2015年03月14日

文明の始まりは麦酒の始まり 竹鶴12年から17年へ 

人が小さな集団で生きていた頃から、
部族間で争いが起こると解決の手段(和解)を求めて宴がひらかれた。
同じ席で飲食をともにして
過ちを犯さないよう互いの絆を深めていく。
その席では、大麦を発酵させた太古の麦酒がふるまわれたという。
(最初の麦酒は何かの偶然で発見されたのだろう)

あれから数千年、
太古の麦酒の子孫ともいうべきウイスキーがつくられている。

ぼくは酒飲みではない。
(ウイスキーなら数年かけて1本空けるぐらい)
おいしい酒を少量味わうことが好きなので
ウイスキーも手が届く範囲で10数年をかけて揃えてみた。
親父は髭のブラックニッカばかりであったが、
ぼくは好奇心で同じウイスキーを2回買うことは稀。

ニッカでは、オールモルトをよく買っていた。
サントリーでは、山崎12年を3本買った。これはいい。
外国では、ジャック・ダニエル、ジョニーウォーカー 黒、
マッカラン12年、グレンフィディック12年、オールドパーなど。

西暦2千年、ニッカから竹鶴12年ピュアモルトというウイスキーが発売された。
口のなかをなめらかに伝い、ほのかな蜜の味とともに
うまみが濃く回されていく。
宮城峡の華やかさを基本に余市のコクが顔を出す。
おそらくはウイスキーが売れない時代に
贅沢なモルトが選ばれて合わさったのではと想像。
これがぼくがもっとも好きな銘柄だったけど
このところのウイスキーブームで原酒が足りなくなったためか
竹鶴12年は廃番となった。

手元には、竹鶴、竹鶴12年、竹鶴17年がある。
竹鶴12年に代わって発売された竹鶴(無印)は
アルコールが残る後味で手が伸びない。
(竹鶴の名称を付けないほうが良かったのでは?)
竹鶴17年は12年をさらに濃厚にしたような感触だが
何度も飲んでなじんだ12年が好み。
フロム・ザ・バレルなども手に入りにくくなった。

ブレンダーの技と意思が
1つとして同じ風味のない樽から交響曲を奏でる。
だから、同じ銘柄でも買う度に風味がわずかに違う。
ウイスキーは生き物だからそれでいい。
この次の竹鶴17年はどんな表情を見せるだろう。
(余市の熟成ものにはまだ手を出せていない)

深夜、音楽を聴きながら
竹鶴17年をワイングラスに入れて
香りをかざしつつ
時間をかけてそのままで味わう。

舌の上を転がす時間は短いけれど
麦の熟成にも似て、思いは走馬燈のようにかけめぐる。

浄水器でろ過したミネラルの多い水を一滴一滴足していくと
そのままでは気付かなかった別の表情が出てくる。
あるいは、そのままを、追い水と交互に飲むことも多い。
香りとともに竹鶴17年の扉が開き
舌触りで幸福感のスイッチが入り
水で伸ばされて現れる素顔を発見していく。

良い音楽と良いウイスキーだけで人生は語れないけれど
生きる時間を楽しみなさい、と教えてくれる。




【3/23追記】
アサヒビールのプレスリリースから引用
https://www.asahibeer.co.jp/news/2015/0320.html
 ニッカウヰスキー株式会社(本社 東京、社長 中川圭一)が製造する『竹鶴17年ピュアモルト』は、ウイスキーの国際的コンテスト「ワールド・ウイスキー・アワード2015」(WWA)において、「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキー」を受賞し、“世界最高賞”のブレンデッドモルトウイスキー(ピュアモルトウイスキー)として認定されました。
 『竹鶴17年ピュアモルト』が世界最高賞を受賞するのは、2012年、2014年に続き今回で3回目となります。
 また、『竹鶴21年ピュアモルト』が07年、09年、10年、11年にワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキーを4回受賞していることから、「竹鶴」ブランドとしては今回で7回目の受賞となります。1ブランドが7回世界最高賞を受賞するのは、WWA史上初となります。

 『竹鶴17年ピュアモルト』は、“日本のウイスキーの父”と呼ばれるニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝の名を冠したピュアモルトウイスキーです。深みのある香りで、凛としたボディ感と爽やかな余韻が特徴で、様々なタイプの原酒をバランスよく組みあわせ、長期熟成することで生まれるリッチな樽熟成香と長く持続する豊かで重厚感あふれる味わいが楽しめます。

 『竹鶴17年ピュアモルト』の評価のポイントはバランスのとれた味わいで、審査員からは「スモーキーでありながら甘みを感じさせるバランスのとれた味わいが絶妙である」といったコメントがありました。


タグ:音楽
posted by 平井 吉信 at 12:34| Comment(0) | 生きる
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