浜松町界隈で会議を終えたあと、
懇親会に参加して翌朝帰ることになった。
そのまま空港へ行くつもりだったけど、
わずかな時間を見つけて
品川駅から10月に開設されたばかりのニコンミュージアムへ。
京急で羽田空港へ行けることがわかったから。
ニコンといえば、ニコンF。
これに標準レンズNIKKOR50oF2を付けて
星夜写真を撮影していた人がいた。
知人の新聞記者がF3をいつも持っていた。
ジウジアーロが手がけたデザインで
精悍でかっこよく、
このカメラでバリ島を写して
土門拳賞を取った人の写真集なども求めたことがあった。
(「バリ超夢幻界」)
川が好きな友人の写真家はF4を使っていた。
かくもニコンに憧れながら
ニコンの一眼レフは一度も使ったことがなかった。
ミノルタのX700の自由な風が気に入っていたから。
明るく高倍率のファインダーで光と影を見ていたから。
このカメラで縄文を求めて青森へ、
民話を求めて岩手へ、
もののけの屋久島の森へ、
西表のマングローブに、
地球の裏側の広い海を求めて南太平洋へと旅に出た。
そんなこんなでAF時代にはカメラを買うことはなく
ミノルタで約20年通していた(いまも極上の現役)。
ようやくニコンを買えたのは
デジカメ時代になってから(D50)。
600万画素のバランスの取れた機種で
いまでも姪が使っている。
次に購入したのがD7000。
次々と新型機が出て
D7000のようなAPS-C・16メガ機は見えなくなった。
このところ、ニコンは元気がない。
買いたいと思える機種が見当たらない。
用途によるが、画像処理エンジンの世代も加味すると
D810、D750、D7200の三択ではないだろうか。
このなかでD750はもっともバランスが取れた買い得機のように見えて
実はシャッターショック(ミラーショック)が大きいという致命的な欠点がある。
実物に触れたときに、三脚とミラーアップ前提のカメラと判断した。
D810には不満がないが、
データ容量が大きい、カメラも重いなど、山野を駆け巡るには不向き。
となると、消去法でDXフォーマットのD7200となるが、
高画素機を使いたくないこと、ローアングルへの対応、肩液晶の表示の少なさがネックとなっている。
ニコンは、解像度を上げるためには高画素化よりも
シャッターメカニズムの洗練を行っていくことが先決。
そして質実剛健ななかに、使用感というか官能的な感触を向上させて欲しい。
DXフォーマットの広角レンズの充実も望みたい(例えば、DX16oF2など)。
そんなことを思いつつ、ミュージアムを訪れた。
品川駅からの回廊は朝の光に包まれている。

ニコンミュージアムは品川駅からすぐのところにあった。
著作権の関係で動画は撮影不可だが、展示物の写真は構わない。



真っ先に行ったのは銀塩時代の一眼レフ。
なかでもFE2はとても実用的で良いと思ってX700と最後まで迷った。
でも、ミノルタの醸し出す自由で南洋的なテイストが優ったのだ。
(これには地元出身の「楽園」写真家の幻影もある)

ニコンF

ニコンF3

ニコンFE2

黒く落ちた館内で立体感を演出する光に浸る。
そろそろ京急に乗らなければと後にした。
日本の写真機をあたためつつ
羽田空港から南ウイングで徳島に向かう飛行機の機内から
大地に鎮座する富士がまぶしく見えた。
(富士フイルム X20にて)

三原山と噴火口

雲を見ていると飽きない



高い空から地上を見ていると
日本や地球が恋しくなった。
そこで地図帳を買った。
国の名称は変わったけれど
気象や産業なども見ることができる。
買って良かった。
新詳高等地図 (Teikoku’s Atlas)