2015年03月01日

漁村集落・元根井から奥小神子へ


小松島港の北防波堤に守られた漁村集落を元根井(もとねい)という。
集落は車が入れないような路地を縫うように民家が軒を並べ
住宅と隣接するように山の裾野には集落の墓地が広がっている。
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そして、集落を見守る高台には沖神社があり、そこからは眼前に造船所がある。
沖神社からさらに上には灯台がある。

この灯台をめざして集落の間から散策路がある。
入口でおじいさんが水を持ったバケツを準備していた。
あいさつをして通り過ぎたが、
灯台までの山道に点在する石仏に水をお供えされるのではないのだろうか。
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灯台が目の前に見える頃、振り返ると元根井の集落が見える。
家々は夕方の鈍い光をたたえ、海面は静かな鏡となっている。
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この元根井を越えて峠を下ると
小神子(こみこ)という不思議な地名の集落がある。
小神子周辺は別荘や静かなたたずまいが好きな人が住まいとしている。
リゾートでも漁村でもない海辺の落ち着いた集落である。
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小神子を右に眺めつつ、日峰山の尾根を西へ向かうと
分岐が見えてくる。
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この分岐を降りると海に近づくけれどもやがて反転して
ほぼ元の場所に戻る1周の散策路がある。
足の運びが軽い人なら20分ぐらいの周回である。
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この小径を百メートルぐらい降りると再び尾根へ反転する鞍部がある。
ちょうどその辺りを沢が流れている。
海まであとわずか。
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20年ほど前はこの小径はなく
小神子から踏み跡の少ないトラバース道をたどって
ここに到達したことがあった。
途中には人家の痕跡もあったから人が住んでいたのだろう。
小神子から接近も容易でない道程をたどる無人の海岸線を
ぼくは、奥小神子と名付けた。

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沢に遭遇するあたりで潮騒が聞こえる。
海は近いと推察して沢を下っていくと
人の背丈以上の草木が茂る荒れ地と出た。
なんとか進んでみたが、それ以上は進めない。
波打ち際の気配は感じるけれど
海面は見えない。
荒れ地の下は崖になっているかもしれず
無理をせず引き返したのが遠い昔。
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あのときと風景は変わっていないけれど
荒れ地を南に迂回するように山際を歩くと
簡単に渚へ出られた。
荒れ地からは崖とはなっていなかったが
それでも海岸段丘状の高低差は多少ある。

南の小神子へは海伝いへ行けるかもしれないが
あいにく崖が崩れて倒木がふさいでいる。
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渚は南部(小神子側)が岩や礫が目立つが
北部(大神子側)は小さな小石となる。
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北の大神子へは途中まで海沿いに歩き
山中に入るルートがあるのを見つけた。
海岸段丘の上には石積みがあった。
かつての人家、もしくは作業場?
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北部には磯釣りに良さそうな岩場があるが、
ここまで来る釣り人はいない。
水の透明度は高い。
CODも低そうだし、大腸菌群数の測定値が低ければ
環境省の基準でAA類型ではないか。

ハマダイコンが咲いていた。
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そろそろ夕方なので引き返すために沢を登る。
左岸(画面では右側)の踏み跡は
途中で沢に下るのがわずらわしいので沢を歩く。
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帰りはかつて通った小神子へのトラバース道をたどる。
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夏場は快適とは言えないが
草が刈り払われた冬の水平道は快適。
20分ぐらいで小神子集落に下る車道に出た。
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そこから峠を越えて元根井に引き返す。
途中の崖にツヅジが。
夕方の妖しくたたずむ花を撮らせたら
フジの独壇場(色はプロビア)。
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子どもの頃、恐る恐る自転車で下った坂道の途中に
集落の氏神様と思われる沖神社がある。
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名前からして、海の事故からの守護と大漁をお祈りする場所なのだろう。
夕方というのに地元の高齢者が次々と参拝に訪れる。
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朝な夕なに集落を見守っている産土様への自然な感情が習慣になっているのだろう。
沖神社の秋祭りには盛大な花火大会が開かれる。
港祭り(新港)、横須、元根井が競うように花火を打ち上る。
小松島は花火の聖地でもある。
(自宅から眺められるけれど、耳が良すぎるのが災いしてか花火の音が苦手で当日は家に籠もっている。音の小さな花火を開発してもらえるといいのだが)
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地方都市の片隅で息づく漁村集落の日常に触れつつ
ちょっとしたミステリーにしばし浸った。
今年もなんとか怒濤の年度末を乗り越えて春を迎えるのだろう。
posted by 平井 吉信 at 16:53| Comment(0) | 山、川、海、山野草
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