2023年11月25日

春には桜 秋にはコスモス(道の駅 ひなの里かつうら)


勝浦町の道の駅にはJAの直売所がある。ゆこうがあるかな?と思って寄ってみたけど、ゆずとみかんだけ。家人を連れて行ったので、大好きなみかんを買えて大喜び。ところが大事なものを買うのを忘れていたことをブログを書いている最中に思い出した。

それは、ゆこうを絞って湯割りにする際に入れる蜂蜜。同じ勝浦川流域の特産品である、みかんハチミツが合うのだけれど、それはここでしか手に入らないのだ。瓶が重いので最後に買おうと思っていて、そのままレジへ行ってしまった。ゆこうのハチミツ割りを飲むのは冬の朝の儀式なのだ。

ゆこうをご存知ない人はタグからどうぞ。腔内環境や腸内環境を調えるとされているけれど、何よりおいしい。香酸柑橘の果汁でもっともおいしいのは、ゆこうと思っている。ユズは癖がある、すだちは果汁そのものは飲めない(佐那河内村の「さなみどり」のように芳醇なスダチもあるけれど)。

さなみどりもそうだけど、特定の農家で突然変異で特性の違う香酸柑橘ができることがある。それを接ぎ木か挿し木で増やすのだろう。その農園固有種となる。勝浦町のみかんにもそんな品種があり、生産者は「錦みかん」と名付けている。もちろん買ってみた。初めて見たものだったから。みかんの風味を透明度を上げて濃密にした感じ。オレンジに近づいている温州みかんという感じかな。
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目当てのゆこうはなく、みかんハチミツも買いそびれてしまったが、道の駅の裏手には春には桜街道となる田んぼがある。そこにコスモスが植えられている。陽光を浴びて風にたなびく様子に心が動く。車には標準レンズの着いたカメラが積んであったのでそれを取りに戻る。

明るい場面を明るい画面でお届けできればと思うのでコスモスでよければ、田なかの小路を風に吹かれる気分でご覧ください。

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(ここからは興味のない人は飛ばして)
中国やフィリピンで生産している富士フイルムのデジカメやレンズが高騰してしまったのは円安のためだろうが、他社と比べて値上げ幅の大きさに不満の声が聞かれる。メーカーによってはレンズを値下げしたところもあるというのに(パナソニック)。

富士フイルムのカメラは3世代の画像処理エンジンが手元にある。X-Trans CMOSと名付けられた画像処理技術は世代が異なれば画像の再現性は異なる。メーカーとしては世代が変われども色調などは揃えようとしているが、全体から受ける印象は世代によって少しずつ違う。

X-T2(画素数24MP)は写真らしい階調表現で透過光での忠実な再現というよりもプリントの再現性に重きを置いているのではないか。写真が好きな人が好む画像生成と思う。

X-T30(画素数26MP)はもっとも自然度の高い再現で動作も安定感がある。カメラ自体の完成度が高く、シャッターのストロークが適切で手ぶれしにくいので、相当遅いシャッター速度でもぶれずに止められる。新型が高騰してしまった富士フイルムのカメラでその色再現や操作性が気に入った人は、手に入るのならX-T30をお勧めする。

X-T5(画素数40MP)は最新の画像処理で画素数も4,000万画素となっている。そのため肉眼で見えている以上にセンサーに光が届く(高精細で階調が細かい)。一見して違いが出るほどだけど、それでは前2機種で不満かというとそれはない。X-Trans CMOSは、X-T30の世代で完成されたのではないかとも思っている。

X-T30に初期の代表的な標準レンズ(XF35mmF1.4 R)を付ければ、軽く小さく写りは良いという申し分のないもので、今回のコスモスでもこの機材だけで十分なほど。フラッシュも内蔵しているので絞りを選んでTTL日中シンクロができるし、電子シャッターの高速も使える。絞りを調節すれば、自由自在の画が撮れる。写真の愉しさはここにあるね。

posted by 平井 吉信 at 21:09| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年11月19日

100円少々で買える庶民の楽しみ そこに住む人の幸福がすべてを明るくするというのに


まあいろいろあるでしょうが、この秋の新製品では2つ挙げてみた。
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かっぱえびせん のりしお味
https://www.calbee.co.jp/products/detail/?p=20230721112805

鼻から味わうかっぱえびせんという感じで、植物の葉緑素的な匂い立ちと、塩のきいたエビの組み合わせの妙。定番よりもおいしいので定番化してほしいけど秋限定のよう。


大塚食品 マッチ ビタミンみかん
https://www.otsukafoods.co.jp/product/match/500_mikan.html

清涼飲料水につきまとうべたつき感が少なく好印象。うんしゅうみかん果汁を使用しているようで、酸味と甘味を押えたあっさり風味。


物価高で庶民は工夫している。政治には好循環をつくるきっかけとなる政策を行ってほしい。所得減税(定額)+一時給付金はやらないほうがましだよ。

日本の経済が良くならないのは内需が弱いからというのが専門家の見解(ぼくもそうです)。ここを出発点とすれば、内需が起こる施策を行えば良いということになるが、上記の措置からはそれは起こりえない。財政規律を重視する層からも経済優先を求める層からもそっぽを向かれてしまった。

順番はこうでしょう。
消費税減税(一律5%など)→ 安心感(心)と可処分所得の増大(物)(同時並行でインボイス廃止)→ 消費拡大→ 企業や商店へ売上高増加となって降り注ぐ→ 収益改善→ 所得や給与増大→ ますます可処分所得増える → 経営改善加速→ 低金利政策終了 → 円安から円高へ→ 物価下がる→ 海外に生産拠点を移した企業や輸入原料の高騰に苦しむ事業所の収益改善→ ますます消費増加・所得増加→ 納税額増加→ 法人税率改定+所得税累進性強化で財政改善 → 教育や子育てへの注力→ 消費税廃止→ 可処分所得増加で中流世帯増加…と好循環の鎖が続く。これは富裕層も貧困層も関係なく降り注ぐ。


これに対してアベノミクスのような大企業への利益誘導(円安による株価操作、30年間で法人税低下するも内部留保が増加するだけで研究開発や人材への投資、給与の増加は行われず、内側がぶくぶく膨れたけれども技術力や先進性も失って海外企業に身売り)をやってはいけなかったことが明らか。

その象徴が時価総額ベスト10企業の分布で1989年には世界トップ10社のうち8社は日本企業、いまではベスト30位にも入る企業すらなし。政策が間違っている。まずは国民を豊かに(幸福に)。そこから内需を拡大させる政策で企業も全方向から降る恵みの雨で恩恵(産業の連関構造上すべての企業や商店に恩恵が及ぶ)という構造に持っていかないと、自公お得意のばらまき補助金+商品券+軽減税率(インボイスの素)では財政悪化の事業成果なしの繰り返しになるよ。   
posted by 平井 吉信 at 15:18| Comment(0) | 生きる

秋の空に夏が秋の空に夏が混じった雲さまざま混じった雲さまざま


地球温暖化と異常気象の勃発で気象について気になっているので、ここ数か月勉強している。すると空を見る目が変わって、天候が悪化(回復)しそうになると空を注視している。

秋なのに雄大積雲から上部が「かなとこ雲」になって眉山の上(実際の位置関係は不明)に見える。
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かなとこ雲とは線路を断面から見たようなかたちになっているもので上昇気流で雲が成長しようとしたが、それ以上は上に行けない目には見えない境界(対流圏界面)があって雲は横になびいているように見える。そこは対流圏上層部に達しているだろうから1万メートルを超えるだろう。

10月の上旬ぐらいまではこんなぎらぎらした高積雲を見かけた
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太陽の近くの高積雲に出現した彩雲
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夕暮れのたなびく高積雲を見ると家路を急ぐ子ども時代を思い出す
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朝の薄明の空
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夕暮れの東の空に浮かぶ高積雲 雄大雲からは成長できなかったようだ
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西の空には積層雲から尾流雲となって雨粒が伸びている 雲の下は小雨となっているのではないか
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posted by 平井 吉信 at 14:48| Comment(0) | 山、川、海、山野草

食品製造販売でもっとも大切なこと 理念と科学


はからずしも予言のようになってしまった。10/28の投稿「おいしさが見える世界観 でもほんとうに大切なことは目に見えない」で指摘を行った。その抜粋はこちら。
限られた量しかできないのは食品製造の宿命として、そこに無理がある場合はすぐにわかる。売れるからといって数日前から菓子を焼いたとしても、良質の材料を使っていることをアピールしていても、その使いこなしがどうなのか? 何より食品にとってもっとも大切な衛生管理や品質管理はどうなのか?

全国ニュースになったのでご存知の方もいるでしょうが、東京で11/11〜12にかけて行われた祭事販売で売られたマフィンが重大な食中毒を起こしてしまった。厚生労働省は「喫食により重篤な健康被害または死亡の原因となり得る可能性が高い場合」に当たるリコール対象とした。おそらく東京都内の自宅でつくっていると思われるこの店は製造法を改めて製造数量を減らしたとしても製造環境が問題ではないかという懸念がする(室内がカビ菌などで汚染されている可能性。であればこの場所ではもはや製造できない)。

徳島でも催事販売で人気のマフィン店がある。販売量から推察すれば作り置きの可能性があるし、現場での品質保持や行列への配慮が見えず、見栄え重視でいつかはトラブルになるだろうと予見できたことから当事者に気付いてほしいと思って書いたのが10/28投稿(食中毒が起こればほぼ廃業に等しいのでお節介と捉えて対策してほしい)。

前回取り上げた模範的な事業者(事業者名を書いていないのは当方の配慮)は、さっそく公式Webサイトで菓子づくりの理念と方針について説明されている。それは、マフィンは当日朝に焼き上げたもののみを販売していること、大学での専攻や食品製造業界での経験から衛生管理を熟知していること、密閉した専門の工房で衛生管理に配慮してつくっていることなどが記されており、「おいしさよりも安全が優る」と結んでいる。

衛生管理については、当日朝に焼けば良いといった問題ではなく、焼いたすぐに急速冷凍(近年はブラストチラー、ショックフリーザー、リキッドフリーザーなどさまざまな急速冷凍機が手頃な価格になってきた)して解凍すれば作り置きでも問題はない。

むしろ材料の持ち込み(土壌菌など)や洗浄、容器の扱いや原材料の選定、加工、保管など全体で語られるべきこと。さらに火を入れる際に副原料の水分率などに配慮しなければシフォンもマフィンも商品にはならない。

例えば、イチゴのマフィンであれば、水分コントロールのできない生素材で焼くなどはありえないので、イチゴをペースト状やセミドライにしたうえで生地への影響と風味のバランスから試行しながら決定する。つまり科学的な調理の知見を基本にしながら素材ごとに試作して確認しなければ、上質の原材料を用いた菓子づくりは行えないというのがぼくの意見。

前回紹介した事業者は毎回異なる素材を活かすためにそれを行っている。当たり前といえば当たり前だが、そんなことは買い求める人には関係ないので、量と価格を見て「高い」などとSNSに平気で書き込んでしまう。

実際にこの店の売りであるシフォンケーキにしても、マフィンにしても、おいしさでも他を圧倒していると思うのだが、店主は安全性が第一との商品づくりを行っている。毎回の旬の素材とその確認、試行を経て安全に提供できる数しかつくらないため、そのため週1回のみしか営業できないのである。

マーケティングのテクニック(行列をつくるなど)よりも大切なのはおもいやり。この社会から「見栄え」や「ルッキズム」などがなくなって本質が光り輝くようになれば良いなと思っている。

良い焼き加減。よく加熱されて外はカリッと焼けているが、中はしっとり。あなたが食べているマフィンは中がパサパサしていませんか?
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スコーン
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クッキーの詰め合わせ
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人気の栗のマフィン
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看板商品のシフォン プレーンもおいしいが、時季それぞれの試みがおもしろい。紅茶とスイカの組み合わせの妙
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追記
かつて山間部の第三セクターの宿泊施設にYショップに加盟して売店を設置してみればと提案したことがある。町内にコンビニがないので宿泊客向け、住民向けにもなる。3大コンビニと違って24時間営業の縛りもなく、独自の町内産品も販売できるゆるやかな運営ルールである。

そのような利点だけではなく、災害時にはヤマザキの持つ風味保持技術が活きてくると思っている。添加物に依存して保存性を上げているのではなく衛生管理を高度に行って保存性を上げたうえであらゆる場面を想定して必要な食品添加物を配合していると理解している。添加物=悪、無添加=安全の単純な図式でなく(安易に添加物を使うのでもなく)、目的に応じた適切な考え方を採用すれば良い。

山間部の自治体ではライフラインの途絶や1本しかない主要道(県道)が通行不能となれば、町民や宿泊客の食事を数日確保しなければならない(町民全員というわけにはいかないが)。そのための意味もある。残念ながら想定される売上高が商品供給の相手先からは足りないということで見送ったとのことであった。

食の安全性は重要であるとともに、場面ごとに価値のあり方は異なるが、規模に関わらず果たすべき義務は同じである。お菓子は誰かの幸福の場面をつくるためにあるのだから(すべての商品やサービスはそうでしょう)。
posted by 平井 吉信 at 12:34| Comment(0) | 食事 食材 食品 おいしさ

2023年11月11日

秋が深まる面河渓谷と鉄砲石川(仁淀川水系の面河川支流) 今年は?


ジオを感じる規模感では大歩危小歩危は日本有数の場所。しかし国道32号が走るので秘境感はない。
そこで四国の渓谷でもっとも古くから知られる観光地の面河渓(おもごけい)を思い出す。

小学校の頃に祖母からもらった絵葉書を見て、こんな場所があるのかと感嘆した。そのときの絵葉書をいまも持っている。行きたいと思って地図で見るととても遠い。夢が叶ったのは二十代前半。マリンブルーのワーゲンゴルフで出かけた。ユースホステルでイギリス人と意気投合したことを思い出した。これはその絵葉書の表紙。
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紅葉の季節ともなれば混み合う場所だけど、戦前からの観光地であることもあって近年は衰退感が漂う(数年前に訪問した際は面河渓の白眉ともいえる渓谷沿いの散策路が通行止め)。ここは別格と思いつつ、コロナ下やガソリン代高騰もあって再訪がなかなか難しい。以下の写真は「仁淀ブルー」をNHK高知放送局が仕掛ける前の2011年撮影のもの。こちらは仁淀ブルーというよりは大陸の水墨画を思わせる陰影が見物。四国東部からはなかなか行けない場所なのでどうぞ。
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posted by 平井 吉信 at 11:43| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年11月10日

秋が深まる安居渓谷(仁淀川水系の土居川支流) 今年はどんな感じ?


仁淀ブルーといわれる典型が秋の安居渓谷。
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紅葉もさることながら、大水が出て数日後の渓谷はいかばかりだろうと想像。
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写真は2019年の11月中旬のこと。
(フジX-T30+XF35mmF1.4 R)
タグ:仁淀川
posted by 平井 吉信 at 23:01| Comment(0) | 山、川、海、山野草

2023年11月03日

名も知らぬ遠き島から室戸阿南海岸へ流れ着いた 亜熱帯のヒルガオ その名は?


南阿波サンラインでまどろんでいたところ、見慣れぬヒルガオが目にとまった。太平洋に面しているが波のおだやなか小さな湾となった砂浜に2株自生していた。季節は夏の終わりである。
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その葉が相撲の行司が持つ軍配に似ていることからグンバイヒルガオと呼ばれる。日本周辺では奄美や沖縄、さらには台湾やフィリピンに自生していると思われる。その種子が黒潮に運ばれてたどり着いた日本の砂浜で芽を出し花を咲かせるのだ。グンバイヒルガオはハマヒルガオとは明らかに異なり、大きく厚手の葉を持ち、ポリネシアの人たちを彷彿させるような大柄な植物の印象。どんな花が咲くのだろう。

続いて海部郡内で群生している渚を見つけた。このあまり知られていない渚の個体は群生していることから越冬して発芽、開花しているように見える。時期は9月上旬。
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日本のハマヒルガオの花より大きく色が濃いため群生するとつややかで見とれる
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付近にはネコノシタも見られる
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さらに10月、もっと南の海岸でも群生を見つけた。なんだか甘酸っぱい心象風景。ここには高校の頃から自転車で来て民宿に止まっていた場所の渚だから。
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海水浴場がある渚でも分散的に見かけた。ハマアザミが印象的。
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ここの個体は開花には至っていない。
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今年の夏に漂着した種から発芽した幼個体ではないか。この冬を越えて定着するかどうか注目される。

四国の東南部、室戸阿南海岸のいくつかの渚では、地球温暖化でかつて見かけなかった南洋の植物が定着しようとしている。外来種であり希少種なので移動や採取は厳禁としてしばらくは見守ってみようと思う。ぼくはこの植物は好きになりそうである。

夕暮れの海岸線はやがて薄明になった。
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地球に生まれて地上に生きている。


posted by 平井 吉信 at 12:12| Comment(0) | 山、川、海、山野草

森のしずく 霧に包まれて たくさんの Sense of Wonder(佐那河内いきものふれあいの里 自然観察の森)


徳島市内から約40分の大川原高原に到着する道中に佐那河内いきものふれあいの里ネイチャーセンターがある。周辺は標高7百メートル前後の音羽川(園瀬川支流)源流域の森の散策路がある。

散策路といってもネイチャーセンター(人が常駐する)まで5分程度で戻れる場所を周遊するので森を逍遙するのが不安という人や、子どもの自然観察にはうってつけである。連日事故が発生しているクマについては、四国のツキノワグマの生息数は少なく(以下のURLに調査報告)遭遇する機会は皆無に近く、この山域での目撃例もないので心配無用。
→ 日本自然保護協会の調査結果 https://www.nacsj.or.jp/2019/12/18290/

クマに関してはヒグマとツキノワグマの違いよりも個体差や状況(餌を探している、強い個体に追い出されて里山へ降りてきた、人と遭遇したことがあって攻撃してこないのを知っている、シカの死体あさりで肉の味を知っている、出会い頭であった、人を襲ったことがある、興奮状態、親離れしたばかりで世慣れない若い個体、子どもを連れている母熊などの状況ごと、また斜面の上下の位置関係(上が有利)、距離、地形、個体差があって、このように対応すれば良いという法則は見い出しにくい。

例えば、山菜採りなどで不意に襲われたときは顔と頭を守りながら地面に伏せることでケガはあっても命は守る姿勢を取るといったことを優先する。背中を向けて逃げてはいけないのは原則だが(逃げても追いつかれるうえ、攻撃を誘発する)、子グマを置いている母グマの心理からは子グマから離れて深追いを避けようとするなど例外的にそれが有効な場合もあるかもしれない(ほとんどの場面では背を向けて逃げないは不可欠と思われる)。

クマとの距離があれば、ゆっくりと後ずさりをしながら木の陰に隠れる(横の動きはクマにわかりやすいので場合によっては木の前に立って静止するのもあり)。クマの姿が見えなくなってもしばらくは静止してクマが消えていった方向を注視する。相手も隠れてこちらを見ている可能性があり、後ろを向いて歩き出すと追ってくることもある。後ずさりは半身で後方を確認しながらも前を向いたままで行うなど、さまざまな留意点があるようだ。とにかく、これだけクマが出没している現状では山菜採りや生息する山域に入山(登山)しないのが原則だろう。

この場所は初心者向きで静かな散策が楽しめる場所。帰りはネイチャーセンターで見聞を深めたら良い。

下界から見る大川原高原は霧に包まれていた。層雲と呼ばれる雲である。この雲のなかに入ったら霧雨がしとしと湿らす程度だろうと考えて出かけることとした。折りたたみ傘と雨具の上着は持って行くとして、自宅から40分後には到着するのでおっくうにならない。

まずはセンターの上にある森を歩いてみる。森の入口にはタカクマヒキオコシ、シロヨメナ、オカタラコウが群生している。それぞれ紫、白、黄の花弁である。
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みずみずしい広葉樹の森を上がっていく
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オタカラコウにとまって蜜を吸うのはシロツバメエダシャクか?
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白い貴公子のよう
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ホウジャクが飛び込んできたが動きが速くて暗い場所でのシャッター速度では止められない
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こちらは透き通るような羽根をしたホシベッコウカギバ
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キノコではなく落ちてきた広葉樹の種
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テイショウソウ
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星が瞬くようなアケボノソウ
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露に打たれた植物
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蜘蛛の巣さえ水滴の花火
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オタカラコウは湿った森の番人のよう
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今度はセンターの下の散策路を行く 
(途中キイロスズメバチが集まっている樹木があった。巣があるのか樹液を吸っていたのかはわからない。たまたま黒い雨具を着ているぼくは足早に通り過ぎるしかない)
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沢が見えてきた。これが音羽川の源流域
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浅い水際をたどっていく
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トリカブトの仲間
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植物界でも毒性の強い植物で1グラムの葉で人が危うくなるという。触れるぐらいで致死量には至らないが皮膚や粘膜からも吸収されるので素手でさわらないほうが無難。しかしこれを薬にも使うのだから毒をもって毒を制すことがあるのだ。

オタカラコウがこの日の主役
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夕暮れが近づいて森が霧に深く包まれるようになった。
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この時間が良い。センターの周りを歩いているのでどこからでも5分で車道に戻れる。日常のなかの非日常は身近なところにある。

タグ:大川原高原
posted by 平井 吉信 at 11:24| Comment(0) | 山、川、海、山野草