2015年01月08日

冬の「天涯の花」しずかに

いまは冬の四国だけれど
夏の剣山に思いをはせている。

天涯の花―。
宮尾登美子さんが1996年8月から1997年2月まで
徳島新聞に綴った連載小説。
その後、舞台やドラマでも上演された。

人のつながりのみならず、
人と風土のつながりをつむぐ文章は
天涯の花、仁淀川など四国そのもので
凛とした光の柱が立っているのを感じた。

そして、昨年末に天璋院篤姫のように旅立たれた。

2012年から2014年の夏の剣山で撮影した
キレンゲショウマを捧げたい。

森に包まれてふくらむつぼみ
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仲間から離れてぽつんと咲いている
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月の妖精のような花。
それぞれ自分の見せ方を知っている
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谷間にうつむいているだけでなく、光のかけらを投げかけているような
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キレンゲショウマ・パルマータ。涙をためた珠子のように露をやどす
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季節は夏 虫たちが忙しい
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華やかな森の精 早朝は霧に包まれるはず
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日陰の花ではなく、陽光を求めてすくっと立ち上がる。
キレンゲショウマは月光と太陽の両方を味方にしているのだ。
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あたり一面に広がる光景は夏の剣山の風物詩
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冬の剣山の銀世界を思いつつ
険しい沢沿いの斜面にひろがる
黄色の桃源郷を待っている。

何度も読み返した「天涯の花 」(集英社文庫)

特に感銘を受けた「天璋院篤姫」(上) (講談社文庫)

同じく「天璋院篤姫(下) 」(講談社文庫)



追記

つるぎ町役場の篠原さんは
東京の宮尾さんのご自宅まで
何度か地元の特産品の干し柿を持参されたという。
人のつながりから地域も仕事も動いていく。



posted by 平井 吉信 at 11:48| Comment(0) | 生きる
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