2016年02月27日

阿川梅の里 神山 梅がほころび桃源郷のきざし

梅を主題に祭りが各地で開かれる。
でも、山里は道幅が狭く車を置く場所も広くないので
混雑を避けるために人出を避けてずらして出かけることにした。
梅の開花には少し早いと思ったけれど、そうでもなかったようだ。

実はここへ来るのは初めて。
里を散策するにもどこを歩いていいかわからない。
山なら地形を読めばいいが、里道はそうはいかない。
いつのまにか、人家の庭に入ってしまったり
犬に吠えられたり、崖に出たり行き止まりになったり。
1/25,000の地図を持っていても、
地形図に掲載されていない道、
人が歩ける里道、
軽トラなら通れるが普通車は通れない路、
廃道、荒れた林道、整備途中の林道、
さらには新たにつくられた農免農道が入り交じり、
山なら地形だけを読めばいいが、
地図から読み取れない人工要素が多いため、
地図を持参してもわからない。
まして、標高や地形、東西南北や縮尺が想像できないイラスト図では
歯が立たない。

地図に慣れた人間にはデフォルメが苦痛。
上が南の地図も苦手だし、カーナビも進行方向ではなく
北が上でないと運転しにくいのは、
脳のミューロンが地図を想定してつながっているためだろう。
カフェで1/25000の国土地理院の地図を見ながら
にやけているという子どもの頃からの地図オタクなので。
同様に電子地図もときめかなくて…。

漢和及第(いつもの誤変換なのでご容赦を)

結局、コンパスと地形から迷うことはなかったけれど
観光看板の地図をトレースできなかったのだ。
その顛末と道中、もちろん阿川梅の里に興味のある人は続きをどうぞ。

神山といえば、日本有数の梅の産地。
主な品種は、鴬宿梅を主力に、青うめ、小梅、信濃小梅、林州梅、南高梅。
かつては400トンを越える収量があったはずだが
いまでは激減しているはず。
長期的には外国産との価格差による市場価格の低迷と
生産者の高齢化で摘果作業ができなくなっている点が影響しているのだろう。

梅干しは子どもの頃から大好きな食べ物。
あの大きな果肉の塩で付けた梅干しを
ぐじゅぐじゅと果肉のほとばしる酸味をごくごくと食べていた。

その梅の里山を歩くのが初めてというのは
場所がわかりにくかったからである。

車は交通の邪魔にならない場所を見つけて置いた。
観光看板を見つけたので
手元の国土地理院とにらめっこしつつ散策を開始。

鮎喰川(中流)は楚々として流れる
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神山へ入るとかかしが河辺で休んでいる
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中流ながら水が澄んでいるのはダムがないため。
それと緑色片岩(青石)が多い川底の影響か。
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鮎喰川の支流 広石谷川を遡ると阿川地区に。
すると、看板を発見。
公民館や小学校跡地を出発点とするとわかりやすいかも。
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集落を流れる川沿いの民家
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集落の商店のたたずまいに目が止まる。
住宅展示場の住宅を見てもまったく心が動かないが
(フローリングの床や島台所の金太郎飴のようなたたずまいに絶句)
古民家や古い商店のたたずまいにひかれる。
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谷川の橋を渡ると急な登り道になっている。わくわくするような傾斜と梅の枝振り
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石風呂という標識が現れた。
江戸時代に使われた蒸し風呂とのこと。
思っていたところと違うところを通ったようだが、現在位置が判明。
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敷地内には社があって岩と苔が神宿る雰囲気を醸し出す。
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散策路は梅園へと続いていく。
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この後、神木地区へ降りようとしたが
径はやがてなくなり、送電塔に出た。
(観光看板が誘導しようとした径とは明らかに違う。どこで間違えたか?)

すると里の谷へ向かって降りる小径があり
橋をわたって車道に出た。
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川とともに暮らす集落のなりわいが見える。
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里山の春が視野いっぱいに匂うよう。
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神木地区へはこの道路から再度登り返すことに。
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田んぼのあぜ道に春が見え隠れする。そこに映った空の色に。
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崩れかけた石積みと梅の木、そして谷川。これが阿川梅の里の絵かも。
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posted by 平井 吉信 at 22:46| Comment(0) | 徳島
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