事業仕分けが行われたとき、その事業は是か非かで仕訳が行われた。
問題は事業そのものではなく、その運用ではないかと考えている。
政権が変わると予算の配分が変わり、選択と集中が行われる。
年金記録のチェックをしよう、
中小企業の支援を行う拠点をつくろう、
日本人が危険にさらされたとき救助すべきだ―。
そのこと自体は誰も異論はない。
問題は、それをどのように行うか。
多額の費用をかけて成果が得られなかったとしたら―。
政策が目的とする支援対象者に届けられず、元締めが潤うとしたら―。
請け負った事業者が現政権に関係がある、かつて政権にいた者だとしたら―。
軍需産業や憲法改正、自衛隊派遣の口実になるものとしたら―。
大義名分がパフォーマンスとなって
国民の目を欺きつつ特定の誰かが利得して
それが環流する政官財の癒着が見えてくる。
それなのに、
まじめにこつこつ執行されている大多数の事業が減額されていく。
(事業仕分ではやぶさ関連の予算が削減されたと聴いて驚いた。一律にばらまいたところで国の未来はつくれない。日本の強みを伸ばす予算は削減してはならない)
消費税を増税して景気が減速すると
またもばらまきが行われる。
それらは一時的なもので財政を悪化(=未来から借金)させるだけ。
(もし増税をするのなら、財政はむしろ引き締めなければ)。
この国には問題が山積している。
けれど根源をたどっていくと2つか3つの課題に帰結するように思える。
・少子高齢化 → 人口減少と生産活動の衰退。
→ 各産業で構造的な人手不足
→ 世代間の不公平感 → 晩婚化で少子化が加速
・中央集権 → 利権の温床と補助金依存の構造
→ 地域や国民の自立の機会の喪失
・格差が広がる社会 → 貧困層の増大
→ 教育の機会均等の喪失
→ 持たない者の健康や食生活が脅かされる
日本はすでに負の循環に入っている。
これらの課題にただちに着手しなければ、この国はどうなるのか?
あるべき姿は、日本の強み(クールジャパン)を伸ばすこと。
・最低限の公助(財政規模に合った身の丈の小さな政府)を基本に、共助、自助を中心とした地域社会をつくる。
・格差の是正をうながす(税制措置として消費税のわずかな増税、資産課税や累進課税の強化、法人税は軽減しない→ すぐれた経営者は法人税率など問題にしない)
・世代間の格差の是正
・食糧の自給に向けて産業政策
・製造業の国内での拠点回帰、ものづくりの楽しさの啓発
・外国人労働者の受け容れ緩和
・近隣諸国を最重点に、いかなるイデオロギーとも対立しないで日本のすぐれた価値観(クールジャパン)を啓発する真の意味での平和国家。
・観光の本質を磨く(といっても国は何もしなくていい。日本の文化やおもてなしに憧れて外国から来るのは口コミが原動力なっていて政策などではないのだから)
もはや政党政治は機能していないし、
良識ある政治家が引退したり、落選することが少なくなく(=有権者に見る目がない)
政治には期待はしない。
(だからといって無関心はもっといけない)
その代わり、国から地方に至るまで議員を廃止し
特定のテーマ毎に専門的知見と現場感覚を持つ人を集めて
権限を持たせ(これまでの行政主導の委員会ではなく)
公開で議論を行い
その成果を踏まえて行政が執行していくのがよいのではないか。
(議員報酬の代わりに費用弁償程度を支給)
報道でさえ本質を伝えなくなっている。
気骨のある政治家、ジャーナリストがこの世を去ったり高齢化している。
NHKを筆頭にマスコミが権力に屈している。
何が正しいかそうではないかという基準はあくまで相対的なもの。
現実の世界(社会)は矛盾だらけ。
それがあたりまえ。
社会が矛盾に充ちていて、この世界が理想郷でない以上、
矛盾を矛盾として抱えたまま、顕在化させずに生きていくことはできる。
それが、人生であり、経営(マネジメント)であり、国家の舵取り。
大切なのは「どのように」行うか。
追記
数年前、ある政治家が公費である島を購入しようと計画を企てたことがきっかけとなって
近隣国と関係が劇的に悪化し、双方の国に精神的物理的な損失をもたらした。
「正しさ」を振りかざして国益を損ねた。
国内外で多くの犠牲者を巻き込んだ
70年前のできごとから何も学ぼうとしていない。
(イスト、イズムを越えたところに日本ならではの花が咲いている)
何が正しいかではなく、それがどのような影響を及ぼすかに思いを馳せること。
なにかに取り憑かれたように周囲が見えていないのではないか。
経済とて時代錯誤だ。
ピケティーの著書を読むまでもなく
戦後のある時期だけに発現した現象を
人口減少の低成長期のいまに処方しようとしている。
滴はしたたり落ちたりしない。
なぜなら泉が沸き上がってこないのだから。
このような時代には格差を是正する方向でなければならない。
この国の行く末に対して処方箋が見当たらない。
「おめでとう」と愛でる気分にはなれそうもないので
年賀状は数年前から筆が止まっている。
どのような国にしたいかを一人ひとりが課題として受け止めて
よく考え、自ら実行していくしかない。
一人ひとりにできることを地道に―。
宮沢賢治もあのケンジさんもそう信じていたはず。
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東京出張の帰りの飛行機から見えた富士山

東京駅 丸の内側

併設されている水族館にふらりと

光のプロムナード



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