2014年08月23日

横瀬立川 恐竜のいる渓谷に涼しい目


勝浦川が横瀬で向きを変えて上勝へと向かう辺りを
横瀬立川という。

地元の人は横瀬立川のアユは日本一と自慢していたと聞いた。
「日本一のアユ」は確かにご当地自慢でどこの川にもあるもの。
日本一かどうかは別にしておいしいアユが採れたのは事実だが、
それも上流に正木ダムができるまでの話。

ダムができて洪水調節により下流は大水に見舞われにくくなった。
そのことが河原に多くの植物が生えることとなった。
一見自然度が高くなったように見えるが
河原の生態系は変わってしまうばかりか
洪水時に流れにくくなる(粗度係数 が高くなる)。
ダムによって水質及び流量が減少したことが大きい。

小学校の頃、父に連れていってもらった横瀬立川では
勝浦川の水は対岸まで見通せるほど澄み切り
(飲めるのではないかと思った)
深山幽谷に猿の叫び声を聞きながら
冷たい水で唇を紫にしながら早い流れに逆らって泳いだ。
あの横瀬立川。
なぜか、あの頃をふと思い出して出かけた昼下がり。

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台風の影響で水量は多く濁り気味であったが
勝浦川の上流から中流へ遷移する人里離れた渓谷地形は
往時の風情をとどめている。

そして南岸の途は支流の立川(たづかわ)へと分け入っていく。
ほどなく進むと、巨大な動物が立ちすくんでいるのが見えた。

怖い物見たさの好奇心は子どもの頃から。
車を遠くに止めて気配を消しておそるおそる進んでいく。
いた!
正面にすばやく回り込んで写真を撮影。
気付かれたようだ。
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思い出した。
この辺りでは1994年に
白亜紀前期に属するイグアノドンの歯の化石が発見されている。
その他古生代の化石が産出することで知られ
マニアが発掘に訪れている化石の聖地でもある。
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その生き残りがいたのだ。
これはスクープだ。
恐怖を忘れてすばやく撮影して車に戻る。

恐竜を祀った神社もある。
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次に出くわしたのはイナゴだ。
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立川渓谷の沢と本流が合流する地点はなんだか涼しげ。
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道ばたの山野草にも目が留まる。
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小さな潜水橋には流木がかかっている。
そこを渡ると民家がある。
訪れた人に幸福をもたらすという
遠野物語のマヨヒガとはこのような家ではないか。
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(ここまでX-E2+XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS、XF14mmF2.8 R)

しその仲間の小さな山野草を
フジX20は近寄っていとも簡単に撮影してしまう。
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立川はいよいよ深く分け入っていく。
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水のしたたる崖には沢の宝石とも呼ばれる
イワタバコが群生。
宇宙に浮かぶ涼しい一つ目のようだ。
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(ここまでX-E2)
(ここからD7000+AF-S 70-200mm f/4G ED VR)
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せみしぐれ 立川は遠くなりにけり―。



恐竜の里をはじめ、勝浦町の観光資源
http://www.town.katsuura.lg.jp/docs/2010112900011/
観光マップ
http://www.town.katsuura.lg.jp/docs/2010111700698/files/kankou_map.pdf
posted by 平井 吉信 at 14:23| Comment(0) | 徳島
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