2015年04月19日

山釣りの沢、記憶をたどる水辺に春の宴


山釣りは、渓流や沢を遡行しつつ釣りをすること。
いまは亡きあの人が友釣りとともに楽しみにしていたもの。

目当ての沢に降りるために高巻きをしたり、
ときにロープを使うなどして林道から降りる経路を探りつつ
岩や樹木にしがみつきながら上り下りすることもある。
釣りというよりはルート探索と渓相の観察をしながら
山を踏んでいく。それが愉しみでもあり。

だから渓流釣りでは、
ちょっした擦り傷や打撲は日常茶飯事。
アメゴが釣れればいいが、釣れなければ山菜でも採って帰るか。

海部川、那賀川、勝浦川の上流、源流がこれまでのぼくの行き先。
最初に行ったのは勝浦川の源流だった。2市2町を流れるこの川の
源流がひとまたぎできる流れを見たときの驚きは忘れない。

川が中流に差し掛かると
河原が広がって川の匂いがたまらない。
川が流れていくのを
ぼうと眺める。
炎や水はとどまることがない。
それでいて、全体としてはひとつの生命体のようでもある。

ぼくの川好きは小学校の頃に始まっている。
地図を片手にまだ見ぬ川の様相にときめく小学生。
それから国土地理院の地図を集め始め、
今度は自分の理想とするまちを地図に描いてみる。

ここに海があり、川が流れ込む砂浜があり
自然の地形を利用した自然度の高い港を持ち、
川はこのあたりで平野がなくなって穿入蛇行をして、
水当たり(水衝部)から下流に向けて用水を引く。
鉄道は沿岸都市部とつなぎつつも、
上流の集落とは道路や公共交通で結節して…。
小学生にしてはマニアックな子どもだったと思う。
(いまもそうかも)

後にパソコンで地形を楽しめるソフト「カシミール3D」と出会い、
開発された方からいただいたご連絡が縁となって
宍喰にお住まいになっている。
(「人生の楽園」に出演されてもおかしくないのである)

ところが、仕事が増えてくると
山釣りに行く時間が取れなくなった。
もう、どのぐらい通っていない?
第十堰の頃からか?
(釣り三昧の人生が待っているはずだったのに。…私ではない)

那賀川は奥へ行くほど川の懐が深くなる。
支流は、赤松川、古屋谷川、蝉谷、海川、折宇谷、栃谷、久井谷、
本流筋からは南川(みながわ)、そこからさらに湯桶谷などの支流に分かれる。
北川は、高の瀬峡に通じて千本谷などに分かれつつ剣山山系に源を発する。
最大の支流、坂州木頭川は、大美谷、沢谷、にくぶち谷、
やがて本流筋の槍戸川はこれまた剣山をめざす。

名前のある谷もない谷も含めて奥へ行くほど広がる流域は、
かつて林業で栄えた山の集落。
ダムのなかった時代は、木頭でカワマス(サツキマスだろう)が釣れたと
地元ご出身で徳島市南部にお住まいの玄さんは語ってくれた。
ひとつの谷に入山するのも怖いほどの深い森に包まれ
大台ヶ原と並んで全国有数の多雨地域が恵みをもたらした。
この谷を1頁ずつ繙いていくだけでも人生は充実したものになる。
(残念ながらそんな時間はまったく取れないけれど)

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春の陽射しを受けてきらめく水面、
ネコヤナギなどの水辺の樹木、
足元の山菜などを愛でつつ
釣り歩く楽しさは何ものにも換えがたい。

朝まづめが基本だから朝が早いのが釣り。
でもきょうは久しぶりに沢を歩いてみようと思った。
(どこに行くかは運転しながら決めよう。いずれにせよ県南ということで)

中流域でクルマを停めてみた。
紫の花の群れが目に飛び込んできたから。
田んぼの畦に咲いているサギゴケの仲間のようだ。
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もっと近くで見ようと近づくと、カラスヘビが昼寝中。
シマヘビかヤマカガシの黒化型と見た。
(もうそんな時季?)
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山に入った。
歩き始めると春の山菜や山野草がちらほら。
盛りを過ぎてなお若葉と競う山桜。
幾重にも衣を重ねるがごとく、
さらにさらに光が回り込む。
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春の野に咲く小さなリンドウ(フデリンドウか?)
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名前がわからないけれど、スミレの仲間が次々と現れる。
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単なるスミレでなく白にインクを何色もこぼしたように。
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のどかな陽射しであっても陽光を浴びれば暑いぐらい。
小学生の頃、大物を釣り上げて魚拓に取ったことを思い出しながら
時間の経つのを忘れて半日歩いた。

岩場に咲く可憐な花をモモイロイワバソウと名付けてみる。
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(ここまでがD7000+AF-S Micro 60mm f/2.8G、AF-S NIKKOR 70-200mm f/4G ED VR)
(ここからが、X-E2+XF14mmF2.8 R、XF35mmF1.4 R、XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS)
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小さくても明日を見ている
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急な斜面や崖に咲いていたので3点支持で撮影。
「撮れた!」
でも、この撮影後に沢に滑り落ちた。
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多少のどっきりもあるけれど、それはそれでOK。

きょうは沢と沢筋の山野草に遊んでもらった。
それが南四国の普段のくらし。
(でも、仕事はやるよ)
また、あした。

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posted by 平井 吉信 at 22:10| Comment(0) | 山、川、海、山野草
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