2015年11月09日

わたつみの豊旗雲 幡多の国 


一晩中走って明け方を迎える頃、
海沿いの国道56号線に出る。
四万十川まであと少し。
ようやくここまで来た。
先に広瀬の河原で待っている仲間たちを追って
四万十川を遡ろうとしている。
カセットのビーチボーイズを巻き戻した。

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あれからときは流れて、仕事でやってきた幡多の国。
どんよりと立ちこめる雲。
高知県西部の太平洋は水平線を惜しみなく見せて
鉛色に沈み込む。
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大方の海で波乗りを見た。
人と違う生き方をマイペースとはいうけれど、
視点を変えれば生きる焦りにつながる。
でも、パドルを漕ぎだして別世界にいるときは別だ。
この波を逃すと次はない―。
そんな思いで波を待っている。
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白浜でわずかに日が射した。
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海の色が空を映すとたちまち翡翠が現れる。
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土佐佐賀の海を見下ろす展望台から公園へと歩く。
女郎蜘蛛の生息密度が濃い。
まるで銀河のようだ。
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この個体は、横から見て立体的に位置する造形感覚。
自らの巣から浮かせることで軽やかな印象を残す。
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海に突き出したこの展望台。
フジのクラシッククロームが捉える。
この雲と空はあの頃を思い出せる。
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広瀬の河原を泳いで渡っていく。
テントを張った河原は浅いが、
対岸の岩をめざす。
流心から水衝部の岩へと水流の混ぜ込みに
気にすることなく、逆らうことなく身体をしなやかに預ける。
アユになった気分。
岩に着いたら、陸の河童となって飛び込むのだ。

水難事故があると遊泳禁止にする。
お気の毒とは思うけど、
川をもっと知っていれば、
小さい頃から身体で流れを覚えて入ればと。
(そういうぼくも川で叔父をなくしているけれど)

悲しいかな、それも人生なのだけれど、
不思議なのは、原発事故があっても原発を稼働し続けること。
(それを人生とは言わない)

海も川も変わることなく
水と光を降り注いでいる。
これからも。
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公園の遊具にひかれる。
この配色、この造形、おもしろい。
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水車亭を過ぎて、
四万十の米豚と仁井田米という贅沢を見せるのは
あぐり窪川のレストラン。
(米豚の甘みを活かす調理はなかなか難しそうだ)
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(続く




posted by 平井 吉信 at 23:20| Comment(0) | まちめぐり
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