg

軽井沢のような雰囲気の湿原のエントランス
DSCF6283.jpg

D7K_0503.jpg

老夫婦が植物観察をしながら散策する
DSCF6289.jpg

木道を伝っていく
DSCF6316.jpg

D7K_0506.jpg

湿原、山野草…。目に飛び込んでくるのは夏草と水のたたずまい。
DSCF6319.jpg

D7K_0564.jpg

D7K_0545.jpg

ハンカイソウの群落が展開する沢の地形
DSCF6323.jpg

湿原の草の虫たちを探すのも一興
DSCF6338.jpg

近寄ってみると、マメコガネ
DSCF6338-2.jpg

茶色のコガネムシ
D7K_0773.jpg

湿原のなかほど左手の丘に展望台が見える
男女が手をつないで丘をめざし登っていく

パノラマの眺めにしばし見入る。
汗は風に吹かれて消え、心の靄も消える
DSCF6354.jpg

DSCF6359.jpg

DSCF6365-1.jpg

湿原は北から南へと流れる水の流れがある
ところどころに池をつくる。池で見つけたのはヒツジグサ。
午後2時ぐらいにならないと咲かないことから名付けられた。
DSCF6424-1.jpg

DSCF6438.jpg

6月下旬の湿原の至るところで咲いているのはウツボグサ(東の横綱としよう)
DSCF6554.jpg

D7K_0632.jpg

アジサイの色の変化
DSCF6560.jpg

DSCF6680.jpg

それならば、ハンカイソウがこの季節の西の横綱か
D7K_0721.jpg

D7K_0727.jpg

D7K_0759.jpg


湿原は南へ来ると、水の流れが明確になってくる。
水路と湿原と河畔林が織りなす絶景が湿原の白眉となる。
DSCF6565.jpg

DSCF6567.jpg

DSCF6581.jpg

DSCF6589.jpg

DSCF6599.jpg

ムカデのような山野草(シシガシラ)
DSCF6621.jpg

ネギボウズのような植物はヤマトミクリという水草の一種
D7K_0777.jpg

湿原は、東西の山々から流れ込む沢でさらに水量を増す
DSCF6626.jpg

そうして、ついに流れ落ちる滝となる。
この水を追うように松尾川温泉へ降りる散策路がある。
四国では数少ない掛け流しの湯を楽しんでみては?
DSCF6632-1.jpg

二段目の滝壺の上から落ちる水が見られる
DSCF6642.jpg

すでに半日が過ぎて陽が傾いた。北のエントランスに戻ろう。
DSCF6655.jpg

DSCF6664.jpg

DSCF6667.jpg


湿原を歩くとき、何も考えない。
ただ、心に浮かぶ念をていねいに追いかけていくうち
何も考えなくなる。
すると、風のささやき、植物の伊吹、虫の気配、湿原の醸し出す空気に包まれている。
あとひとつだけ。自分の足音も。


タグ:黒沢湿原
posted by 平井 吉信 at 21:57| Comment(0) | 山、川、海、山野草
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: