2014年08月16日

台風に負けず キレンゲショウマ、剣山(2014.8.14)


今年は開花が遅れていると聞いていた。
(8月4日に初めて咲いたとか)。
そして上旬は大雨と台風で埋め尽くされた。
それでも一宇ルートは寸断されず通行可能とのこと。
だから4時半に起きて出かけた。
(睡眠時間3時間)

8時40分、見ノ越から上がっていく。
森を見たいからリフトではなく歩いて行く。

ナンゴククガイソウとツルギハナウドの花畑を通過し
尾根に乗るとほどなく北面の谷へと降りていく。
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ツルギハナウドの花弁のかたち
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どこでも一斉に開花しているシコクフウロ。
この花は一輪ずつかたちや色が違う。
どこを見てもシコクフウロの当たり年。
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寄り添う双子のシコクフウロを見つけた。
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不可思議な幾何学模様というかフラクタルな造形というか。
それが2輪になって醸し出す美術作品にも似て。
(駆け足の登山では気づけないけれど)

カニコウモリの群落
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淡い青紫のソバナ。今年は少なめの年。
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シコクフウロの花びらのかたち、色は少しずつ異なる
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ヒメフウロを普通に撮影しても目立たない。
こんなときはX20で(後半に掲載)。
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白いソバナ
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鹿よけの階段を伝って
キレンゲショウマの谷へ降りていく
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登山道が沢を横切るあたりで野鳥が遊ぶ。
距離約2メートルだが逃げない。
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霧がかる崖。こんな場所に修験の場とキレンゲショウマの谷がある。
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ヤマアジサイが浮かび上がる
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今年初のキレンゲショウマ
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穴吹川の源流
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この沢沿いの崖にもキレンゲショウマは咲く(画面真ん中右寄り)
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ホラ貝とともに般若心経が聞こえてきた。修験道の途でもあるので。
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上りの自生場所へ
キツリフネとともに黄色の競演
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雨で傷んだ花も少なくなかったが拡大に耐える花もある
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森のキレンゲショウマ。この風景が見たくてやってきた
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つぼみも少なくない。
今年なら盆明けしばらくまで見頃が続くのでは。
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キレンゲショウマは晴天よりも小雨がいい。
それに霧が出てくるとなおいい。
露を宿す
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ヒマワリ畑のような黄色の宴
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刀掛の松に戻り
山頂をめざさず大剣神社へと西へ平行移動。
天候は曇りときどき晴れたまに小雨
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途中の森の散策でひとに出会ったことがない。
剣山の穴場の小径でふと立ち止まった。
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ここでもシコクフウロ
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お上品なお嬢様。これだけかたちが違うとおやっと思ってしまう。
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大剣神社の名水は、
石灰岩質をくぐり抜けて湧き出す。
ミネラル豊富で数ヶ月経っても腐らない。
土地の力がみなぎる場所だから。
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気の早いトリカブト(シコクブシ?)
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名水を下って東へのトラバースで西島へ戻る途。
白骨樹と石灰岩質と横切る沢で剣山の別の表情を見せる
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モミジハグマ
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山を駆け足で飛ばす人もいれば、立ち止まりつつ歩む人もいる。
どちらも楽しい。
けれど、山の宝物を見つけるわくわく感はなにものにも代えがたい。
倒木の苔にもいのちの躍動があり、
それが別の生命に精気を与えることも。
だからゆっくりと。
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この雨で崩壊したと思われる箇所。臨時の迂回ルートもある。
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今回は雷雨を予想していたので
装備を減らしてジッツオの三脚もマイクロニッコールも置いてきた。
だからすべて手持ち。
接近戦(マクロ域)で
シコクフウロで写りが良かったのは
センサーの小さなX20。
センサーが大きく
良いレンズを装着しているD7000やX-E2と比べても
解像度、コントラスト、鮮鋭度で優る。
手持ちで被写体にかざしてシャッターを押すだけ。
一眼レフやミラーレスが届かないところでも撮影できる。
ミラーショックがない、1pの距離で広角マクロができることから
山野草の撮影に向いている。
フジフイルムX20という小さなカメラで撮影してみた。
(ここからX20)
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白いシコクフウロは清楚で透きとおるほど。
見る人にささなやかな歓びを与えてくれる。
(これもシコクフウロなのだ)
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タカネオトギリも剣山で顕著な山野草
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ヒメフウロも日本では剣山が代表的な生息地
今年は当たり年のよう
見逃しそうな、踏みつぶしそうな
小さな花に思いをはせる。
可憐で見飽きることがない
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花の直前2〜3センチのところで
わくわくしつつも息を止めてシャッターを静かに押すだけ。
小さな苔もコケティッシュな花もいつまでもそのままで持ち帰ることができる
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(X20はここまで)。
技術的には広角マクロと深い被写界深度、
専用レンズと一体となった設計、
ぶれにくいシャッターの構造が
誰でもこのような撮影を可能にしている。
しかしX20は生産中止となったらしい。
わざわざ買い直す必要はないが
いい色で山野草を近寄って撮りたい人、
風景と人をバランスよく収めたい人には向いている。
デザインがレトロなのも好きな人にはたまらない。
(その場合は色はシルバーで)
FUJIFILM X20B ブラック

→ キレンゲショウマ 2012年8月9日

→ キレンゲショウマ 2013年8月4日

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【番外編 貞光川を下る】

キレンゲショウマは咲いていた。
キレンゲショウマのつぼみは堅いので
風雨にさらされても持ちこたえることができたのだろう。
わざわざ遠方から見に来られても
この台風で見ることができなかった人も少なくない。
実物をごらんいただくのが最善としても
せめて写真だけでもとルート順に並べてみた。

満足しつつ貞光川を下っていく。
やはり土釜(どがま)と鳴滝(なるたき)は見ておきたい。
カメラは手持ちに強いX-E2+XF14mmF2.8 R、XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS

貞光川上流部
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貞光川の水が画面左下の奈落に吸い込まれていく。
その先には…。
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土釜(どがま)
貞光川中流で狭い岩をくぐると、
釜のようにえぐられた3つの淵と激流が涼感を呼ぶ。
土釜は、観光客の評価が高い隠れた名所。
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鳴滝は貞光川支流にある落差85メートルの三段滝。
土釜からも歩いていける距離にある。
本流沿いからも豪快な滝が見られる。
その真下に行ってみた。駐車場もある。

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流しそうめんのような涼感。ご当地は半田素麺の産地でもある。
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おすすめはここ
http://www.hondamen.jp/index2.html
麺づくりに真摯に取り組む親子の手延べ麺。
そうめん以外に麺としての可能性を感じる。
甘みとのど越しがなめらかで稲庭にも負けていない。

XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS 18mm F22 手持ち1/10秒
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深淵に向かって花ひらくイワタバコが妖艶にうつむく
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ニコンD7000+AF-S 70-200mm f/4G ED VR
(今回はニコンは望遠ズーム1本のみ)
フジX-E2+XF14mmF2.8 R、XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS、XF35mmF1.4 R
フジX20
posted by 平井 吉信 at 16:14| Comment(0) | 山、川、海、山野草
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