2016年05月28日

ヒロシマでオバマ大統領が伝えたかったこと


安らかに眠って下さい 過ちは繰り返しませぬから―。

この碑に刻まれた言葉の意味を
子ども心に感じていた。

これは慰めの祈りであるとともに
人類が未来の人類に対して誓った言葉だと。


原爆は多くの人の命を救ったやむをえない選択であった、
などと正当化する意見がある。
(これも偏った教育だろう)

しかし、原爆投下は誰も幸福にはしなかった。
人類の闇を見せられた誰もが被害者なのだ。
まずはそのことを自覚しなければならない。
だから、ヒロシマへ行くべきなのだ。
逃れることのできなかった被爆の苦しみを
我がこととして受け止めることが人の道だろう。


理想はわかっていても
遅々として事態が動いていかないと
人々はどうしても強硬意見に傾いていく。
(いまのアメリカはその病に陥っているようだ)
それは、解決をさらに遠ざける。

目に見えない暗黒の圧力は
若い日に平和を願い、プラハでは核のない世界を訴えた
ひとりの大統領の思いを呑み込んで流れた。

しかし、理念を訴えなければ
誰かの心には届かない、広がらない。
大国の大統領として、
核を行使した国として、
ヒロシマを訪問した意義は大きい。
(大統領退任後の責務を示したともいえる)。

ヒロシマ・ナガサキ、
そしてフクシマを経験した日本が
世界に貢献すべき道を示したできごとでもあった。

サミットでは、世界的な経済危機を演出してまで
経済政策の失敗を見せなくするとともに
消費増税の先送りの演出を腐心した一国の首相の姿があった。
(選挙で民意を問えばいいが、民意は気まぐれで本質が見えているかどうかわからない)

外交は本音と建て前が交錯する権謀の産物ではあるけれど
個人の思い込みでやるものではない。
日本で行うからには、世界に示す思想があるはず。

日本が誇れる目に見えないソフト。
それは、歴史や文化、科学技術、観光、コンテンツ産業、生産管理、災害対応など
あらゆる分野に及ぶ。
それらは未来を照らす燭光でもあるはず。
世界のどの勢力とも節度ある距離を持って
敵をつくらず貢献していく道があるはず。
国内で個性ある製品を、生産性の高いものづくりをしていけば
それを目を細めて買ってくれる人はたくさんいるはずだが、
そのマーケットは、スイスや北欧が占拠している。
人々の幸福を前提に、質の高い経済国家として先頭を切って走ることができるはず。
(いまやらなければならないのは、時代にそぐわない的外れの経済政策や理念のない五輪ではないはず)

冒頭の碑の言葉は、
主語をぼかしているのではなく
人類全体の責務として捉えて
核を含めた戦争のない社会へ取り組んでいく決意を込めたものと理解している。

オバマ大統領の功績は何だったか?
謝罪がなかった、などを問う前に
私たちはどんな未来に向かって
どのように行動するかを考えたい。


人の一生は限られている。
金持ちも貧乏も白人も黒人も関係なく
時間は等しく流れていく。
けれども時間の密度、
言い換えれば、満足感はまったく違う。
生きること―。
そこからの学びに感謝するとともに
楽しむことができたらどうだろう。


お金や経済といった尺度は邪魔になる、と排除することはしない。
(株価に一喜一憂するのはつまらないと以前から述べているのは経済システムを否定して仙人をめざしているのではなく、それらに左右されない社会をつくれば、自ずと経済システムも良くなるとの考えから)
お金や経済を否定するのではなく
その存在を肯定して(ただし捕われることなく)、
自分にも社会にも活かすこと。

実はそれは誰にでもできる。
たったひとつのことができたら。

それは、生きることに幸福を感じること。
(置かれている現在の環境のまま幸福を感じること)。
他力本願でも人と比べるのでもない。
視点を変えればできる。

テロや他国の脅威に名を借りて軍事産業の闇の力が
覆い被さってくることを身を持って知ったとしても
一人ひとりの幸福感が核なき世界への道のりを拓く。
オバマ大統領はそこに一縷の望みをつなごうとしたのではないか。


ぼくは幸福を感じる処方箋を伝えていこうと思う。
哲学、宗教、心理学、科学、芸術などの垣根を越えて
道は違えど同じ目標をめざして人は生きている。
幸福へ向かう道はある。
それに気付くことの大切さと処方箋を伝えていきたい。
(自分の利益のために動いた時点でメッセージは伝わらなくなる。新興宗教が人々の心に浸透しないのもそこにある。行為は無償であるべき)



posted by 平井 吉信 at 17:28| Comment(0) | 生きる
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