2025年01月25日

早送りしないで海を見ながら過ごす(千羽海崖)


千羽海崖の散策路は四国のみちとなっている。日和佐城を拠点として北の大浜海岸から視界が南東(太平洋)へと移ると、やがて千羽富士(129メートル)〜千羽海崖〜千羽ヶ岳(245メートル)、さらには南阿波サンラインを見下ろしつつ、山河内駅に至る。冬のおだやかな日射しを浴びるには良いところ

日和佐城を出てほどなく大浜海岸が見える
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ホテル白い灯台が海岸に白い影を映す
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海を航行する漁船や渡船を見ながら水平線がひらける
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海岸性照葉樹の森の散策
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日和佐港の出口にある灯台
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休憩所(展望台)が随所にある
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日常はざわざわと心のノイズが音を立てるが、こんな場所では海からの風に吹かれて頭を空っぽにする(できる)
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ときどきトレイルランにも使われているようだ
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この寒空でシハイスミレを見つけたうれしさ
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ただ時間が過ぎていくけれど、ときを止めようとする心の動き。時間を過ごすとは、見返り(タイムパフォーマンス)を求めない―その満ち足りたこと。
休みの日は、早送りの人生にないものを見つける生き方をしてみる(どうせなら日々の暮らしも)。いかがですか
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( この写真はスマートフォンでは映らないだろうな。なぜ、高いスマートフォンでも 時間が切り離されたような広がりの乏しい絵になってしまうのだろうな)
タグ:千羽海崖
posted by 平井 吉信 at 22:08| Comment(0) | 山、川、海、山野草

昼も夜もPolaroid Loveres(Sarah Jarosz)


県西部でのセミナー(参加者がとても感じの良い方々であった)の開催で向かう道中で、ひたすら聴いていた音楽は、Sarah Jarosz(サラ・ジャロウズ)の新作「Polaroid Lovers」 。世の中に溢れている音楽と似ているようで、まったく違う魅力を感じるのは彼女の声のせい。自作の楽曲も佳い(このアルバムではかつては苦手だった共作がほとんどで愉しいプロセスであったと動画サイトの後半で語っている)。

YouTubeで前半3曲をスタジオライブで歌っている動画がこれ
https://www.youtube.com/watch?v=PTRNQfESd0k

動画後半のインタビューでは、ブルーグラスやカントリーフォークに分類されることが多い彼女の新作について、「驚く人が多いのでは? 60年代のボブ・ディランがエレキギターを手にしたときのように」とインタビュー者が水を向ける(フォーク信者の観客がディランに向かって「ユダ!(裏切り者)と罵声を投げかけたんだよね。見てないけど)。

サラさんも、自分の音と違う感じ(私も驚いているのニュアンス)と答える。素朴で温もりの人柄から音楽性が漂うが、20代後半でグラミー賞を3度受賞している実力者。ここ数年人気を集めているベッドルームPOP(ClairoやBilllie Irishなど)もいいけど、生演奏の弾む感じは一体感がある。サラさんの声がとてもよい感じ。

2曲目の「When the Lights Go Out」の歌詞(夢のなかで二人はポラロイド写真に写った恋人だった)のPolaroid Loversという言葉が気に入ってタイトルにしたのだけれど、考えてみれば人生の場面はスナップ写真のようなもので、過去や未来を見つめるように楽曲に反映しているということ、過ぎていく一瞬が写真に定着するが、音楽もそんなものという(と言っているように解釈したけれど、歌詞と同様にやや抽象的なのがSarahさんの特徴かも)。

共作によってさまざまな共演者のアイデア(思い)が注入されたのがよかったのかも。21世紀に売れた日本の音楽では作詞がいまひとつと思えるものが多かった。誰が良き協力者がいれば別の伝え方、表し方が可能で、それがさらにその人やその楽曲を活かすのに、と思える場面が多かったので。DTMや配信でなく、誰かとの関わりから音楽が生れていくほうが自分も愉しめるはずなのに。それと、ここ十年ぐらいの日本の楽曲は早口になっているように感じるけど、これもタイパ?のため? 

ぼくはこの音楽に(閉塞感からひらけゆく予兆のような)未来への希望を感じる。Sarahさんの倍音の多い声が小節のように揺らいで(特に抜けるように裏返る瞬間)、それが脳というか身体に浸透していく。車を運転するときも、夜寝るときも「Polaroid Lovers」に浸っている。

Amazonのタイムセールで2096円となっている
Polaroid Lovers/Sarah Jarosz

コロナ下の2020年6月に、前作アルバムをギター1本で歌っている(自宅ライブ?)の映像
https://www.youtube.com/watch?v=i3Z0skP0EeE

posted by 平井 吉信 at 13:16| Comment(0) | 音楽

トマトの季節 節約しつつもおいしさを


農作物全体が値上がりしているが、生産者の手取りは増えていないともいわれる。大好きなトマトも2年前と比べて2〜3割ぐらい高くなった印象があるけど、好きなものはやはり回数を少なくしても買いたい。それでもトマトは値上げ幅がまだ抑えられているように感じるのは、施設園芸で出荷量が多いため(競争原理)ではないかとも考えるけど。

地場の生産者では、あいさい広場に出品する樫山農園の「ももりこ」というトマトを買うことが多い。
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糖度、酸味、旨味が濃縮されている。樫山農園さんへは何度が伺ったが、すべてのハウスの栽培環境を遠隔で監視して事務所からパソコンで制御しており(その事務所もITベンダーのような洗練されている)農業のあるべき姿を先取りしている。このほかには鮎喰川の沖積平野の砂地でつくる鎌田農園さん(徳島市国府町)が水遣りの技術とも相まってすばらしい。県内では水の丸高原産もキョーエイのすきとく市に並ぶときに購入する。こちらは高原トマトである。県外ではハローズで常時並んでいる岡山のサラという農場のミニトマトをよく買っている。

スーパーを回っていて、目に付いたトマトがあったので2袋購入してみた(1袋258円は安い)。トマトはこれからが旬であり、楽しみな季節となってきた。

トマトは何にでも使える。少し鮮度が落ちてくると、カレー、鍋、うどん、ラーメンなどあらゆるものに使う。トマトには旨味成分が豊富なので出汁のような役割を果たすが、酸味を付加することで味の輪郭をつくりたいときに使っている。ホールトマトの缶詰は切らさない(ダイスカットよりもホールが好き。調味料要らずでパスタのソースが簡単にできる。隠し味にウスターソースを使うこともある)。

今回は、特売の全粒粉のマフィン(大手パンメーカー)に、たむらのタマゴの目玉焼き、そして岡山のサラトリオ(198円のレタスの仲間の詰め合わせ。値上がりしていないので使う機会が増えた。生で食べると柔らかくておいしい)を挟むこととした。
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調味料はマヨネーズ少々と、キャンドゥに売られているバルサミコケチャップ(少量で使いやすい)。これと手煎れのコーヒーで良い朝食になる。
posted by 平井 吉信 at 12:19| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2025年01月19日

唱歌のような海 隠れ家のような場所(小神子)


「われは海の子」や「松原遠く消ゆるところ」などの唱歌のような浜辺は太平洋側よりも内湾に面した海浜の印象がある。

徳島市と小松島市の間にはほとんど人が訪れない渚、小神子(こみこ)、越ヶ浜、大神子(おおみこ)と続く。小神子は徳島市でありながら小松島市(小松島港元根井漁港)から山を越えて到達するひそやかなリゾート地。大神子はテニスコート、バーベキュー施設などもある江戸時代からの保養場所で、大勢の人で賑わう収容力がある。越ヶ浜はクルマではたどり着けず日峰山もしくは小神子や大神子から山を上がって森を抜けてようやくたどり着く隠れ渚のような場所。ぼくもたどり着くまでは山中を彷徨ったことがある。詳しくは本ブログの越ヶ浜の項で。

今回は日峰山から小神子へと。日峰山の駐車場へクルマを停めて東の山頂をめざす。この森へと上がる小径はこの散策でもっとも心弾む光景(この3枚はカメラで撮ったそのままだけど、微妙な色彩の移ろいを記録していて原版を見ると吸い込まれそうになる。フジフイルムの魔法だね)
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やがて日峰山の山頂(192メートル)へ到着。西の日の峰神社がある山頂が頂上と思っている人が多いが、実はこちら
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小松島港を中心とした小松島市街地から小松島湾を巻くように、京阪神からの海水浴客で賑わった横須松原、さらには海上自衛隊のある和田の鼻までを一望

192メートル山頂を過ぎると稜線の下りとなる。随所に展望台があり、東端の灯台まで尾根をたどると、元根井漁港へと降りる小径となる
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和田の鼻を遠くに望みつつ、小神子を見下ろす丘の上の施設(かつて喫茶店があり、その後に富士ゼロックスの保養所となっていた場所)
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途中で小神子方面へと北面を降りる小径があり、ほどなく小神子へ続く車道へと出る(左手へ降りていく)
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桃色の実がたわわになっている。マユミの木の実か
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小神子の渚は大神子と違ってクルマの置き場所が少なく、浜へ直接乗り入れる人が多い。正面へ見える海の岩は一本松と通称する。かつて松の木が目印となっていたため。現在では枯死してしまって松はない。一本松は国土地理院の地図では雉子岩と記されている
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冬の澄んだ水、薄雲をほのめかすやわらかな日射しが海をたおやかに見せる。そのおだやかさが心に静かな余韻を残す。浜には焚き火をしながらまどろむ男女、渚の岩をたどる中学生、貝拾いをする家族連れなど思い思いの時間。休日の遅い時間をゆったりと過ごす

帰路は違う小径で日峰山の尾根道へと戻る。ムラサキカタバミの大きな葉に目を留め、民家のサザンカに視線を向ける。山を上がる道からは静かな環境を求める人々の住宅や別荘が見える
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子どもの頃には小神子を見下ろす丘にあった喫茶店に連れて行ってもらい、いただいた紅茶が子ども心にも比類のないおいしさであったことを思い出す。オーナーの方には船で一本松まで連れて行ってもらったこともあった。昭和のできごとである。

(フジX-T5+XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR)
posted by 平井 吉信 at 22:34| Comment(0) | 里海

コロナ以後も使えるCO2センサーの使い方、おすすめ機種など


2020年1月、コロナがちらほらと出始めた中国のレストランでのこと、コロナ感染した人々はエアコンの風の流れに沿っていたことがわかった。そこからリスク要因として手洗い(接触感染)、距離を取る(飛沫感染?)が挙げられたが、換気(空気感染)が重要ではないかと一部の専門家が指摘しはじめた。

素人が考えてもわかることを、WHO、CDCといった専門機関がコロナが空気感染のおそれありと公表するのは数年後の話。WHOでは「空気を介して感染する病原体の用語の定義」について、報告書を公表し、「Airborne transmission/inhalation(空気感染・吸入)」を定義したのは2024年4月のことである(遅い!)。

コロナ初期から厚生労働省の「三密」(わかりやすさがあって合理的とは思うが)だけでは感染が防げないと考えて独自に情報を収集し、数え切れない内外の信頼できると考えられる論文等を読破して自分なりに定義したのが換気の重要性であった。

それからはCO2センサーを片手に、求められれば企業や飲食店などをまわって、構造面や時間帯、集客人数、内部運営でできうることなどを聞き取って換気のしくみを提案したもの。

一般的な事務所や工場ならロスナイなどの全熱交換器の導入(どこに設置すればよいかを外部の環境やダクト長も勘案しつつ設置場所を指定)を行った。コロナが収まって以後も、手間いらずでエネルギーロスのない換気が365日24時間低コストでできるので職場環境が劇的に改善する。具体的には、ビル管理法で定められているCO2濃度1000ppmを越えないようにすることで、仕事中に眠気が来にくくなり、作業性や生産性が向上するというもの。

飲食店なら、業種にもよるが、ウイルスを濾過できるとされる空気清浄機のHEPAフィルターが油煙により数か月で交換しなければならない。そこで機械排気(通常の換気扇)と自然導入(もしくは機械吸気)を併用しつつ、空気の停滞する客席億などに空気清浄機を設置、さらにレンジダクトから遠い客席には全熱交換器(熱交換型機械吸排気)を設置することを提案。
※全熱交換器は迷うことなくロスナイ(三菱)をおすすめ
https://www.mitsubishielectric.co.jp/ldg/ja/air/products/ventilationfan/about/detail_03.html

これらを風量計算をしながら室内の空気圧を調える。例えば、排気ばかりで吸気がない状態だと室内が陰圧となり、ドアを開けてもバタンと閉る。なにより換気扇が音を立ててまわっても少しも排気できていない状態である。コロナ対策ができたので見に来てほしいというスナックを見て、もともと窓のない構造に壁に3連の換気扇を付けていたが、排気と同量の吸気がないと換気はできないことを説明したとき、コロナ感染しないよう集客したかった女性経営者が絶句されたことがある。

導入はさぞや高額になるのかと思いきや、実は大してかからない。むしろ職場環境や客席環境の向上は、病気による離職や顧客の快適性(なんだが空気が良いなという体感できるリピート要因)につながる利点がある。もちろん換気はコロナだけではなく、インフルエンザや風邪にも有効である。

その際のCO2濃度をどの程度に設定するかについて、このブログでも何度も書いてきた。どの専門機関も換気をせよとは啓発していても、どの程度(数値)にすればよいかは書かれていない。日本には一定規模の建物にはビル管理法での1000ppmという基準があるが、この基準を持ってコロナ感染を防ぐということは合理性がない。さまざまな場所で「実際に計測してできうること」と「防ぎうる確率が合理的なこと」を勘案したところ、700〜800ppmが妥当と設定(もちろん低ければ低いほど良い。いまこの原稿を書いているぼくの事務所は520ppmである)。700ppmを実現するためには、1人あたり1時間に50立米の換気を行うことが目安となることもお伝えしておこう。


徳島では待望のとある外食チェーンが数か月前に上陸。連日満員で待ち時間なく入れる曜日や時間帯はないほどの盛況である。このチェーンの実力はその客層が知らないところで高い水準にあるので、徳島になかったときは、わざわざ県外の同チェーンまで出かけていた(もちろん周辺で他の目的とあわせて)。だから真っ先に行きたいのだが、ある日下見に出かけて気付いたのは、CO2濃度が高そうに見えたこと(実際に計測していないがこれまで数百箇所を見て計測した経験から)。狭い空間に密集した客席で、しかもある程度滞在型であり、おしゃべりをしているお客様ばかりであったため。


同じ徳島で別のチェーン店で食事したときのこと。これまでも体感して数値は低いだろうと見ていたので計器は持ち込んでいなかった。看板メニュー(定番)の牛めしを注文しながら料理が来る前から食べ終わるまで1分ごとに計測した数値はご覧のとおり。
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この数値は予想外の低さ(安全性)であった。一般の家庭の食卓より低いかもしれない。客席の天井には4機の全熱交換器が見えており、500m3/hの能力と仮定すると4機で2000m3/hの換気を確保する。これを1人当たりに(ぼくが設定する)50m3/hで換算すると、40人定員を賄えることとなる。入店当時はこれにほど遠い客の入りだったため、計測の結果になったのだと思う。安心できるチェーンである。

原材料と人件費というF/L費の上昇で飲食店はいまや存亡の危機に立たされている。地元の老舗も台所(財政)は火の車かもしれない。安心して飲食のできる環境を調えても大した費用は掛らない。店舗環境を調えることはあらゆる面で利点があるので着手してほしいし、客である私たちも応援したいと思う。

なお、CO2センサーは複数使っていて、同じ環境で測定して誤差というか計測の傾向を把握している。手元にあるのでもっとも信頼できるのがINKBIRD製。

内部のNDIRセンサーには旭化成のグループ企業で、スエーデンの空気やガスのセンシングで定評あるセンスエア社製が使われている。
https://senseair.jp/about/

このセンサーは、高精度かつ低消費電力。これまでのCO2センサーは、AC駆動もしくは乾電池でもすぐに寿命が尽きてしまう欠点があった。AC駆動だと持ち運びできないし、乾電池仕様はバッテリーに依存しない合理性がある反面、計測の精度/測定間隔(1分ごととか、1日ごととか)を上げると途端に短寿命になってしまう。その点、このCO2センサーは、10分毎計測の設定で乾電池で4年持つ(ぼくは現場で測定することが多いので1分間隔としている)。NDIR(非接触赤外線)方式のセンサーならどれも同じではない。センサーの精度、感度、反応度の性能差はある。なお、製品本体は中国製で優れた部品をアッセンブルしているのだろう。温度、湿度は本体で常時表示のほか、アプリを使えば、ログの保存や気圧も把握できるなどスマート化も可能である。

さらに表示がKindle(電子書籍の表示端末)と同じように電子インクというのも画期的。電子インクと液晶との最大の違いは目が疲れないこと、炎天下でも見やすいこと、文字が光っていないので省電力であることである。次の写真は、野外で他の液晶表示のものと比べているが、圧倒的に本機が見やすい。意外なことに室内や暗い場所、斜めから見ても本機の表示がもっとも見やすい。電子インクのうえ、表示されるフォント(特にCO2濃度)の見やすさも特筆である。現時点でのCO2センサーの決定版といえる(Amazonでの評価数が少ないのは本質を見るヒトが少ないことを表している)。
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コロナ下でCO2センサーを導入したもののいまは使っていない事業所があるとしたらもったいない。よどんだ空気に気付いて改善することは快適な職場環境の確保による離職の防止、生産性の向上にも貢献する。再活用をおすすめする。感染症はコロナだけではない(突然変異で強毒化のおそれあり)。新型インフルエンザ、風邪、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1 型)のヒト型変異の恐怖、未知の感染症のおそれ(地球温暖化が加速する)はむしろ増大する。

コロナは5類移行後の1年で3万人以上が死亡した(5類移行前よりも増えている点に注意。警戒を行ってはいけない。ぼくも昨年だけで知人を2人亡くしている)。コロナ下での教訓は、政府や行政の情報を鵜呑みにせず独自に情報を収集して判断すること。どんな組織にも政治力学があって事実が隠蔽されたり表に出てこないことがあること。根拠のない陰謀説には与せず、あくまで科学的な根拠や経済/環境/安全の合理性から論理的に判断することと自戒を込めて書いている。

posted by 平井 吉信 at 12:41| Comment(0) | 防災・感染症・サイバー攻撃対策

2025年01月18日

桑野川の夕暮れとアンドロメダ銀河


桑野川に架かる富岡新橋から西の空、桑野川の水面ごしに日が沈む
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渦巻き状の腕が見えるようで、銀河系外星雲のようにも。
アンドロメダ銀河は、かつてアンドロメダ大星雲などと呼んでいたときは距離200万光年とされたが、観測精度が上がったいまでは250万光年。それもこちら(銀河系)に近づいているとのこと。

アンドロメダ銀河は満月の視直径よりも大きいので空が暗ければ肉眼で見るのは容易。
アンドロメダ銀河とわが銀河系(我がというほど親近感を持っていないが)は将来(40億年後)衝突するが、その際にどんな影響があるか考えるだけでも眠れそうにない。

えっ? 40億年後の近傍宇宙よりも、明日の我が身(地域社会)が気になる? ごもっとも。

(フジX-T5+XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR)
posted by 平井 吉信 at 22:38| Comment(0) | 気象・天候

庭先にて 朝の光が照らす幸福感 未来へ世界へ通じる放射(報謝)なのかも


阪神淡路大震災から30年目の夜が明けた。
朝、庭に出て野菊に近づいたら万華鏡のような空間が見えた。
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なんだか気分よくなったので海辺のまちへ出かけた
(内容は後日)

そして、その日の夜、
ひさしぶりに開栓した宮城峡12年の香りの海に目を閉じた。

世界が幸福でないのに、こんなひとときへの罪悪感。
(宮沢賢治の一節を思い出す)。

それでも、その思いを光に変えて行動することができたら―。
誰かの幸福を願う気持ちが幸福感なのかもと。
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(フジX-T5+XF60mmF2.4 R Macro)
posted by 平井 吉信 at 22:17| Comment(0) | 家の庭

2025年01月06日

初冬から真冬のとくしま植物園 2025年初のスミレとタチツボスミレも


12月から1月上旬のとくしま植物園の散策の途中で拾った写真を。まずは昨年末の12月中旬。この頃は紅葉の名残がある
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モラエスが愛した黄花亜麻は、眉山の裾野、大滝山の和田乃屋さんに咲いているが、ここでも数株ある
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夕暮れが近づいている
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ここから近所にある丈六寺の紅葉も美しいと聞いていたが、未だに見ていない
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冬の日はたちまちつるべ落しとなる
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1月になれば、ツバキ(サザンカ)が主役。カメラの露出計は夏に比べて少ない光量を示す
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そういえば、手持ちのCDで、ヴェルディの椿姫(カルロス・クライバー/ウィーンフィル、コトルバス=ヴィオレッタ)を長い間、聴いていない。今夜聴いてみよう

黄花亜麻はまだ咲いている。冬の少ない光量で立体的に見える。和田乃屋さんだと滝とともに見えるので風情がある https://wadanoya.com/
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春はスミレを見に野山を歩きたい、と思っていると、スミレ(Viola mandshurica)が見つかった。思わず声が出たのは心が騒いだから。咲いているのは数株だが、夏葉ではなく春本番の葉が出ていて、小群落を形成している。春が愉しみ
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スミレ(Viola mandshurica)はどこか大陸的な雰囲気を感じる。やはり稲作とともに渡ってきた渡来人なのだろう

タチツボスミレの早咲きも見つけた。タチツボスミレは、いとおかし、なにやらゆかし、大和撫子の趣き
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このタチツボスミレは咲き始めで、花弁が白と紫のまだら。気品があるその姿を地面に寝っ転がって眺める。シロバナタチツボスミレやサクラタチツボスミレは見たことがあっても、園芸種のような花弁は初めて見たので(もちろん自生種。付近には交配するような植栽はない)
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追記
この投稿で記事数が1900を越えた。2000本安打で野球の殿堂入りなら、2000投稿でブログの殿堂入り?なんてことはないけれど。2025年中には到達しそう。もっともそんなことはどうでもいい。単なる通過点だから


posted by 平井 吉信 at 21:28| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2025年01月04日

JR四国 牟岐線 キハ型ディーゼルが走る(特急むろとの廃止を惜しむ)


JR四国では次々と駅舎がなくなったり駅員がいない無人化が進行している。存続のためにはやむを得ないとわかっていても寂しさを禁じ得ない。

子どもの頃、10両程度を率いて線路を走っていた記憶がある。車内に暖房はあっても冷房はなかったため、夏は窓を手で開けて窓から顔を出していた。鉄橋にさしかかると川面を渡る風を感じていた。

駅舎とともにトイレがなくなったことで、列車にトイレが装備されるようになった。ワンマン車両だと誰かが長時間入っていると大変だけど、そこはなんとかということだろう。

ところで徳島県内の路線は電化されていない。SUICAも使えないので他県から乗車される際はご注意を。全線ディーゼル機関車で「電車」は走らない。学年が変わって担任が受け持ちクラスの生徒の通学手段を調べるために挙手を求める際、「汽車通の人は?」などという。

イルカがなごり雪で「汽車を待つ君の横で…」の風景が見られるのは徳島県ならでは。これから卒業の季節なので、風情のある徳島線と牟岐線で「なごり雪」ツアーなど企画してみては?(>>>JR四国さん)。

牟岐線にはときどきキハ47系が走る(鉄道マニアでないのでわからないが、おそらく1日1〜2本では)。まずは、キハ47-114型。オレンジ色をしている(首都圏色というらしい)。トイレは付いているようだ
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こちらは、キハ47-118型(空色=JR四国色)
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空色のキハ47系が通過した後、反対側からキハ185-12がやってきた。県内では特急で運用されている車両で、牟岐線(徳島駅から牟岐駅まで)の「特急むろと」(室戸には到達しない)、徳島線(徳島駅から阿波池田駅まで)の「特急剣山」(特急南風と接続することで高知方面へ乗り換えはあっても迅速に移動できる。ただし南風の自由席は座れないことが多いので座席指定を取っておくのが無難)、高徳線(高松駅〜徳島駅)の「特急うずしお」では2700系に置き換えられていてあまり見ることがなくなった気がする。
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この列車は特急むろとではなく、正月三箇日のみに仕立てられた薬王寺参拝用の臨時特急列車の「やくおうじ」(下りがやくおうじ1号、上りがやくおうじ2号)である。停車駅は特急むろとと同じ

ついでにJR四国と第三セクター線路のその他の仕様も見てみよう
JRでは古い車両をリニューアルして特別仕様車に仕立てることがある。それは観光臨時列車用で「藍よしのがわトロッコ」として前が動力を持たないキクハ32-501、押しているのがキハ185-20。貞光川の鉄橋を渡っているところ
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列車は、徳島県、高知県の普通列車でもっとも見かける1200型で、トイレ、冷暖房を装備。最高速は110km/h。列車はめずらしくないが、停車(この写真は発車直後)したのが夏の海水浴シーズンのみ開設される田井ノ浜臨時駅
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桜咲く時季の1552型普通列車が停車した阿波赤石駅
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夕陽を浴びて走る
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アジサイの季節
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田んぼの海を走る
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ご当地色あふれる土佐くろしお鉄道
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アンパンマン列車
外装のみ(大歩危峡を通過する特急南風)
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内装も
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特別仕立ても
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トロッコ仕様も
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阿波海南駅でモードチェンジをして線路から道路使用に変化するDMV。JR四国、阿佐海岸鉄道が存続できるよう、地元住民も観光客も乗車してほしい
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四国の鉄道、応援しよう!




追記 特急むろとが廃止される

昨年末に、牟岐線を走る唯一の特急である「むろと号」が2025年3月15日のダイヤ改正で廃止される見通しとなった。2019年3月15日には、特急むろとの徳島〜阿南版で通勤客の便宜を図った「ホームエクスプレス阿南」も廃止されている。かつては高知県甲浦駅まで乗り入れ、1日3往復あった「特急むろと」も区間の縮小と減便を余儀なくされていたが、ついに廃止の日を迎えることとなり、牟岐線の特急は姿を消すこととなる。

調べてみると、特急むろとの起源は、1962年7月に運行を開始された高松駅〜牟岐駅間の「準急むろと」に端を発する。1966年には急行に格上げされた。20世紀の牟岐線を、ベージュに赤のラインの入った列車(キハ58型)が颯爽と風を切っていた姿を覚えている人も多いだろう。

牟岐駅を7時頃に出発する上り便では、海部郡内の教員、公務員、会社員などが出張の折に、あるいは岡山で新幹線に乗る県南部からの観光需要にも重宝されていた。牟岐線は単線で速度の遅い普通列車では各駅停車に加えてすぐに発車しない待ち合わせもあるため、特急の利便性は高い。

特急むろとは、例えば徳島駅〜阿南間を30分程度で結ぶ。この区間の道路はどこを通っても慢性渋滞であるため、クルマでは1時間程度はかかるし時間も読めない。渋滞の原因は、日亜化学(雇用や納税、寄付などの地域貢献で県内に大きな貢献している)への通勤が多いこともあるが、そもそも那賀川、勝浦川、吉野川の三角州地帯なので道路の制約が大きいうえ、渋滞を引き起こす橋が多いことも要因となっている。

一案として、徳島駅〜阿南駅間は特急で残しつつ、牟岐駅〜阿南駅間はデマンド方式のマイクロバスで運行するなどは考えてみたが、現実には、乗り入れ運行時の法規や乗車のしくみづくり、阿南駅での接続の余裕を見た場合の時間ロスがあって利用者がいるかどうか。最大の困難は運転手の確保だろう。

過疎は悪いばかりではないとしても、沿線住民の減少により公共交通は人口減の影響をまともに受ける。そしてそのことが離れた学校への通学、買い物、総合病院や専門医への通院などから地域外への住民移転を促進する悪循環となる。

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posted by 平井 吉信 at 23:13| Comment(0) | 徳島

2025年01月03日

「ゆこう」をつくる生産者に想いをはせて(しろいぬ珈琲/おかだファーム=小松島市櫛渕町)


ゆこうは、徳島県の勝浦川流域に産する香酸柑橘で、スダチとダイダイが自然交配したものといわれる。このブログでは以前から、ゆこうの良さをお伝えしている。この日は、これまで出会ったゆこうのなかで、もっともおいしいと思えるゆこうを生産しているご夫婦に出会って、ゆこうを味わうとともに、お二人のゆこうにかける想いに共感したので記しておきたい。

料理人やパティシエによれば、ゆこうが香酸柑橘でもっともおいしいという人もいる。徳島市の濱喜久さんや、月ケ谷温泉の奥崎料理長、素材系の菓子でいえば、ゆこうのシフォンをつくっているhowattoの伊豆田裕美さんなどはそうおっしゃるのではないか。
→ ゆこうの記事は タグからどうぞ

今回はhowattoさんからの紹介で、ゆこうの生産者で、おかだファームを運営している岡田伸一郎さん(農業はサラリーマンの兼業として)と、農園の広報とカフェのしろいぬ珈琲を担当する奥様の明子さんにお話を伺ったもの。初対面であったのでお話の内容を正確に理解できていないかもしれないが、書いてみようと思う。

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ゆこうとは、スダチ、ユズのような香酸柑橘の一種。その風味はこれまでに知られているどの香酸柑橘にも似ていない。強いて言えば、レモンのようにさわやかな酸味が先行しながらも濃厚なみかん系の果汁のおいしさがふくよかに香る。鮮烈かつ豊潤でありながらユズのような癖はなく、まろやか。香りが鼻腔に立ちこめて、舌だけでなく呼吸によっても味わえる(岡田さんのゆこうは、まず香りで味わってください)。ぼくにとっては、ゆこうのない人生は考えられないぐらい、冬の暮らしに浸透している。ゆこうには、口腔環境や腸内環境を調える作用があることも徳島大学の堤理恵さんらの研究等で明らかとなっている。
→ 研究成果をわかりやすくまとめた資料「徳島クワトロシトロス〜すだち、ゆこうの機能性の探究〜」(PDF)

このブログでも紹介している小松島市櫛渕町(櫛淵町とも書く)は、里山の風景が濃厚な地区。この地で、農業を営む岡田さんご一家は、タケノコ、やまもも、ゆこうを中心に、レモンや伊予柑、甘夏など多品種をいずれも無農薬で栽培されている。おかだファームは、岡田慎一郎さんとご家族で運営している。近年では地球温暖化で冬でも気温が高くカメムシなどの虫害に遭うことが増えたという。虫を防ぐのは人海戦術でやらざるをえない。

それでも無農薬を続けるのは、それが誰かの口に入る食べ物だからであり、手間が掛ってもそうしたいと思っているから。無農薬が尊いというよりは、誰かに食べてほしいと思う気持ちを大切にしているから。いただくときにはその想いを受け止めたい。

おかだファームのゆこうは可能な限り、木なりの完熟で収穫されている。風味の濃厚さはこれまで経験しなかったもの
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おかだファームでも農産物をあいさい広場など直売所に出品しているが、消費者は価格だけで判断しがちである。岡田さんも農園の理念、なぜ、手間をかけてつくっているかという世界観などを伝えていく必要があるかもしれない。

明子さんは、農園に隣接した場所で、おかだファームの果物を使ったドリンクを提供されている。しろいぬ珈琲では、イベントや店先での催事販売も行なっているので、Instagramを参照ください。
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完熟ゆこうと砂糖だけでつくられた飲み物を提供されているが、これまでに味わったことがない濃厚な果汁の凝縮されたおいしさ。ゆこうの魅力が体内の宇宙を音を立ててかけめぐる感じ。
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農園のなかの構築物といっても、薪ストーブもあり、南面のみ開けて冬の北西の季節風を遮るので寒くはない。休みの日にお二人と会話をしながら飲み物をいただくことはかけがえのないひとときとなるはず。ぜひ、一度訪れて、コーヒーやゆこうの飲み物を注文されてみては?
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このブログでは思いや信念を持って行動している人たちを、当事者のご了承を得ないまま勝手に書いている。余計なお世話のブログだけど書かずにはいられないので。

追記
帰りに立ち寄った櫛渕八幡神社のフウの木の紅葉と神社のたたずまいが素敵だった
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追記その2 ぼくのゆこうの飲み方(冬の風物詩)
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絞り器で手絞り(ゆこうを横から見て斜め四つ切りにしておく)
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絞った果汁を蜂蜜かメープルシロップを好みで入れて熱い湯で割る
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口腔環境を調えたり整腸作用がある。風邪の予防にもなっているかもしれない。毎朝の仕事開始時にくつろぎで始められる
posted by 平井 吉信 at 18:39| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ